業務独占資格・名称独占資格・必置資格の一覧

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資格には、業務独占資格名称独占資格必置資格といったものがあります。

ここでは、業務独占資格や名称独占資格、必置資格とはどういう資格か?また、それぞれどういう資格があるのかを紹介しています。

業務独占資格とは?

業務独占資格とは、医師や弁護士など、その資格を有する者のみが行うことができる業務が法律で定められている資格をいいます。

その資格を取得していなければ該当する業務を行うことが禁止されている資格で、例えば医師でない者が医業を行うなど、資格を有しない者がその業を行うと処罰されます。

業務独占資格が定められている理由は、高度な専門性のある仕事において、能力や知識が不足していると、任せられた仕事がこなせないばかりか、人の身体や財産を脅かしてしまうことになりかねない恐れがあるためです。

このため、業務独占資格は、資格の難易度は高くなりますが、業務を独占できますので、就職や転職に有利になるだけでなく、独立もしやすくなります。

業務独占資格(独占業務のある資格)

主な業務独占資格には以下のような資格があります。

士業の多くは独占業務があります。

業務独占資格一覧

業務独占資格 独占できる業務の内容
医師・歯科医師・獣医師 医業・歯科医師業・獣医業
看護師 医療、保健、福祉などの場で、医師などが患者を診療する際の補助、病気や障害のある人たちの日常生活における援助、疾病の予防や健康の維持増進を目的とした教育を行うことなど
薬剤師 調剤業務、薬局の管理者、一般医薬品の中の第一類医薬品の販売、医薬品製造販売業の総括製造販売責任者、学校薬剤師
登録販売者 一般用医薬品(第2類・第3類に限る)の販売
歯科衛生士 歯科予防処置、歯科診療補助、歯科衛生士の名を用いての歯科保健指導など
歯科技工士 義歯(入れ歯)、歯冠修復物(詰め物・かぶせ物)、歯並びを矯正するための装置などの製作や加工、修理
弁護士 裁判書類の作成や法律相談業務、刑事裁判の弁護人、民事裁判の代理人などのほか、代理人として他人を交渉をするなど法律にかかわる業務全般。尚、弁護士の資格取得によって、弁理士、税理士、社会保険労務士、行政書士、海事補佐人なども登録できます。
公認会計士 企業や公益法人などの財務諸表を独立した第三者の立場でチェックし、財務情報の信頼性について専門家として担保したり意見を述べたりする監査業務など
税理士 納税者の代わりに確定申告を行う「税務代理」、確定申告書などの作成を行う「税務書類の作成」、納税者の税金に関する相談を受ける「税務相談」など
不動産鑑定士 不動産の鑑定評価や不動産の活用方法や税務対策なども考慮したコンサルティング業務など
宅地建物取引士 重要事項の説明、重要事項説明書への記名・押印、37条書面(契約書)への記名・押印
管理業務主任者 管理組合に対して行う重要事項の説明やその関連書類に記名・押印
弁理士 特許、実用新案、意匠、商標、国際出願などの出願代理、鑑定、意匠や商標の異議申し立て代行など
司法書士 不動産の権利に関する登記や商業登記などの登記業務、また、簡易裁判所における訴訟額140万円以下の民事訴訟において、法廷での弁論など弁護活動の代理をしたり、民事執行、民事保全、和解、調停などにおいて当事者を代理することなど
行政書士 他人の依頼を受け報酬を得て官公署へ提出する書類や権利義務や事実証明に関する書類を作る「書類作成業務」、その申請を代わりに行う「許認可申請の代理」など
社会保険労務士 社会保険の手続きに関する書類や、労働保険に関する書類、これらの書類の作成と、提出手続きを代行することや作成にあたり相談業務に応じること、また、労働社会保険諸法令に基づく帳簿書類を作成することなど
土地家屋調査士 他人の依頼を受けて、土地や建物の形状、位置、 利用目的などを調査および測量し、図面などを作成して不動産の表示に関する登記の申請手続など
測量士・測量士補 測量業務
建築士 建物を建築するための「設計」や「工事監理」など
海事代理士 船舶国籍証書取得や船舶検査など
電気主任技術者 発電所や変電所、工場やビルなどに設置されている電気設備の保安・監督
電気工事士 電気工事士に関する業務

柔道整復師

柔道整復による施術
理容師・美容師 ひげそりやヘアカットやヘアカラー、パーマ、また、まつげエクステやヘッドスパなどを行うことなど
通関士 通関書類の審査、通関書類への記名
気象予報士 気象現象などの予測
ボイラー技士 ボイラーの設置や保全業務
ふぐ調理師 ふぐの調理

名称独占資格とは?

名称独占資格は、中小企業診断士情報処理安全確保支援士など、資格取得者以外の者がその資格名を名乗ることが法令で禁止されている資格です。

資格を持っていないのに名称独占の資格に類似したり、名称独占資格に関連している資格のように紛らわしくした名称を使用すると処罰の対象になります。

ただし、名称を名乗らなければ仕事をしても罰則規定がありません。

例えば、中小企業診断士でないものが中小企業診断士と名乗ることは禁止されていますが、企業の経営コンサルタントは、資格保有者でなくても誰でも行うことができます。

また、名称独占資格の中には、業務独占資格を兼ねているものもあります。

名称独占資格

主な名称独占資格には以下のような資格があります。

こちらもやはり士業が占めています。

名称独占資格一覧

  1. 医師・歯科医師・獣医師
  2. 薬剤師
  3. 看護師
  4. 臨床検査技師
  5. 管理栄養士
  6. 栄養士
  7. 公認会計士
  8. 税理士
  9. 弁理士
  10. 司法書士
  11. 行政書士
  12. 不動産鑑定士
  13. 宅地建物取引士
  14. 土地家屋調査士
  15. 測量士・測量士補
  16. 建築士
  17. 建築設備士
  18. 技術士・技術士補
  19. 電気主任技術者
  20. 電気工事士
  21. 保育士
  22. 中小企業診断士
  23. マンション管理士
  24. 情報処理安全確保支援士
  25. 社会福祉士
  26. 介護福祉士
  27. 精神保健福祉士
  28. 理学療法士
  29. 作業療法士
  30. 保健師
  31. 全国通訳案内士
  32. 調理師
  33. 理容師・美容師
  34. 公認心理師
  35. 通関士
  36. 全国通訳案内士
  37. ウェブデザイン技能士
  38. 危険物取扱者
  39. ボイラー技士
  40. 土木施工管理技士
  41. ファイナンシャル・プランニング技能士
  42. 気象予報士など

必置資格とは?

必置資格は、ある事業を行う際に、その企業や事業所にて特定の資格保持者を必ず置かなければならないと法律で定められている資格です。

事業規模や顧客数などによって設置人数が定められているものや有資格者を1人だけ設置すればいいケースがあります。

設置義務を満たしていないと、事業を始めることができないケースもあります。

必置資格

主な必置資格には以下のような資格があります。

必置資格一覧

  1. 薬剤師
  2. ケアマネジャー
  3. 宅地建物取引士
  4. 管理業務主任者
  5. 危険物取扱者
  6. 電気主任技術者
  7. エネルギー管理士
  8. 登録販売者
  9. 管理美容師・管理理容師
  10. 学芸員・学芸員補
  11. 衛生管理者
  12. 旅行業務取扱管理者
  13. 職業訓練指導員
  14. クリーニング師
  15. 通関士
  16. ボイラー技士
  17. 旅行業務取扱管理者
  18. 気象予報士など

まとめ

以上、業務独占資格や名称独占資格、必置資格にはどのような資格があるか、また、業務独占資格の独占業務の内容を紹介してきました。

  1. 業務独占資格とは、その資格を有する者のみが行うことができる業務が法律で定められている資格
  2. 名称独占資格とは、資格取得者以外の者がその資格を名乗ることが法令で禁止されている資格
  3. 必置資格は、ある事業を行う際に、その企業や事業所にて特定の資格保持者を必ず置かなければならないと法律で定められている資格

のことです。

名称独占資格は、その名称やその名称と類似した紛らわしい名称の資格を名乗らなければ、その仕事をしても罰則規定がない点が業務独占資格と異なります。