今さら聞けない「ふるさと納税」の仕組みとそのやり方

ふるさと納税、活用してますでしょうか?

ふるさと納税という言葉はよく耳にするけど制度のことはよくわからない、制度は知っているけどやったことはない、という人も多いと思います。

実際、昨年のアンケート調査によると、ふるさと納税をやったことのある人の割合は、およそ5人に一人(約20%)。まだまだやったことがない人が圧倒的に多い制度です。

ここでは、ふるさと納税は本当にお得なのか?ふるさと納税の仕組みや、そのやり方を分かりやすく解説したいと思います。

ふるさと納税とは?

ふるさと納税は、「納税」と表現されていますが、実際は「寄付」になります。

あなたが応援したい好きな自治体に寄付をして、その寄付金について確定申告などで寄付金控除を受けて、税金の還付・控除が受けられる制度です。

寄付をするとその分は税金の対象にならないという制度があり、それを利用した制度です。

具体的には、寄付した額から2,000円を差し引いた金額が、その年の所得税から控除または還付され、翌年度の住民税から控除されます(年収などの条件で控除額の上限が決まります)。

ふるさと納税の仕組み

簡単に説明するとこんな感じですが、おそらく、これではよく分からない人も多いと思います。

少し具体的に説明したいと思います。

ふるさと納税の仕組み

例えば、一定以上の売上がある自営業者が「ふるさと納税」をせずに確定申告をして、所得税や住民税で50万円の税金を支払わなければならなかったとします。

この場合、手元から50万円なくなります。

しかし、ふるさと納税で、2,000円の負担で応援したい市区町村に5万円寄付したとします。

そして、確定申告で寄付金控除の手続きをすると、2,000円を差し引いた4万8,000円、納めるべき税金が減ったり、会社員であれば既に支払っている税金が戻ってきたりします。

つまり、本来、ふるさと納税をせずに確定申告をすると50万円納めなければならなかった税金が、ふるさと納税をすると4万8,000円を差し引いた45万2,000円に減額されるという訳です。

しかし、4万8,000円得したという訳ではありません。

ふるさと納税で5万円寄付していますので、実際は手元から50万2,000円なくなっています。

つまり、この時点では2,000円損をしていることになります。

ここで、出てくるのが返礼品です。

寄付をすると寄付先の自治体から返礼品を貰うことができます。

ふるさと納税はお得な制度か

ふるさと納税はお得な制度なのでしょうか。

繰り返しになりますが、上記の例でいうと、ふるさと納税をしなければ50万円納税しなければなりませんが、5万円のふるさと納税をすれば、その5万円の寄付と45万2,000円の納税をしなければなりません。そして、その見返りとして返礼品が貰えます。

つまり、ふるさと納税は、50万2,000円の手出しをして返礼品が貰える制度なので、自己負担分の2,000円で返礼品が貰える制度だと言うことがわかります。

ですので、貰える返礼品が2,000円より高価なものであればお得、そうでなければ損という制度だということもできます。

寄付金が多いと返礼品も豪華になるので、寄付金が多く払える高額納税者ほどお得になる制度と言ってもいいでしょう。

例えば、ふるなびで検索すると、寄付金が2,000円の場合は、「島原手延べうどん1袋(200g)」といったもので、寄付金が100万円の場合だと、「JTBふるさと納税旅行クーポン300,000円分」といったものになります(2021年3月現在)。

自己負担額は同じ2,000円であるにもかかわらずです。

しかし、例えば、普段、スーパーで2,000円出して5kgのお米を買っている人が、ふるさと納税を使って2万円でも寄付できれば、20kgのお米を返礼品として貰うことも可能になります。

このようにうまく活用すれば、お得になり、家計の節約にもなります。

尚、ふるさと納税は、被災した自治体へ災害支援として活用することもできます。

サラリーマンのワンストップ特例制度

通常、サラリーマンなど給与所得者は、納税は会社に任せっきりで確定申告はしません。

ふるさと納税をしたばかりに確定申告をしなければならなくのであれば少し面倒です。

そこで、設けられた制度が、ワンストップ特例制度です。

ワンストップ特例制度は、

  • 会社員などの給与所得者で
  • 寄付先が年に5箇所(同じ自治体であれば複数回申し込んでも1自治体)までであれば

確定申告が不要となる制度です。

寄付した自治体に「寄附金税額控除に係る申告特例申請書」を発行してもらい、必要事項を記入して本人証明書とともにその自治体に提出することで、寄付した翌年の住民税が軽減されます。

この場合、所得税は軽減されませんが、その軽減分も翌年の住民税から差し引かれます。

尚、特例申請書の提出期限(寄付した翌年の1月10日)までに申請書を提出できなかった場合でも、また、寄付先が6箇所を超えた場合でも確定申告をすれば寄付金控除が受けられます。

確定申告とワンストップ特例制度の違い

比較項目 確定申告 ワンストップ特例制度
利用できる人 自営業や会社員 会社員など給与所得者
寄付できる自治体の数 制限なし 5自治体まで
申請方法 確定申告で寄付金控除の手続き 寄附金税額控除に係る申告特例申請書と本人証明書を提出
控除される税金 所得税から控除または還付 住民税から所得税控除分も減額
申請期限 寄付した年の翌年の3月15日(確定申告の期限) 寄付した年の翌年の1月10日

ふるさと納税のやり方

では、実際にふるさと納税をやるにはどうしたらいいのでしょうか。

その手続きを解説します。

控除上限額を確認する

まずは、寄付できる金額(控除額の上限額)を確認することが必要です。

ふるさと納税を行える上限額は、収入や家族構成、住んでいる地域等によって異なります。

さとふるなどのサイトを利用すれば、年収の見込み額や家族構成といったことを入力して簡単に控除上限額の目安を知ることができます。

参考:ふるさと納税控除上限額シミュレーション(さとふる)

尚、寄付できる金額を超えて寄付しても多少自己負担額が増えることになるだけで、寄付自体が無効になったり問題になったりすることはありません。

寄付をしたい自治体を選んで寄付を申し込む

次に寄付をする自治体を選びます。

寄付をする自治体は、「さとふる」や「ふるなび」といったサイトで自由に選べます。

寄付金の上限に達するまでは、何回申し込んでもどこの自治体に申し込んでも構いません。

人気ランキングや地域、寄付額や返礼品などで選ぶことができます。

中には、返礼品をプレゼントやお中元、お歳暮に利用する方もいらっしゃいます。

但し、自分が住んでいる自治体に、ふるさと納税の寄付を行う場合は、税金の控除を受けることはできますが、返礼品を受け取ることはできません。

寄付をしたいもの(通常は返礼品)が決まったら寄付の申込手続きを行います。

寄付金を支払う

ふるさと納税を申し込むと、その自治体から振込に必要な書類が届きます。

支払い方法は、

  • クレジットカード
  • 〇〇Payなどの電子決済
  • コンビニ決済
  • 銀行振込
  • 郵便振替
  • 現金書留
  • 納付書払い

などの方法があります。

クレジットカードや電子決済の場合、お申込みと同時に寄付を完了できるため便利です。

証明書やお礼の品などが届けられる

ふるさと納税の支払いが済むと、申し込んだ自治体から「寄附金受領証明書」などの書類と「返礼品」が届きます。

寄附金受領証明書は、返礼品とは別に、寄附後1~2ヶ月後に発送される場合もあります。

ふるさと納税の返礼品

寄附金受領証明書は、後の確定申告に使いますので大事に保管しておきましょう。

確定申告を行う

ふるさと納税は、確定申告(会社員の人はワンストップ特例制度の申請)をしなければ、その恩恵を受けることはできません。

確定申告で、寄付金控除の申請をすることで初めて税金が減額されます。

確定申告の期限は、ふるさと納税(寄付)をした年の翌年の3月15日なので、必ず期限までに手続きを終わらせるようにしましょう。

所得税と住民税が還付・控除される

確定申告を行うと、ふるさと納税で寄付した分(2,000円の自己負担分を差し引いた分)、所得税が控除または還付されたり、翌年の住民税から控除されたりします。

尚、ふるさと納税ワンストップ特例を申請する場合は、所得税からの還付がなく住民税からの控除だけになります。但し、所得税から還付されるべき金額も住民税から控除されます。

まとめ

以上、ふるさと納税の仕組みとそのやり方を解説してきました。

ふるさと納税は、好きな自治体に寄付をして、その寄付金から自己負担額2,000円を差し引いた金額について寄付金控除を受け、税金の還付・控除が受けられる制度です。

そして、寄付をした自治体からそのお礼として返礼品を貰うことができます。

従って、ふるさと納税をしてお得になるかどうかは、自己負担分2,000円でどういった返礼品が貰えるかにかかってきます。

返礼品は寄付金が多いほど豪華な返礼品を貰うことができますが、寄付金の額がさほど多くない人でもうまく活用して家計の節約ができるかもしれません。

ふるさと納税を行うに伴う手続きも発生しますので、寄付できる金額(控除額の上限額)と相談して行うようにしましょう。