有料のWordPressテーマで「THE THOR(ザ・トール)」と「DIVER(ダイバー)」どちらを選ぶか迷っている方も少なくないと思います。
何と言っても両者は、有料のWordPressテーマをおすすめ順にランキングでも評価した通り、有料テーマの中でもAFFINGER5やJINをおさえてトップ争いをするWordPressテーマですから。
実際、私も数々の有料WordPressを比較し、最後は「THE THOR(ザ・トール)」と「DIVER(ダイバー)」のどちらにするか悩みました。
最終的には価格が少し安いTHE THORを選びましたが、価格が同じであればDIVERを選んでいたかもしれません(ちなみにこのサイトはTHE THORを使用しています)。
双方ともに一長一短があり、個人のデザインの好みやサイト作りの方向性でどちらがいいかが変わってきます。
ここでは、THE THORとDIVER、どちらのWordPressテーマを選んだらよいか迷っている人のためにその判断材料を記したいと思います。
THE THORとDIVERの比較
全ての項目を比較することはできませんので、SEO対策やサイト作りの主要な部分をピックアップして比較しています。
デザイン
優れたデザインは、サイトへの訪問者に信頼感を与えます。
THE THOR、DIVERともにデザイン性はバツグン。
どちらも男性的でクールな印象のデザインです。
ただ、THE THORには、自由にダウンロードできる9種類のデモサイトが用意されてあり、中には女性向けデザインのデモサイトも紹介してあります。
実際にダウンロードしてデモサイトのような美しいサイトを構築できるかどうかは別の話ですが、9種類のデザインを用意している点でTHE THORが親切と言えます。
DIVER | THE THOR | |
デザイン | ○ | ◎ |
高速表示対応
THE THORでは、CSSや画像の非同期読み込みやブラウザキャッシュ、HTML圧縮といった技術でページの表示速度の高速化に取り組んでいます。
DIVERもアップデートの都度、サイトの軽量化、CSSの圧縮処理といった技術でページの表示速度の高速化に取り組んでいます。
実際のサイトの表示速度は、同等かTHE THORがやや速いといった印象でしょうか。
AMP対応
モバイル端末でウェブページを高速表示するための仕組みにGoogleが推進しているAMP(Accelerated Mobile Pages)というものがありますが、どちらもAMP表示が可能です。
THE THORは一括でAMPを有効にし、個別の投稿ページでAMP非表示対応が可能。
DIVERは、個別の投稿ページでAMP化が可能です。
個人的には個別で動作確認ができるDIVERの方が使い勝手がいいと思います。
PWA対応
さらにTHE THORでは「PWA(Progressive Web Apps)」というGoogleが推奨する革新的技術をいち早く導入しています。
※PWAとはモバイル端末でページを表示する時にネイティブアプリのような挙動をさせることが出来る技術で、高速表示が可能となります。
尚、個人的には、AMPもPWAも使い勝手が悪く今後流行るのか疑問です。THE THORを使用している当サイトでは現在は2つの機能は使っていません。
DIVER | THE THOR | |
高速表示対応 | ○ | ◎ |
レスポンシブ対応
両テーマともPCやモバイルなどの端末を選ばず美しいデザインを保ち続けるようにレスポンシブ対応してあります。
サイズを変更してもレスポンシブ対応が崩れることがありません。
DIVER | THE THOR | |
レスポンシブ対応 | ○ | ○ |
入力補助機能
入力補助機能とは、見出しやボタン、ボックス、引用、吹き出し、口コミ、Q&A、マーカーラインといったものをワンクリックで簡単に表示させる機能です。
これに関しては、両者とも充実しており、甲乙つけられません。
DIVER | THE THOR | |
入力補助機能 | ○ | ○ |
CTA
CTAとはCall To Action(コールツーアクション)の略で簡単に言えばWebサイトへの訪問者に行動を促し誘導する仕掛けです。
必要に応じて、資料請求やメルマガ登録、セミナーの申し込み、問い合わせ、商品やサービスの購入といった行動に誘導する仕掛けを作ることができます。
DIVERもTHE THORも、CTAを複数作成することが可能な上、記事の下に表示する記事下CTAとフッターに表示するフッターCTAが設定できます。
記事下CTAは、どちらも投稿記事ごとに表示・非表示の設定が可能です。
さらにDIVERはアピールブロックというスクロールに連動するCTAを設定することができます。
アピールブロックは、サイドバーの最下部に表示されていて、ページスクロールすると固定されます。アクションボタンが常に表示されている状態になります。
尚、アピールブロックはPCで閲覧した時のみ表示されます。
CTAの機能については、DIVERにやや優位性を感じます。
DIVER | THE THOR | |
CTA機能 | ◎ | ○ |
ランディングページ
CTAと同じく商品やサービスの購入といった行動に誘導する効果が高いランディングページ(Landing Page)。
DIVERもTHE THORも投稿と同じように複数作成することが出来ます。
ヘッダーやフッター、サイドバーも表示されず、真っ白なページから自由に編集し、集客から商品やサービスの購入、お問い合わせといったアクション誘導までを単独で行えます。
DIVER | THE THOR | |
LP機能 | ○ | ○ |
共通コンテンツ管理機能
例えば広告などのコンテンツを1箇所で管理して、各投稿ページでショートコードを用いて動的に呼び出す形で管理することができれば、広告に変更があった時などに、1箇所修正するだけで、全てのページに修正を反映することができます。
この機能を用いて、テンプレート化したコンテンツ1カ所のみの修正で終了となったアフィリエイト商品のリンク削除や代替え商品への張り替えが可能となります。
DIVERにもTHE THORにもこの機能があります。
DIVER | THE THOR | |
共通コンテンツ機能 | ○ | ○ |
投稿ページのSEO対策機能
両テーマとも投稿する記事ごとに、
・「title」と「meta description」
・「noindex」「nofollow」
の設定が可能です。
DIVERは加えて重複コンテンツの対策のための「canonical」設定もできます。
canonicalとは、ページ内容が類似もしくは重複しているURLが存在する場合に、検索エンジンからのページ評価が分散されないよう、正規のURLを検索エンジンに示すために用いる記述です。
重複ページはその程度によりペナルティにはならなくとも個人的には少なからず評価が分散されると考えていますのでcanonicalの設定機能は欲しいところです。
THE THORは、記事ごとにtitleタグとh1タグを別に設定できます。
検索結果に表示されるタイトルと実際の記事タイトルの表記を別に設定できるため、きめ細かい・柔軟性の高いSEO対策が可能ですが、canonical対応ができるDIVERが親切と言えます。
DIVER | THE THOR | |
投稿ページのSEO対策 | ◎ | ○ |
投稿一覧ページのSEO管理機能
THE THORには、「見える化システム」として記事毎の
・総合閲覧数
・平均閲覧数
・タイトル文字数
・本文文字数
・タイトル内キーワード数
・本文内キーワード数
・内部リンク数
・外部発リンク数
など、SEO対策に役立つ情報が一目でわかる分析ツールが標準で搭載されています。
この見える化システムを活用することで、例えば品質の低いページを見つけるなど、分析ツールを導入しなくてもライバルの一歩先を行くSEO対策が可能となります。
DIVER | THE THOR | |
投稿一覧ページのSEO管理 | △ | ◎ |
アーカイブページのSEO対策機能
カテゴリーページの装飾
カテゴリーページやタグページのアーカイブページのSEO対策機能の一つは、これらのページを投稿ページと同じように装飾することができる機能です。
両テーマともカテゴリーやタグごとに「title」と「meta description」の設定が可能ですし、カテゴリーページの装飾も柔軟性を持たせています。
アーカイブページのnoindex対応
アーカイブページにはもう一つ、SEO対策としてnoindex対応があります。
カテゴリーやタグ、年月のアーカイブページは品質が良くないとして最初からnoindex対応にしているWordPressテーマも見られますが、THE THORは、特にSEOとして影響がないとしてアーカーブページ全体のnoindex対応が不可になっています。
このため重複した記事と見做されて記事の評価が分散されないよう記事の作成には神経を使う場面も出てきます。
当サイトでは、THE THORを使用してますがカスタマイズしてnoindexにしています。
参考:THE THORでカテゴリーなどのアーカイブページをnoindexにする手順
これに対してDIVERはカテゴリーやタグごとにnoindexに設定したりcanonical設定をすることも可能とし、柔軟性を持たせています。
どちらの設定も可能であるDIVERが親切と言えます。
THE THORには、近い将来、機能の追加があることを期待しています。
DIVER | THE THOR | |
アーカイブページ | ◎ | ○ |
ランキングページ
DIVER、THE THORともにランキングページの作成が可能です。
商品やサービスを比較してランキング形式で紹介するアフィリエイトサイトなどの構築も比較的簡単にできるようになります。
実際、作りだすとDIVERの方が柔軟性が高いように感じます。
DIVER | THE THOR | |
ランキングページ | ○ | ○ |
目次と人気記事の表示
目次の表示
最近は、文字数の多いページが増えてきたこともあり、ページの最初に目次を設定しているものが増えてきています。
目次の機能は、THE THORでは標準で付いていますが、DIVERは、「Table of Contents Plus」というプラグインのインストールが必要になります。
ただ、PCで表示させた場合でも、サイドバーにそのページの目次を追従させて表示するといった機能はTHE THORにも標準では付いていません。
サイドバーにそのページの目次を追従させて表示させたい場合は、DIVERと同じように「Table of Contents Plus」というプラグインのインストールしてカスタマイズする必要があります。
当サイトでは、WordPressテーマにTHE THOR(ザ・トール)を使用しています。 ここでは、当サイトで施しているカスタマイズのうち、 ・THE THORの目次を追従サイドバーエリアに表示する[…]
人気記事の表示
訪問者の回遊率の向上という点で、関連記事や人気記事の表示は効果があります。
関連記事の表示機能はDIVER、THE THORともに搭載しています。
人気記事は、THE THORでは標準で付いていますが、DIVERは、「WordPress Popular Posts」というプラグインのインストールが必要になります。
目次や人気記事について、DIVERでは、プラグインのインストールが必要なのに対して、THE THORでは標準でついている点で親切と言えます。
DIVER | THE THOR | |
目次と人気記事の表示 | △ | ○ |
絞り込み検索機能その他
THE THORでは、下図のように通常のテキスト検索に加えて「カテゴリ」と「タグ」による絞込検索フォームを標準で用意しています。
訪問者に親切なだけでなく、サイト管理者にとっても記事のメンテなどで重宝する機能です。
また、THE THORでは標準で「お問い合わせフォーム」や「読者用のサイトマップ」を簡単に作成できる機能が付いています。
DIVERでは、お問い合わせフォームは、Contact Form 7というプラグインを、読者用のサイトマップはPS Auto Sitemapというプラグインの利用を推奨しています。
DIVER | THE THOR | |
絞り込み検索機能 その他 |
△ | ◎ |
初心者におすすめなのは
どちらも設定項目が多く、全くの初心者が使いこなせるようになるまでにはやや時間がかかると思いますが、DIVERはマニュアルが整備されており、サポートも優れています。
その点、DIVERが初心者向けと言えます。
DIVER | THE THOR | |
初心者におすすめ | ○ | △ |
カスタマイズ性
カスタマイズ性は、ウィジェットの数でおよそ判断できます。
ウィジェットの画面を見てもわかる通り、ウィジェットの項目数はDIVERの方が圧倒的に多いのがわかります。
色んな箇所に仕掛けを施すことができる分オリジナリティのあるサイトが作れると言えます。
また、DIVERは、メインカラムやサイドバーなどの画面のサイズの調整や、画像のサイズ、ヘッダーメニューの透明度など細かいカスタマイズが標準でできます。
DIVER | THE THOR | |
カスタマイズ性 | ◎ | 〇 |
サポート・マニュアル
DIVER、THE THORともにバージョンアップ・機能追加・機能改善を繰り返す「成長・進化し続けるWordPressテーマ」です。
テーマインストール時のサポート
THE THORは、テーマインストール時の「安心メールサポート」で、インストールが無事完了するまで担当者がサポートします。
DIVERも直接のメールサポートが可能です。
テーマ導入後のサポートやマニュアル
THE THORは、操作マニュアルや質疑応答可能な「会員フォーラム」などでQ&Aを受け付けてサイト運営をサポートしています。
ただ、現時点ではマニュアルは簡素なもので、正直言って初心者の方には不向きです。説明がなされていない項目もあります。
また、不具合の修正や問い合わせの対応も今イチとの声があり、開発元のFITとの間にボランティアと言われる方が対応していたりと、非効率的な面もあります。
DIVERは、直接のメールサポートが無期限・無制限で利用可能です。
有料のWordPressテーマの中でもテーマ導入後のサポートに正面から向き合っているのはDIVERだけではないかと思います。サポートの口コミも抜群です。
機能に関してはもちろんの事、CSSやHTMLを教えて欲しいというご相談も受け付けており、購入者からの評判もいいようです。
サポートについては、DIVERがいいです。
DIVER | THE THOR | |
サポート | ◎ | △ |
複数サイトでの使用
THE THOR、DIVER、いずれも1つを購入すると自分が管理するサイトであれば複数サイトで使用することができるライセンス契約となっています。
複数のサイトを運営している人にはリーズナブルな価格と言えます。
まとめ
以上、THE THOR(ザ・トール)とDIVER(ダイバー)の機能について管理人独自の目線で比較してきました。トータル的に見れば甲乙つけがたいWordPressテーマです。
THE THORは標準で一通りの機能を搭載しておりプラグインのインストールが最小限で済みますが、SEO対策としての柔軟性はDIVERに劣るといった印象です。
一方、DIVERは、プラグインを有効活用しながらSEOにも強く柔軟なサイト作りができるテーマを目指している印象です。
比較項目 | DIVER | THE THOR |
デザイン | ○ | ◎ 9種類のデザイン サンプルあり |
高速表示対応 | ○ AMP |
◎ AMP+PWA技術 |
レスポンシブ対応 | ○ | ○ |
入力補助機能 | ○ | ○ |
CTA機能 | ◎ アピール ブロック |
○ |
LP機能 | ○ | ○ |
共通コンテンツ 機能 |
○ | ○ |
投稿ページ のSEO対策 |
◎ canonical対応 |
○ |
投稿一覧ページ のSEO管理機能 |
△ | ◎ 見える化システム |
アーカイブページ のSEO対策機能 |
◎ noindex可 canonical可 |
○ |
ランキングページ | ○ | ○ |
目次と人気記事 の表示 |
△ プラグイン |
◎ |
絞り込み検索機能 その他 |
△ | ◎ |
初心者向き | ○ | △ |
カスタマイズ性 | ◎ | ○ |
マニュアル サポート |
◎ | △ |
複数サイト使用 | ○ | ○ |
価格 | 17,980円 | 16,280円 |
おすすめはDIVER
柔軟なSEO対策を可能にしたい場合やサポート体制に重点を置く場合は、現時点では、DIVERがおすすめです。
リリースされて時間も経っていますので完成度も高いと言えます。
実際、THE THORをイチオシしているサイトでも自分のサイトではDIVERを使っているサイトは少なくありません。
⇒ 最新SEO対策済みのwordpressテーマ「Diver」
THE THORはリリースして間もないため、いくつかの不具合が報告されていましたが、現在は殆どが修正されています。会員フォーラムの雰囲気も少しづつ良くなってきています。
ある程度のデザイン性と機能があれば、サポートなしでも自分でカスタマイズできる、また、できるだけ安いWordPressを、と考える方は、THE THORもおすすめです。
自分が重要視する項目、目指すサイト作りにどちらが適しているかで選ぶといいと思います。
尚、この比較は2019年11月時点のものです。どちらのテーマもバージョンアップを繰り返しながらより高機能のテーマへと成長しつづけています。
特にTHE THORは持っているポテンシャルは高いので今後の成長が楽しみです。
機能の追加・修正があれば加筆・修正していきます。