受験資格なしの国家資格

資格を取ってスキルアップを図りたい、昇進・昇格したい、就職や転職に活かしたい、独立して稼ぎたい、と考えて、いざ、目ぼしい資格の受験資格の要件を確認してみると、一定の学歴が必要だったり実務経験が必要だったりして断念せざるをえないことがあります。

そこで、ここでは、大卒などの学歴や実務経験、年齢制限などの受験資格がなく誰でも取れるおすすめの国家資格を厳選して紹介しています。

近年の国家資格は受験資格を廃止する傾向があります。以前確認した時は高卒や大卒といった学歴や実務経験が必要だった資格も今では受験資格が不要になっているものもありますので確認してみて下さい。

尚、その他の資格は、下の記事でまとめています。必要に応じて参考にして下さい。

目次

受験資格なしの国家資格

受験資格が必要ない国家資格(一部民間資格あり)を以下のカテゴリー別に紹介していきます。

  1. 不動産・建築・建設・土木関係の受験資格が必要ない国家資格
  2. 法律・会計系の受験資格が必要ない国家資格
  3. 金融系の受験資格が必要ない国家資格
  4. 医療・介護系の受験資格が必要ない国家資格
  5. IT関連の受験資格が必要ない国家資格
  6. 電気・工業・技術系の受験資格が必要ない国家資格
  7. コンサルタント系の受験資格が必要ない国家資格
  8. 語学系の受験資格が必要ない国家資格
  9. 事務系の受験資格が必要ない国家資格

難易度は「易しい 難しい」の10段階で表示。

難易度と合格までの学習時間は、個人差がありあくまでも一般的な目安です。

不動産・建築・建設・土木関係の受験資格が必要ない国家資格

宅地建物取引士(宅建士)

宅地建物取引士は、宅地建物取引業法に基づき制定された国家資格です。

不動産の売買や賃貸物件の斡旋をする際、契約が成立するまでの間に、その土地や建物に関する重要事項についてお客様に説明等を行う不動産取引の専門家です。

宅地建物取引業法の規定により、宅地建物取引業者は従業員5人に1人の割合で成年者の専任の宅地建物取引士を事務所に置くことが義務づけられていますので、需要も多く、就職や転職、再就職にも有利な資格です。

比較的簡単な試験なので独学でも合格は可能ですが、より確実に合格を目指すのであれば通信講座の活用がおすすめです。

参考:宅地建物取引士(宅建士)試験の詳細

資格区分 国家資格
受験資格 受験資格なし。年齢・性別・学歴は不問、誰でも受験できます
合格率 16%前後
試験の日時と方法 例年10月の1日間(第3日曜日)
マークシートによる選択式問題50問
難易度 普通
学習期間 半年(350時間)
参考 一般財団法人不動産適性取引推進機構

賃貸不動産経営管理士

賃貸不動産経営管理士は平成19年に創設された資格で従来は民間資格でしたが「賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律」が成立したことに伴い、2021年4月、国家資格になりました。

賃貸不動産経営管理士は主に賃貸住宅の管理に関する知識や技能、倫理観を持った専門家です

賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律の規定で事務所毎に賃貸住宅管理の知識・経験等を有する賃貸不動産経営管理士等を1名以上配置することが義務づけられています。

不動産業界で注目されている資格で、今後は増々就職や転職にも有利になります。

比較的簡単な試験なので独学でも合格は可能ですが、より確実に合格を目指すのであれば通信講座の活用がおすすめです。

参考:賃貸不動産経営管理士試験の概要

資格区分 国家資格
受験資格 受験資格なし。年齢・性別・学歴は不問、誰でも受験できます
合格率 30%前後(今後、難易度が高くなることが予想されます
試験の日時と方法 例年11月の日曜日
マークシートによる選択式問題50問
難易度 普通
学習期間 半年(300時間)
参考 一般社団法人賃貸不動産経営管理士協議会

不動産鑑定士

不動産鑑定士は、不動産の鑑定評価に関する法律に基づき制定された国家資格で、国や都道府県からの土地評価や裁判所からの競売物件の評価、銀行からの担保評価、会計事務所からの不動産の評価などの依頼を独占して行うことができます(業務独占資格)。

弁護士、公認会計士と並んで日本の三大国家資格と評されることもあります。

かつては学歴(大卒)などの受験資格が必要でしたが受験者数の減少を受けて2006年から受験資格が撤廃されました。現在は年齢や学歴に関係なく誰でも受験することができます

公共機関からの公的評価の依頼が継続的に見込めるため、独立しやすく営業力次第で高収入が期待できる資格です。

参考:不動産鑑定士試験の詳細

資格区分 国家資格
受験資格 受験資格なし。年齢・性別・学歴不問、誰でも受験できます
合格率 短答式が30%前後
論文式が15%前後
試験の日時と方法 短答式:例年5月の中旬(日曜日1日間)
論文式:例年7月下旬~8月上旬(日曜日を含む土・日・月曜日の連続する3日間)
難易度 非常に難しい
学習期間 2年~(2000時間)
参考 国土交通省 不動産鑑定士試験

管理業務主任者

管理業務主任者とは、マンション管理業者が管理組合等に対して管理委託契約に関する重要事項の説明や管理事務報告を行う際に必要な国家資格です。

マンション管理業者の立場で、管理組合の管理者等のマンションの運営や管理に関する相談に応じ、助言・指導その他の援助を行ったり管理組合等に対して管理委託契約に関する重要事項の説明や管理事務報告を行います。

管理業務主任者として国土交通大臣の登録を受ける場合はマンションの管理事務に関して2年以上の実務経験が必要になりますが、マンション管理業協会が実施する登録実務講習を修了することで、同等の実務経験を得た者と認定され登録することが可能です。

参考:管理業務主任者試験の詳細

資格区分 国家資格
受験資格 受験資格なし。年齢・性別・学歴不問、誰でも受験できます
合格率 20%程度
試験の日時と方法 例年12月の第一日曜日
四肢択一式のマークシート方式(2時間:50問)
難易度 やや難しい
学習期間 10ヵ月(500時間)
参考 一般社団法人 マンション管理業協会

マンション管理士

マンション管理士は、平成13年8月に施行された「マンションの管理の適正化の推進に関する法律(マンション管理適正化法)」に基づく国家資格です。

専門的知識をもって、管理組合の運営、建物構造上の技術的問題等マンションの管理に関して、管理組合の管理者等又はマンションの区分所有者等の相談に応じ、助言、指導その他の援助を行うことを業務とする専門家です。

管理業務主任者との違いは、管理業務主任者が、マンションの管理業者の立場から受託契約上の説明や報告を行うのに対して、マンション管理士は、管理組合側の立場に立って建物の保全や管理に関する総合的なアドバイスを行います。

参考:マンション管理士試験の詳細

資格区分 国家資格
受験資格 受験資格なし。年齢・性別・学歴不問、誰でも受験できます
合格率 7~9%前後
試験の日時と方法 例年11月の最終日曜日
四肢択一式のマークシート方式(2時間:50問)
難易度 やや難しい
学習期間 1年(800時間)
参考 公益財団法人 マンション管理センター

土地家屋調査士

土地家屋調査士は、他人の依頼を受けて、土地や建物の形状、位置、 利用目的などを調査、測量して図面作成、不動産の表示に関する登記の申請手続などを行う測量及び表示に関する登記のスペシャリストです(業務独占資格)。

その他にも土地家屋調査士は、境界紛争の解決手続きの一つの手段である筆界特定手続きの代理業務なども独占的に行えます。

1級建築士・2級建築士・測量士・測量士補の資格取得者は午前の部(測量の試験)が免除されますので、事前に難易度が低い測量士補等の資格を取得し 、午前の資格をパスして午後の試験に全力を傾けるのが合格への近道です。

測量士補も受験資格は必要ありません。

参考:土地家屋調査士試験の詳細

資格区分 国家資格
受験資格 受験資格なし。年齢・性別・学歴不問、誰でも受験できます
合格率 8~9%ほど
試験の日時と方法 (筆記)
例年10月第3日曜日
午前の部:120分
午後の部:150分
(口述)
例年1月中旬(筆記試験合格者のみ)に実施:15分程度
難易度 やや難しい
学習期間 1年(800時間)
参考 法務省 土地家屋調査士試験

測量士・測量士補

測量士・測量士補は、どちらも測量法に基づく国家資格です。建設・土木工事を行う土地について、位置や高さ、長さ、距離、面積などを測量します。

法律上では、測量士は、測量作業の主任者として測量計画作成を担当し、測量士補は、測量士の作成した計画に基づき測量を担当する者と定められています。

土地家屋調査士の資格などと併用すれば独立も可能です。

測量士または測量士補の資格を有すると、土地家屋調査士の午前部の試験が免除されるため、測量士補を受験して土地家屋調査士を目指す方も少なくありません。

参考:測量士・測量士補試験の詳細

資格区分 国家資格
受験資格 受験資格なし。年齢・性別・学歴不問、誰でも受験できます
合格率 例年35%前後(測量士補)
試験の日時と方法 例年5月の第3日曜日に実施
難易度 やや易しい(測量士補)
学習期間 3ヵ月(200時間)
参考 国土交通省 国土地理院  測量士・測量士補国家試験

インテリアコーディネーター

インテリアコーディネーターは、公益社団法人 インテリア産業協会が認定する資格です。

インテリアに関する幅広い商品知識を持ち、インテリア計画や商品選択のアドバイスなどを行うインテリアの専門家です。

社会的認知度が高く、就職や転職において、また、実務においても、有資格者のニーズは高いものとなっています。

インテリアコーディネーターは、必ずしも資格がないとできない仕事ではありませんが、業界で働いている人の多くがインテリアコーディネーターの資格を取得しています。

参考:インテリアコーディネーター資格試験の詳細

資格区分 民間資格
受験資格 年齢・性別・学歴・職業・経験は不問、受験資格は必要なし
合格率 例年25%前後(一次と二次試験を合わせた全体の合格率)
試験の日時と方法 例年7月下旬から8月下旬にかけて願書が配布・受付され、10月の第2日曜日に一次、12月の第1日曜日に二次試験が実施されます。
難易度 普通
学習期間 6ヵ月(300時間)
参考 公益社団法人 インテリア産業協会

法律・会計系の受験資格が必要ない国家資格

公認会計士

公認会計士は、監査・会計の専門家として、独立した立場において監査業務を行ったり「会計」「税務」「コンサルティング」などの業務を行う専門家です。

中でも監査業務は、公認会計士の独占業務です(業務独占資格)。

2005年以前は、大学卒業や旧1次試験合格等の受験資格が必要でしたが、2006年度以降は受験資格がなくなりました

医師、弁護士とともに「三大国家資格」を称されるほどステイタスの高い資格ですが、これらの資格のうち唯一、受験資格が必要なく受験しやすい資格となっています。

試験合格に加えて、2年以上の業務補助と、実務補習の修了(修了考査の合格)が終わると公認会計士として登録できます。

業務独占資格なので独立すれば高収入が期待できます。

参考:公認会計士試験の詳細

資格区分 国家資格
受験資格 受験資格なし。年齢・性別・学歴不問、誰でも受験できます
合格率 短答式:25%ほど
論文式:35%ほど
試験の日時と方法 短答式は年2回。
例年、12月と5月に実施
難易度 非常に難しい
学習期間 2年~(3500時間)
参考 公認会計士・監査審査会

建設業経理士

建設業は、専門用語が多く特殊な会計処理が必要です。

建設業経理検定試験は、国土交通大臣の登録を受けた財団法人建設業振興基金が実施す試験で建設業界において必要な財務や経理に関する専門知識を身につけていることを認定する試験です。

建設業経理検定試験は、1級から4級まであり、1級と2級は建設業経理士検定試験として、3級と4級は、建設業経理事務士検定試験として実施されます。

建設業経理士の存在は、合格した日から5年を経過する日が属する年度の年度末までは、公共工事の入札に係る経営事項審査の評価対象のひとつとなっているため、建設業界では奨励資格になっています。

また、1級建設業経理士については「監査の受審状況」において、社内の経理実務責任者として自主監査する場合に評価の対象とされていますのでより需要は高くなります。

参考:建設業経理士試験の詳細

資格区分 国家資格
受験資格 受験資格なし。年齢・性別・学歴不問、誰でも受験できます
合格率 財務諸表、財務分析、原価計算とも約20%
試験の日時と方法 年2回。
例年、9月と3月に実施
難易度 普通(1級)
学習期間 半年(350時間)
参考 一般財団法人建設業振興基金

司法書士

司法書士は、他人の依頼を受けて、裁判所や検察庁、法務局に提出する書類を作成する仕事や、家屋や土地など不動産の権利に関する登記や供託手続きにおける代理手続きを行う法律事務の専門家です(業務独占資格)。

さらに、法務大臣から認定を受けた認定司法書士は、簡易裁判所における訴訟額140万円以下の民事訴訟において、法廷での弁論など弁護活動の代理をしたり、民事執行、民事保全、和解、調停などにおいて当事者を代理することもできます。

多くの人は、一定期間司法書士事務所で司法書士補助者として実務を学んで独立します。

業務独占資格なので独立すれば高収入が期待できます。

参考:司法書士試験の詳細

資格区分 国家資格
受験資格 受験資格なし。年齢・性別・学歴不問、誰でも受験できます
合格率 3~4%前後
試験の日時と方法 年1回、例年
7月上旬に筆記
10月中旬に口述
難易度 非常に難しい
学習期間 2年~(3000時間)
参考 法務省 司法書士試験

弁理士

弁理士は、弁理士法に基づく国家資格で、特許権・実用新案権・意匠権・商標権などの知的財産に関する専門家です。クライアントの代理として依頼内容について従来技術や先行出願を調査し、権利が取得できるか否かを判断します。

出願することが決定すると、願書に加え、発明の内容を説明した明細書やデザインを現した意匠図面などの必要な書類を作成し、特許庁へ出願手続きを行います。

また、審査段階における特許庁の審査官とやりとりに対応したり、特許技術や商標を侵害された場合の助言や訴訟代理などを行います。

特許、実用新案等に関する特許庁に対する申請代行業務は弁理士の独占業務です。

弁理士となるためには試験合格後、実務修習を修了し弁理士登録をする必要があります。

業務独占資格なので独立すれば高収入が期待できます。

参考:弁理士試験の詳細

資格区分 国家資格
受験資格 受験資格なし。年齢・性別・学歴不問、誰でも受験できます
合格率 短答式が15%程度
論文式が25%程度
口述が95%程度
試験の日時と方法 年1回、例年
短答式:5月中旬~下旬
論文式の必須科目:6月下旬~7月上旬
論文式の選択科目:7月中旬~下旬
口述:10月中旬~下旬
難易度 非常に難しい
学習期間 2年~(3000時間)
参考 特許庁 弁理士試験

行政書士

行政書士は、行政書士法に基づく国家資格で、他人の依頼を受け報酬を得て、役所に提出する許認可等の申請書類の作成並びに提出手続代理、遺言書等の権利義務、事実証明及び契約書の作成等を行います。

弁護士や弁理士、公認会計士、税理士となる資格を有する者も行政書士となる資格を有します。

士業の中では比較的簡単な試験で、比較的少ない資金で自宅でも開業できることや自分のペースで仕事ができることから定年後の独立開業を目指す方に人気があります。

他の行政書士と差別化を図るためにも得意分野を持つことが成功の秘訣です。

参考:行政書士試験の詳細

資格区分 国家資格
受験資格 受験資格は必要ありません。年齢・性別・学歴不問、誰でも受験できますが、行政書士試験に合格しても未成年者などは資格登録が認められません
合格率 6~15%ほど
試験の日時と方法 例年11月の第2日曜日に実施
択一式及び記述式、3時間
難易度 やや難しい
学習期間 1年~(800時間)
参考 一般財団法人 行政書士試験研究センター

海事代理士

海事代理士は、海運業者や造船業者の委託を受けて船舶登記や船舶登録、また、検査申請や船員に関する雇用や労務に関する手続き、その他海事許認可など、海事に関する行政機関への申請、届出その他の手続き及び書類の作成を代理人として行うことのできる国家資格です。

船舶の登記については、弁護士や司法書士も行えますが、その後の船舶国籍証書取得や船舶検査などは、船舶所有者または海事代理士のみが行うことのできる業務とされています。

効率性を考えると一定の需要がありますが、海運業界は閉鎖的な体質であることもあり、業界における人脈や経験がある人でなければ海事代理士の仕事だけで生計を立てるのは困難と言われています。

参考:海事代理士試験の詳細

資格区分 国家資格
受験資格 受験資格なし。年齢・性別・学歴不問、誰でも受験できます
合格率 筆記試験:約50% 口述試験:60~95%以上
試験の日時と方法 例年、8月に願書が受付されて9月に筆記試験、そして筆記試験の合格者のみ11月に口述試験が実施
難易度 難しい
学習期間 1年(900時間)
参考 海事代理士になるには

通関士

日本の企業が外国の企業と貿易取引をして貨物を輸出入する場合、通関申告書類を作成して税関に申請し、審査をしてもらい許可を得る必要があります。

通関士は、税関を通す貨物の輸出や輸入に必要な申請書類の作成や手続きを代行したり、申請が許可されなかった場合の不服申し立てなどを行う通関業務のエキスパートで、財務省が認定する貿易業界唯一の国家資格です。

しかし、これらの独占業務は通関士には与えられている訳でhsなく、通関手続きを専門とする通関業者に与えられています。

そして、原則として営業所ごとに通関士を置くことが義務づけられおり、通関業者は、他人の依頼に応じて税関に提出する申告書等については、通関士にその内容を審査させ、かつ、これに記名押印させなければならないと定められています。

参考:通関士試験の詳細

資格区分 国家資格
受験資格 受験資格なし。年齢・性別・学歴不問、誰でも受験できます
合格率 10%から20%
試験の日時と方法 例年、7月から8月に願書が受付されて10月に試験が実施されます
難易度 やや難しい
学習期間 1年(700時間)
参考 通関士試験

金融系の受験資格が必要ない国家資格

FP(3級FP技能士)

ファイナンシャルプランナー(FP)は、顧客からの相談を受け、家族構成や収入と支出、資産や負債、保険などのあらゆるデータなどから現状を分析し、顧客が望むライフプランを実現するための貯蓄・投資・保険・税金など長期的かつ総合的な視点でアドバイスや資産設計を行います。

少子高齢化やそれに伴う年金支給額の目減り、年金支給開始年齢の引き上げなど先行きが不安な日本においてはライフプランのアドバイスなど益々需要が増えてきます。

日本における代表的なFP試験には、

  1. 日本FP協会と金融財政事情研究会の2団体が実施する国家資格の「FP技能士」と
  2. 日本FP協会が認定する「AFP」「CFP」

があります。

FP技能士は国家資格、AFPとCFPは民間資格です。

3級FP技能士に合格するか、日本FP協会認定のAFP認定研修を修了(通信講座などを利用)すれば、2級FP技能士も受験可能となります。

比較的簡単な試験なので独学でも合格は可能ですが、より確実に合格を目指すのであれば通信講座の活用がおすすめです。

参考:FP(ファイナンシャルプランナー)技能検定試験の詳細

資格区分 国家資格
受験資格 3級は年齢・性別・学歴不問、誰でも受験できます
2級は3級合格者など
合格率 3級:80~90%前後
2級:50~60%前後
試験の日時と方法 2級・3級の学科と実技試験は、例年:1月、5月、9月の年3回実施されます
3級の学科:○×式と三答択一式あわせて60問(マークシート方式)
3級の実技:筆記(事例形式5題)
2級の学科:四答択一式60問(マークシート方式)
2級の実技:筆記(事例形式5題)
難易度 易しい 3級
学習期間 2ヶ月(120時間)
参考 日本FP協会 FP技能検定

医療・介護系の受験資格が必要ない国家資格

登録販売者

登録販売者とは、ドラッグストアや薬局などで、かぜ薬や鎮痛剤などの一般用医薬品(第2類・第3類に限る)を販売することができる医薬品販売の国家資格です。

医療関係の国家資格で唯一受験資格が必要ない資格として人気があります。

登録販売者の業務は資格を保有していないとできない独占業務にあたるため、一度取得すれば一生涯その資格を活かせますし、高齢化社会や健康ブームの影響でドラッグストアや薬局の店舗も増加中ですので今後も安定した需要が見込まれます。

また、介護関係やエステサロンなど他業界からの需要も期待できます。

比較的簡単な試験なので独学でも合格は可能ですが、より確実に合格を目指すのであれば通信講座の活用がおすすめです。

参考:登録販売者試験の詳細

資格区分 国家資格
受験資格 受験資格なし。年齢・性別・学歴不問、誰でも受験できます
合格率 40~50%前後
試験の日時と方法 試験は都道府県ごとに実施。
試験日も問題も都道府県ごとに異なります。
マークシートによる120問(時間4時間)択一式
難易度 やや易しい
学習期間 3ヶ月(200時間)

診療報酬請求事務能力認定試験

診療報酬請求事務能力認定試験は、国家試験ではありませんが、厚生労働省が認可している唯一の医療事務資格試験です。

医療事務に関する能力認定試験の中で最高峰と言われており、医療事務系資格の中では最も需要が多い資格とされています。

取得することで、医療事務で必要な知識がありレセプト作成の能力があることが証明されるため、経験者と同じ待遇で迎えられたり資格手当を付与する医療機関もあります。

24時間体制の医療が求められることが多くなってきていることもあり、定年後・老後の男性も労働力として求められるケースが増えてきており、女性だけでなく、男性のセカンドキャリアを考える上でも、選択肢となってきています。

参考:診療報酬請求事務能力認定試験の詳細

資格区分 民間資格
受験資格 受験資格なし。年齢・性別・学歴不問、誰でも受験できます
合格率 35%前後
試験の日時と方法 年2回(7月、12月)、日曜日または祝日に実施
医科と歯科に分け、それぞれ学科試実技試験を実施
難易度 普通
学習期間 3ヶ月(250時間)
参考 公益財団法人日本医療保険事務協会

医療事務技能審査試験

医療事務技能審査試験は、一般財団法人日本医療教育財団が認定している資格で、医療事務に関係する資格の中で最も認知度が高い試験とされていす。

試験は医科と歯科に分けて実施され、それぞれで医療事務知識を問う学科試験(択一式)と実技Ⅰ(患者接遇:記述式)、実技Ⅱ(診療報酬請求事務と診療報酬明細書点検)が実施されます。

合格者には、「メディカルクラーク」の称号が付与され、受付(窓口)業務、院内コミュニケーション、診療報酬請求事務に関する職業能力を備えていることを証明できます。

試験は在宅受験でテキストを見ながら受けられます。

参考:医療事務技能審査試験の詳細

資格区分 民間資格
受験資格 受験資格なし。年齢・性別・学歴不問、誰でも受験できます
合格率 75%前後
試験の日時と方法 医科の試験は年12回毎月日曜日に全国で実施
歯科の試験は年6回(5月、7月、9月、11月、1月、3月)の日曜日に全国で実施
難易度 易しい
学習期間 2ヶ月(100時間)
参考 一般財団法人日本医療教育財団

調剤報酬請求事務専門士試験

調剤報酬請求事務専門士試験は調剤報酬請求事務専門士検定協会が主催する検定試験です。

調剤報酬請求事務専門士試験は調剤薬局事務に関する資格の中では最も歴史が古く、格や信頼性、知名度が高いとされています。

試験は、1級・2級・3級と通信2級・通信3級があり、2級が中堅レベルになります。

患者さんの受付対応や薬代の会計、薬剤師の補助やレセプトの作成業務、また、それに伴うパソコン操作も行います。

就職や転職に際しては、経験者が優遇されますが、未経験者でもこの資格を取得しておくことで有利になる場合があります。

参考:調剤報酬請求事務専門士試験の詳細

資格区分 民間資格
受験資格 受験資格なし。年齢・性別・学歴不問、誰でも受験できます
合格率 2級:40%前後
試験の日時と方法 例年、年2回、7月と12月の第1土曜日に実施されます
学科・実技ともに60分
難易度 やや易しい
学習期間 3ヶ月(200時間)
参考 調剤報酬請求事務専門士検定協会

介護職員初任者研修

介護職員初任者研修は、今は廃止になったホームヘルパー2級の後継資格です。

介護職として働く上で必要となる知識・技術を習得することが出来る研修で、介護業界においては入門的な資格に位置づけられています。

介護業界は、無資格者でも働けますが、訪問介護員(ホームヘルパー)として働くには、介護職員初任者研修修了などの資格が必要になります。

130時間の研修を終了後、筆記による修了試験に合格して資格を取得できます。

高齢化社会ということもあり、介護職員初任者研修の修了者は、介護保険サービスを提供する介護施設や介護事業所などから多くの需要があります。

参考:介護職員初任者研修の詳細

資格区分 民間資格
受講資格 受講資格なし。年齢・性別・学歴不問、誰でも受講できます
合格率 ほぼ100%
受講の日時と方法 研修を実施する機関による
難易度 非常に易しい
学習期間 1ヶ月(130時間)

IT関連の受験資格が必要ない国家資格

情報処理安全確保支援士(登録セキスぺ)

サイバー攻撃の増加・高度化に加え、社会的なIT依存度の高まりから、サイバー攻撃による社会的脅威が急速に増大しています。

このため、サイバーセキュリティ対策として、2016年10月に「情報処理の促進に関する法律」が改正され、情報処理安全確保支援士(略称:登録セキスペ)という国家資格が誕生しました。

情報処理安全確保支援士は、情報処理技術者試験の情報処理安全確保支援士試験合格者が所定の登録手続きを行うことでなることができる情報系の国家資格で初の士業となる資格です。

これから注目されている資格なので情報処理技術者試験の中でもおすすめの資格です。

参考:情報処理安全確保支援士試験の詳細

資格区分 国家資格
受験資格 受験資格なし。年齢・性別・学歴不問、誰でも受験できます
合格率 17%前後
試験の日時と方法 試験は年2回
4月第3日知曜日と10月第3日曜日
難易度 難しい
学習期間 1年~(1200時間)
参考 情報処理推進機構 情報処理安全確保支援士試験

ITストラテジスト

ITストラテジストは、旧試験であるシステムアナリスト試験と上級システムアドミニストレータ試験が統合された情報処理技術者試験です。

IT系の資格では唯一、医師や弁護士などと同じ専門職(専門的知識等を有する労働者)として厚生労働大臣によって指定され、労働基準法において特例扱いの対象となっています。

ITストラテジストの有資格者は、高度なITと経営の知識を兼ね備えた者としてコンサルティング会社への就職や転職が有利になるほか、ITコンサルタントとして独立することも可能です。

参考:ITストラテジスト試験の詳細

資格区分 国家資格
受験資格 受験資格なし。年齢・性別・学歴不問、誰でも受験できます
合格率 15%前後
試験の日時と方法 試験は年1回
4月の第3日曜日
難易度 かなり難しい
学習期間 1.5年~(1500時間)
参考 情報処理推進機構 ITストラテジスト技術者試験

応用情報技術者

応用情報技術者は、高度IT人材となるために必要な応用的知識・技能をもち、高度IT人材としての方向性を確立した者として経済産業省から認定された人です。

経済産業省が実施している基本情報技術者試験に合格することで応用情報技術者の水準であることが認定されます。

応用情報技術者は、技術から管理、経営まで幅広い知識と応用力を持ち、システム開発などの局面で高いパフォーマンスを発揮することができる人材として業界では高いニーズがあります。

人材が不足している情報処理業界において情報処理技術者は重宝されますが、特にミドルレベルである応用情報技術者以上の資格保有者は、就職・転職にもより有利に働きます。

参考:応用情報技術者試験の詳細

資格区分 国家資格
受験資格 受験資格なし。年齢・性別・学歴不問、誰でも受験できます
合格率 20%前後
試験の日時と方法 試験は年2回
4月第3日知曜日と10月第3日曜日
難易度 難しい
学習期間 1年~(1000時間)

基本情報技術者

基本情報技術者は、高度IT人材となるために必要な基本的知識・技能をもち、実践的な活用能力を身に付けた者として経済産業省から認定された人です。

経済産業省が実施している基本情報技術者試験に合格することで基本情報技術者の水準であることが認定されます。

基本情報技術者試験に合格していると情報処理に関する基本的な知識をマスターしていると評価され、就職や転職にも有利に働きます。

IT業界に身を置く人であれば是非取得しておきたい資格です。

比較的簡単な試験なので独学でも合格は可能ですが、より確実に合格を目指すのであれば通信講座の活用がおすすめです。

参考:基本情報技術者試験の詳細

資格区分 国家資格
受験資格 受験資格なし。年齢・性別・学歴不問、誰でも受験できます
合格率 25%前後
試験の日時と方法 試験は年2回
4月第3日知曜日と10月第3日曜日
難易度 普通
学習期間 半年(350時間)

情報セキュリティマネジメント

情報セキュリティマネジメント試験は、2016年に開始された新しい情報処理技術者試験で、ITエンジニア向けというよりは、どちらかというと業務で個人情報を扱う人や情報管理を担当する人など、ITを利用する者を対象とした入門的な試験です。

情報セキュリティマネジメントの計画・運用・評価・改善を通して組織の情報セキュリティ確保に貢献し、脅威から継続的に組織を守るための基本的なスキルを認定します。

試験のレベルは基本情報技術者試験と同じ、スキルレベル2(基礎レベル)に相当します。

セキュリティ対策は、企業にとって欠かせないものなので是非取得しておきたい資格です。

参考:情報セキュリティマネジメント試験の詳細

資格区分 国家資格
受験資格 受験資格なし。年齢・性別・学歴不問、誰でも受験できます
合格率 50%前後
試験の日時と方法 年に2回(4月の第3日曜日・10月の第3日曜日 午前90分 午後90分)
難易度 やや易しい
学習期間 3ヵ月(200時間)

ITパスポート

ITパスポート(通称:iパス)は、情報処理に従事するものだけでなくITを活用するすべての社会人・学生が備えておくべきITに関する基礎的な知識があることを証明できる国家資格です。

職業人が共通に備えておくべき情報技術に関する基礎的な知識をもち、情報技術に携わる業務に就くか担当業務に対して情報技術を活用していこうとする者を想定して試験が実施されます。

ITパスポートは、情報処理技術者試験の中では最も難易度が低く、スキルレベル1(エントリーレベル)に相当します。

今やIT技術は、何の仕事をするにしても欠かせない技術なので、IT業界に身を置く人でなくても職業人として是非取得しておきたい資格です。

比較的簡単な試験なので独学で合格が可能です。

参考:ITパスポート試験の詳細

資格区分 国家資格
受験資格 受験資格なし。年齢・性別・学歴不問、誰でも受験できます
合格率 50%前後
試験の日時と方法 試験はCBT方式で随時
難易度 易しい
学習期間 3ヵ月(200時間)

ITコーディネータ

ITコーディネータ(通称:ITC)は、2001年に通商産業省(現・経済産業省)による国家プロジェクトの一環として設けられた民間資格です。

ITと企業経営の両方の知識を持ち、IT技術を活用した経営戦略の作成、業務の効率化・製品の生産性向上を目的としたITシステムの導入など、 経営者の立場に立った各種コンサルティングサービスを行い、IT経営を実現する人材です。

ITコーディネータ試験のレベルは情報処理技術者試験の高度情報処理技術者試験と同じスキルレベル4に相当するとされていますが、実際の試験の難易度はさほど高くないのが実態です。

しかし、ITコーディネータになるためには、多額の費用と時間をかけてケース研修を修了する必要があります。また、毎年更新手続きも必要です。

参考:ITコーディネータ試験の詳細

資格区分 民間資格
受験資格 受験資格なし。年齢・性別・学歴不問、誰でも受験できます
合格率 60%前後
試験の日時と方法 試験はCBT方式で年2回実施(例年2月と8月)
難易度 普通
学習期間 5ヵ月(350時間)

ウェブデザイン技能士

ウェブデザイン技能検定は、特定非営利活動法人「インターネットスキル認定普及協会」によって実施される、ウェブサイトのデザイン(設計)に必要な知識やスキルを問う試験です。

ウェブデザイン業界唯一の国家資格です。

1級、2級、3級があり、1級の合格者には厚生労働大臣より、2級及び3級の合格者には協会理事長より、ウェブデザイン技能士の合格証書が発行されます。

ウェブデザイン技能士は、合格者でなければ名乗ることは出来ない名称独占資格です。

参考:ウェブデザイン技能検定試験の詳細

資格区分 国家資格
受験資格 年齢・性別・学歴不問、誰でも受験できます
合格率 2級:35%前後
試験の日時と方法 2級、3級については年4回、1級については年1回(学科と実技に分けて)行われます
難易度 やや易しい
学習期間 3ヵ月(200時間)
参考 ウェブデザイン技能検定

ウェブ解析士

ウェブ解析士は、ウェブマーケティングにおいて、成果につながるアクセス解析やウェブ解析ができる人材を育成することを目的として、一般社団法人ウェブ解析士協会(WACA)が発行する民間資格です。

ウェブ解析士は、アクセスの解析を軸としてウェブを解析し、課題を発見した上で改善する手段を考え、アクセス数や売上のアップに繋げます。

ウェブ解析士の上に上級ウェブ解析士、ウェブ解析士マスターがありますが、ウェブ解析士のみ受験資格がありません。

ウェブ解析士はウェブ解析士認定試験に合格後、認定レポートを作成・提出してなることができます。

参考:ウェブ解析士認定試験の詳細

資格区分 民間資格
受験資格 年齢・性別・学歴不問、誰でも受験できます
合格率 60~70%前後
試験の日時と方法 インターネット環境のPCを使用して60分60問、4択問題
難易度 非常に易しい
学習期間 0.5ヵ月(30時間)
参考 一般社団法人ウェブ解析士協会(WACA)

電気・工業・技術系の受験資格が必要ない国家資格

技術士

技術士は、科学技術に関する分野において高度な専門知識と応用能力を持つ者であることを証明する国家資格で、技術分野では最高位の資格と評されています。

技術士が業務を行うことができる技術部門には、機械部門や船舶・海洋部門、航空・宇宙部門など21部門があり、各技術分野において、計画、研究、設計、分析、試験、評価、または、これらの指導業務などを行います。

試験は第一次試験と第二次試験とからなり、第一次試験は受験資格がなく誰でも受験でき、第二次試験は第一次試験に合格すると受験できます。

参考:技術士試験の詳細

資格区分 国家資格
受験資格 ない。年齢・性別・学歴不問、誰でも受験できます
合格率 5%前後
試験の日時と方法 第一次試験は、例年、6月中旬~7月初旬に願書が配布・受付され10月に試験が実施
難易度 かなり難しい
学習期間 2年(1500時間)

電気主任技術者

電気主任技術者は、発電所や変電所、需要家の受変電設備の維持管理や運用を行います。

電気事業法により、電気事業用及び自家用電気工作物の設置者は、電気工作物の工事、維持、運用の保安監督をさせるために、電気工作物の種類によって電気主任技術者を選任することが定められています。

需要が多く将来性もあるため、定年後の就職・転職にも有利になりますし、一定期間実績を積んで法律の規定要件を満たし、経済産業省の保安管理業務外部委託承認を得ると、独立して事業所を持つことも可能になります。

一種・二種・三種とあり、それぞれで管理できる電圧(電気設備や発電設備)の規模が異なります。三種(電験三種)は最も下位の試験ですがそれでも合格者は10人に一人という狭き門です。

一種・二種・三種ともに受験資格は必要ありません。

参考:第三種電気主任技術者試験の詳細

資格区分 国家資格
受験資格 年齢・性別・学歴不問、誰でも受験できます
合格率 8~9%を推移
試験の日時と方法 例年9月上旬の日曜日
五肢択一式のマークシート方式
難易度 やや難しい
学習期間 1年(600時間)
参考 一般財団法人 電気技術者試験センター

電気工事士

電気工事士の資格は電気に関わる建物や設備の工事をする時に必要となる国家資格です。

電気工事士には、第二種電気工事士と第一種電気工事士の2つがあります。

第二種電気工事士は、住宅や店舗など600V以下で受電する設備の新築・増改築時に、配線図どおりに屋内配線、コンセントの設置、アース施工などを行うことができます。

第一種電気工事士を取得すると更に、工場や大きなビルなどの大規模な建物での電気工事も可能となります。

第二種、第一種ともに受験資格は必要ありませんが、第一種電気工事士として仕事をするには一定の実務経験等が必要になります。

電気工事士と電気主任技術者との違いは、電気工事士が「電気設備の工事」を行う資格で、電気主任技術者が「電気設備の保安」を行う資格であるということです。

参考:第二種電気工事士試験の詳細

試験の区分 国家資格
受験資格 年齢・性別・学歴不問、誰でも受験できます
合格率 30%前後(第二種電気工事士)
試験の日時と方法 例年2回
(上期)
6月の第一日曜日に筆記、7月の下旬に技能
(下期)
10月の第一日曜日に筆記、12月の第一又は第二土曜日に技能
難易度 易しい 第二種電気工事士
学習期間 2ヵ月(100時間)
参考 一般財団法人 電気技術者試験センター

気象予報士

気象予報士は、気象庁の観測データや予測データをもとに、天気の予測を行う天気予報のスペシャリストで、気象予報士という試験に合格して名乗れる国家資格です。

社会的な影響が大きいため、民間の気象予報会社は、気象予報士を配置することが義務づけられています(業務独占資格・必置資格)。

気象予報士試験は、テレビのお天気キャスターなどの影響もあり、気象関連業務に携わる人はもちろん、自己啓発やスキルアップ、また、趣味で受験する方も少なくありません。

就職・転職のためというより既にそういった場所で働いている方や趣味や自己啓発で受験する人が多い資格です。

参考:気象予報士試験の詳細

試験の区分 国家資格
受験資格 年齢・性別・学歴不問、誰でも受験できます
合格率 5%前後
試験の日時と方法 試験は、1月の最終日曜日と8月の最終日曜日に実施されます
学科試験はマークシートによる多肢選択式、実技試験は記述式
難易度 難しい
学習期間 1年(1000時間)
参考 一般財団法人 気象業務支援センター

危険物取扱者 乙種・丙種

危険物取扱者とは、消防法に定める危険物を取り扱うことができる国家資格です。

消防法において、火災の危険性の高い物質は、危険物として指定されており、危険物を取り扱う際に、危険物取扱者の資格が必要になります。

危険物取扱者には、甲種、乙種、丙種の3種類の資格がありますが、そのうち乙種と丙種は受験資格が必要ありません。

中でも乙種第4類は、生活に身近なガソリンや灯油などを取り扱うことができ、セルフ式ガソリンスタンドでの立ち合い業務ができるなど就職・再就職に有利です。

参考:危険物取扱者試験の詳細

試験の区分 国家資格
受験資格 年齢・性別・学歴不問、誰でも受験できます
合格率 40%程度(乙種)
試験の日時と方法 都道府県ごとに試験の日程や実施回数が異なります
難易度 やや易しい 乙種
学習期間 3ヵ月(250時間)
参考 一般財団法人 消防試験研究センター

エネルギー管理士

エネルギー管理士(通称:エネ管)は、エネルギーの使用量を合理化するために、設備を管理したり、エネルギーの使用方法の監視・改善を指揮したり、また、工場や大型施設などでの省エネ化を推進したりするエネルギーの専門家です。

規定量以上のエネルギーを使用する工場は、第一種エネルギー管理指定工場に指定され、このうち製造業、鉱業、電気供給業、ガス供給業、熱供給業の5業種は、エネルギーの使用量に応じてエネルギー管理士を一定人数配置することが法律で義務付けられています。

エネルギー管理士は、エネルギー管理士試験に合格した後、エネルギー使用の合理化に関する実務に1年以上従事し、免状申請を行ってなることができます。

参考:エネルギー管理士試験の詳細

資格区分 国家資格
受験資格 年齢・性別・学歴不問、誰でも受験できます
合格率 30%程度
試験の日時と方法 例年、受験申込の受付が4月か5月初旬から6月中旬になされ、試験は7月か8月に実施されます
難易度 やや難しい
学習期間 1年(600時間)
参考 一般財団法人 省エネルギーセンター エネルギー管理士

消防設備士(乙種)

消防設備士は、デパートやホテル、劇場などの建物に設置されている消防設備の点検・整備・工事を行える国家資格です。

消防設備士には、甲種と乙種の2種類があり、甲種は消防設備の点検・整備のほか設置・交換作業等の工事も行えますが、乙種は消防設備の点検・整備のみを行えます。

そのため、甲種は受験資格が必要ですが乙種は受験資格が必要ありません

そして、乙種消防設備士免状の交付を受けた後2年以上、工事整備対象設備等の整備の経験を有する者等には甲種(特類以外)の受験資格が与えられます。

参考:消防設備士試験の詳細

資格区分 国家資格
受験資格 年齢・性別・学歴不問、誰でも受験できます
合格率 40%程度(乙種)
試験の日時と方法 試験の日時と試験地(試験会場)は、地域によって異なります
難易度(乙種) やや易しい
学習期間 3ヵ月(200時間)
参考 一般財団法人 消防試験研究センター

コンサルタント系の受験資格が必要ない国家資格

中小企業診断士

中小企業診断士は、中小企業の成長戦略の策定や経営状態を良好にするべく、専門的知識をもってアドバイスする経営コンサルタントに関する唯一の国家資格です。

ビジネスパーソンが新たに取得したい資格として最も人気のある資格の一つです。

マンション管理士と同様、士業にはありがちな独占業務というものがありませんので、独立してやっていくには、営業力や行動力が求められます。

情報処理系試験や公認会計士、弁護士、技術士などの資格保有者は「経済学・経済政策」「財務・会計」「経営法務」「経営情報システム」などの試験科目が免除になります。

尚、資格を維持するためには5年ごとの更新が必要です。

参考:中小企業診断士試験の詳細

資格区分 国家資格
受験資格 1次:年齢・性別・学歴不問、誰でも受験できます
2次:1次試験合格者
合格率 1次、2次試験ともに合格率は20~25%ほど
試験の日時と方法 1次:例年7月または8月上旬の土曜日・日曜日の2日間
2次:筆記〈10月中旬の日曜日〉
口述〈12月中旬の日曜日〉
難易度 難しい
学習期間 1.5年~(1200時間)
参考 一般社団法人 中小企業診断協会 中小企業診断士試験

キャリアコンサルタント

キャリアコンサルタントとは、2016年4月より創設された国家資格で、求職者がベストなキャリアを積めるよう、企業と求職者の適性なマッチングをサポートしたり、能力開発に関する相談・助言を行う専門職です。

キャリアコンサルタントは、独占業務はありませんが、登録制の名称独占資格です。

企業の人事や大学などの教育関連部門をはじめ、公的就業支援機関、人材紹介・人材派遣会社など幅広い分野で必要とされています。

受験資格はありますが、その一つである厚生労働大臣が認定した講習の受講・修了で受験資格が得られます。この場合、学歴や業務経験等は必要ありません。

尚、キャリアコンサルタントは、登録後5年ごとの更新が必要です。

参考:キャリアコンサルタント試験の詳細

資格区分 国家資格
受験資格 厚生労働大臣が認定した講習の受講・修了
合格率 50%~55%
試験の日時と方法 学科試験と実技試験(論述試験・面接試験)
難易度 易しい
学習期間 3ヵ月(150時間)
参考 特定非営利活動法人 日本キャリア開発協会(JCDA)

アドバイザー系の受験資格が必要ない資格

消費生活アドバイザー

消費生活アドバイザーは、内閣総理大臣及び経済産業大臣の事業認定を受けた民間資格です。

主に企業や行政機関、各種団体等の消費者関連部門に所属し、消費者の苦情相談等に対して迅速かつ適切にアドバイスしたり、消費者の生の声や消費者動向を把握して、商品やサービス等の開発、改善に反映させるのが主な仕事です。

平成28年度からは、消費生活アドバイザー試験は国家資格である消費生活相談員資格試験を兼ねるものとされ、消費生活アドバイザー試験の合格者は、消費生活相談員資格も同時に取得することができるようになりました。

参考:消費生活アドバイザー試験の詳細

資格区分 民間資格
受験資格 学歴不問。受験資格は必要ありません
合格率 第1次試験:40%前後
第2次試験:65%前後
試験の日時と方法 例年、7月から8月末にかけて願書が受付され、10月に第1次試験、12月に第2次試験が実施されます。
難易度 普通
学習期間 3ヵ月(300時間)
参考 一般財団法人 日本産業協会

家電製品アドバイザー

家電製品アドバイザーは、複雑で高機能化している家電製品について、購入や使用の場面でお客様のよき案内役となるアドバイザーを認定する資格です。

資格には、家電製品アドバイザー(生活家電)と家電製品アドバイザー(AV情報家電)の2種類があり、2つに合格すれば家電製品総合アドバイザーの資格が授与されます。

さらに、高得点で合格した者には、ゴールドグレード、プラチナグレードなどの特別称号(エグゼクティブ等級)が授与され、認定証が付与されます。

参考:家電製品アドバイザー試験の詳細

資格区分 民間資格
受験資格 年齢・性別・学歴不問、誰でも受験できます
合格率 30%程度
試験の日時と方法 例年、年2回、原則として3月と9月に実施されます。
難易度 やや易しい
学習期間 1ヵ月(200時間)
参考 一般財団法人家電製品協会

年金アドバイザー

年金アドバイザー検定試験とは、複雑化する年金制度について基本的な理解を深め、主にお年寄りに対して年金の相談や助言・指導をするスキルを認定する民間資格です。

銀行業務検定協会が主催・実施することから、主な受験者は現役の銀行員や金融機関などで窓口業務を行っている人ですが、年金については知らないと損をすることも多いので、年金の知識を高めたい一般の受験者も増えています

また、仕事上、よく相談を受ける社会保険労務士やFPが年金の知識を深めたいとして受験する場合や社会保険労務士試験へ向けての準備として受験する人もいます。

参考:年金アドバイザー試験の詳細

資格区分 民間資格
受験資格 学歴不問。受験資格は必要ありません
合格率 35%前後(3級)
試験の日時と方法 3月の第1日曜日と10月の最終日曜日の年2回実施
難易度 やや易しい 3級
学習期間 2ヵ月(200時間)3級
参考 経済法令研究会

終活ガイド

終活ガイドとは、一般社団法人終活協議会が認定している民間資格です。

予め終活に必要な知識を習得し、終活をしようとする人をサポートしたりアドバイスを行う、終活のプロフェッショナルです。

実務ができるのは、弁護士や税理士、司法書士といった士業だけですので、終活ガイドは、終活に関する相談を受け、悩みがどの分野の悩みであるのか、また、どの専門家が必要であるかを見極める「案内人」の役割を果たします。

終活ガイド1級を取得すると協議会が主催する終活ガイド検定の認定講師試験に合格して講師として活躍することもできます。

参考:終活ガイド試験の詳細

資格区分 民間資格
受験資格 学歴不問。受験資格は必要ありません
合格率 ほぼ100%
試験の日時と方法 送られてくるテキストや書類で学習して指定のURLでテストを受ける
難易度 非常に易しい
学習期間 終活ガイド上級
2週間~(30時間)
参考 一般社団法人終活協議会

語学系の受験資格が必要ない国家資格

全国通訳案内士

全国通訳案内士は、英語関連の資格では国土交通省の認定を受けた唯一の国家資格で、日本を訪れる外国人観光客を相手に通訳や観光案内を行う通訳のスペシャリストです。

昨今のインバウンドの盛り上がりで徐々に知名度を増してきています。

実用英語技能検定1級、TOEIC L&R(900点以上)、TOEICスピーキングテスト(160点以上)、TOEICライティングテスト(170点以上)などの条件を満たして1年以内の人であれば、英語科目が免除になるなど、いくつかの試験免除制度が設けられています。

全国通訳案内士の国家資格を取得した後はフリーランスで仕事をする人がほとんどで、定年後に副業として働く方も少なくありません。

参考:全国通訳案内士試験の難易度など

資格区分 国家資格
受験資格 年齢・性別・学歴・国籍不問、誰でも受験できます。
合格率 最終合格率は10%ほど
試験の日時と方法 8月の第3日曜日に筆記(1次)
12月の第2日曜日に口述(2次)
難易度 難しい
学習期間 1年~(1000時間)
参考 日本政府観光局 全国通訳案内士試験

TOEIC

TOEICテストは、英語によるコミュニケーションとビジネス能力を検定するための世界共通の試験で、10点から990点までのスコアで評価されます。

学校や企業において、入学試験や採用試験、また、昇進・昇給、グローバルな部署への配属、海外赴任など、様々な場面でそれにふさわしい英語能力があるかどうかの判断材料として活用する企業が増えています。

履歴書でアピールできるスコアの目安は、新卒であれば600点中途であれば650点ほどが目安で、実際に業務で英語を用いる仕事に応募する場合は700点以上が評価される最低の基準となります。

参考:TOEICの内容や難易度

資格区分 スコア評価
受験資格 年齢・性別・学歴・国籍不問、誰でも受験できます。
合格率 スコア評価
試験の日時と方法 年10回(1・3・4・5・6・7・9・10・11・12月)全国80都市で実施
リスニングセクション(100問45分)とリーディングセクション(100問75分)に分けて実施されます。合計2時間。
難易度 700点: やや難しい
学習期間 1年(700時間)
参考 TOEIC Program|IIBC

実用英語技能検定

実用英語技能検定は、公益財団法人日本英語検定協会が実施する英語技能の検定で、一般に英語検定または英検と呼ばれています。

50年以上の歴史があり、国内の英語の資格試験では最も受験者数の多い試験です。

試験は、レベルごとに、5級(初級)、4級、3級、準2級、2級、準1級、1級(上級)の7つのグレードに分かれており、英語レベルに応じて、どの級からでも受験することができます。

参考:実用英語技能検定2級の試験の内容や難易度

資格区分 検定試験
受験資格 年齢・性別・学歴・国籍不問、誰でも受験できます。
合格率 2016年度以降は非公表
試験の日時と方法 年3回、全国の会場で実施
筆記85分とリスニング約25分
難易度 やや難しい
学習期間 1年(500時間)
参考 公益財団法人 日本英語検定協会

事務系の受験資格が必要ない国家資格

秘書検定

秘書検定とは、会社の役員や経営者の秘書としてのみならず、 社会人として求められる一般常識や接遇・マナーなど必要な能力について知識及び技能を問う検定試験です。

正しい敬語の使い方やビジネスシーンにふさわしい身だしやお茶の出し方、電話対応、来客対応などが身に付けられますので、秘書としてだけではなく、営業や事務、受付といったあらゆる職種においてもスキルの高さを証明できる資格です。

国家資格ではありませんが、就職や転職に活かすなら2級以上が有利です。

参考:秘書検定試験の難易度や合格率

資格区分 検定試験
受験資格 年齢・性別・学歴・国籍不問、誰でも受験できます。
合格率 2級は65%ほど
試験の日時と方法 <2級>
6月・11月・2月の年3回
難易度 易しい
学習期間 2ヵ月~(150時間)
参考 実務技能検定協会 秘書検定

旅行系の受験資格が必要ない国家資格

国内旅行業務取扱管理者

旅行業務取扱管理者とは、旅行に関する専門知識や技術を兼ね備え、企画やスケジュール管理など旅行業務の全てを管理・監督できることを証明できる国家資格です。

総合旅行業務取扱管理者、国内旅行業務取扱管理者、地域限定旅行業務取扱管理者の3つの資格がありますが、国内旅行業務取扱管理者を目指し、ステップアップとして総合旅行業務取扱管理者を目指すのが一般的です。

旅行業者等は、営業所ごとに1名以上の旅行業務取扱管理者を選任し、一定の管理及び監督業務を行わせることが法律で義務付けられていますので、有資格者は、一定の需要があり職場に不可欠な即戦力として評価されます。

参考:国内旅行業務取扱管理者試験の難易度や合格率

資格区分 国家資格
受験資格 年齢・性別・学歴・国籍不問、誰でも受験できます。
合格率 40%前後
試験の日時と方法 9月の年1回
難易度 やや易しい
学習期間 3ヵ月~(200時間)
参考 一般社団法人 全国旅行業協会

受験資格なしの国家資格まとめ

以上、性別や年齢、学歴、実務経験などの受験資格がく誰でも受験できる国家資格を紹介してきました。

近年は、大卒以上、実務経験といった受験資格が撤廃される傾向にあります。

資格を取得すると、キャリアアップに繋がり、昇進・昇格・昇給に有利になったり、未経験でも別の業界に転職しやすくなったり、また、独立して高収入を得ることも可能になったりします。

基本的には、資格の難易度が高くなればなるほどそれが実現しやすくなりますが、簡単な試験でもその後の努力次第でその資格を大きく生かすことが可能です。

これまでの経験や自分の能力、性格に合いそうな資格があれば、資格の情報を収集し、必要あれば思い切ってチャレンジしてみてはどうでしょうか。