受験資格なしの国家資格

受験資格なしの国家資格

資格を取ってスキルアップを図りたい、昇進・昇格したい、就職や転職に活かしたい、独立したい、と考えて、いざ、目ぼしい国家資格の受験資格の要件を確認してみると、一定の学歴が必要だったり実務経験が必要だったりしてガッカリする場合があります。

そこで、ここでは、受験資格が必要なく誰でも受験できる国家資格で、特に就職や転職に有利だったり、独立開業も可能な資格を厳選して紹介しています。

学歴がない人や実務経験がない人でも資格を取って人生を大きく好転させることも可能です。

近年は受験資格を廃止する傾向があります。以前確認した時は学歴や実務経験が必要だった資格も今では受験資格が不要になっているものもありますので確認してみて下さい。

受験資格なしの国家資格

以下、受験資格が必要ない国家資格です。

難易度は「易しい 難しい」の10段階で表示。

合格までの学習時間は、個人差があり一般的な目安です。

不動産・建築・土木関係の資格

宅地建物取引士(宅建士)

宅地建物取引士は、宅地建物取引業法に基づき制定された国家資格です。

不動産の売買や賃貸物件の斡旋をする際、契約が成立するまでの間に、その土地や建物に関する重要事項について専門知識を有していないお客様に説明等を行う不動産取引の専門家です。

この業務は宅建士の資格保有者しか行うことができません。

このため、宅地建物取引業法の規定により、宅地建物取引業者は従業員5人に1人の割合で成年者の専任の宅地建物取引士を事務所に置くことが義務づけられています。

需要も多く就職・転職にも有利な資格です。

難易度: 普通

合格までの学習時間:350時間

参考:宅地建物取引士(宅建士)試験の概要

不動産鑑定士

不動産鑑定士は、不動産の鑑定評価に関する法律に基づき制定された国家資格です。

国や都道府県からの土地評価や裁判所からの競売物件の評価、銀行からの担保評価、会計事務所からの不動産の評価などの依頼を独占して行うことができます。

かつては大卒などの受験資格が必要でしたが受験者数の減少を受けて2006年から撤廃されました。現在は年齢や学歴に関係なく誰でも受験することができます。

司法試験、公認会計士と並んで日本の三大資格と評されることもあるステイタスの高い国家資格だけあって難易度が非常に高い試験です。

公共機関からの公的評価の依頼が継続的に見込めるため、独立しやすい資格です。

難易度: 非常に難しい

合格までの学習時間:2000時間

参考:不動産鑑定士試験の概要

管理業務主任者

管理業務主任者は、マンション管理業者の立場で、管理組合の管理者等のマンションの運営や管理に関する相談に応じ、助言・指導その他の援助を行ったり、管理組合等に対して管理委託契約に関する重要事項の説明や管理事務報告を行う際に必要な国家資格です。

管理業務主任者として国土交通大臣の登録を受ける場合は、マンションの管理事務に関して2年以上の実務経験が必要になりますが、マンション管理業協会が実施する登録実務講習を修了することで、同等の実務経験を得た者と認定され、登録することが可能です。

マンション管理会社が主な就職先・転職先となります。

難易度: 普通

合格までの学習時間:350時間

参考:管理業務主任者試験の概要

マンション管理士

マンション管理士は、平成13年8月に施行された「マンションの管理の適正化の推進に関する法律(マンション管理適正化法)」に基づく国家資格です。

専門的知識をもって、管理組合の運営、建物構造上の技術的問題等マンションの管理に関して、管理組合の管理者等又はマンションの区分所有者等の相談に応じ、助言、指導その他の援助を行うことを業務とする専門家です。

管理業務主任者との違いは、管理業務主任者が、マンションの管理業者の立場から受託契約上の説明や報告を行うのに対して、マンション管理士は、管理組合側の立場に立って建物の保全や管理に関する総合的なアドバイスを行います。

宅建士や管理業務主任者とのWライセンスでマンション管理のスペシャリストとして活動することも可能になります。

難易度: やや難しい

合格までの学習時間:800時間

参考:マンション管理士試験の概要

土地家屋調査士

土地家屋調査士は、他人の依頼を受けて、土地や建物の形状、位置、 利用目的などを調査、測量して図面作成、不動産の表示に関する登記の申請手続などを行う測量及び表示に関する登記のスペシャリストです。

その他にも土地家屋調査士は、境界紛争の解決手続きの一つの手段である筆界特定手続きの代理業務なども独占的に行えます。

1級建築士・2級建築士・測量士・測量士補取得者は午前の部(測量の試験)が免除されますので、事前に難易度が低い測量士補等の資格を取得し 、午前の資格をパスして午後の試験に全力を傾けるのが合格への近道です。

測量士補も受験資格は必要ありません。

難易度: やや難しい

合格までの学習時間:800時間

参考:土地家屋調査士試験の概要

測量士・測量士補

測量士・測量士補は、どちらも測量法に基づく国家資格です。建設・土木工事を行う土地について、位置や高さ、長さ、距離、面積などを測量します。

法律上では、測量士は、測量作業の主任者として測量計画作成を担当し、測量士補は、測量士の作成した計画に基づき測量を担当する者と定められています。

土地家屋調査士の資格などと併用すれば独立も可能です。

測量士または測量士補の資格を有すると、土地家屋調査士の午前部の試験が免除されるため、測量士補を受験して土地家屋調査士を目指す方も少なくありません。

難易度: 測量士 やや難しい

合格までの学習時間:600時間

参考:測量士・測量士補試験の概要

法律・会計系の資格

公認会計士

公認会計士は、監査・会計の専門家として、独立した立場において監査業務を行ったり「会計」「税務」「コンサルティング」などの業務を行う専門家です。

中でも監査業務は、公認会計士の独占業務です。

公認会計士の主な業務である財務諸表監査は、企業の経営状態を表す財務書類が適正に表示されているかどうかチェックして、独立した立場から意見を表明します。

2005年以前の旧試験制度では、大学卒業や旧1次試験合格等の受験資格が必要でしたが、2006年度以降の新試験制度では受験資格への制限がなくなりました。

医師、弁護士とともに「三大国家資格」を称されるほどステイタスの高い資格ですが、これらの資格のうち唯一、受験資格が必要なく受験しやすい資格となっています。

試験合格に加えて、2年以上の業務補助(期間は試験合格の前後を問いません)と、実務補習の修了(修了考査の合格)が終わると公認会計士として登録できます。

難易度: 非常に難しい

合格までの学習時間:3500時間

参考:公認会計士試験の概要

司法書士

司法書士は、他人の依頼を受けて、裁判所や検察庁、法務局に提出する書類を作成する仕事や、家屋や土地など不動産の権利に関する登記や供託手続きにおける代理手続きを行う法律事務の専門家です。

さらに、法務大臣から認定を受けた認定司法書士は、簡易裁判所における訴訟額140万円以下の民事訴訟において、法廷での弁論など弁護活動の代理をしたり、民事執行、民事保全、和解、調停などにおいて当事者を代理することもできます。

試験合格後は、司法書士会に登録後、研修を受けて司法書士としての業務を始めることができますが、多くの人は、試験合格者後、一定期間司法書士事務所で司法書士補助者として実務を学んで独立します。

難易度: 非常に難しい

合格までの学習時間:3000時間

参考:司法書士試験の概要

弁理士

弁理士は、弁理士法に基づく国家資格者で、特許権・実用新案権・意匠権・商標権などの知的財産に関する専門家です。

クライアントの代理として依頼内容について従来技術や先行出願を調査し、権利が取得できるか否かを判断し、出願することが決定すると、願書に加え、発明の内容を説明した明細書やデザインを現した意匠図面などの必要な書類を作成し、特許庁へ出願手続きを行います。

また、審査段階における特許庁の審査官とやりとりに対応したり、特許技術や商標を侵害された場合の助言や訴訟代理などを行います。

弁理士となるためには、試験合格後、実務修習を修了し、弁理士登録をする必要があります。

弁理士の業務も非常に高度なスキルが求められるため、まずは特許事務所や企業の知財部門で実務経験を積み、コネクションを構築して独立することになります。

難易度: 非常に難しい

合格までの学習時間:3000時間

参考:弁理士試験の概要

行政書士

行政書士は、行政書士法に基づく国家資格者で、他人の依頼を受け報酬を得て、役所に提出する許認可等の申請書類の作成並びに提出手続代理、遺言書等の権利義務、事実証明及び契約書の作成等を行います。

士業の中では比較的簡単な試験です。

弁護士や弁理士、公認会計士、税理士となる資格を有する者も行政書士となる資格を有します。

比較的少ない資金で自宅でも開業できることや自分のペースで仕事ができることから定年後の独立開業を目指す方に人気があります。

他の行政書士と差別化を図るためにも得意分野を持つことが成功の秘訣です。

難易度: やや難しい

合格までの学習時間:600時間

参考:行政書士試験の概要

中小企業診断士

中小企業診断士は、中小企業の成長戦略の策定や経営状態を良好にするべく、専門的知識をもってアドバイスする経営コンサルタントに関する唯一の国家資格です。

ビジネスパーソンが新たに取得したい資格として最も人気のある資格の一つです。

マンション管理士と同様、士業にはありがちな独占業務というものがありませんので、独立してやっていくには、営業力や行動力が求められます。

情報処理系の試験や公認会計士、弁護士、技術士などの資格保有者は、「経済学・経済政策」「財務・会計」「経営法務」「経営情報システム」などの試験科目が免除になります。

難易度: 難しい

合格までの学習時間:1200時間

参考:中小企業診断士試験の概要

金融系の資格

FP(3級FP技能士)

ファイナンシャルプランナー(FP)は、顧客からの相談を受け、家族構成や収入と支出、資産や負債、保険などのあらゆるデータなどから現状を分析し、顧客が望むライフプランを実現するための貯蓄・投資・保険・税金など長期的かつ総合的な視点でアドバイスや資産設計を行います。

少子高齢化やそれに伴う年金支給額の目減り、年金支給開始年齢の引き上げなど先行きが不安な日本においてはライフプランのアドバイスなど益々需要が増してくると考えられます。

国家資格ではありませんが、今後有望な資格として注目されていますので加えました。

3級FP技能士に合格するか、日本FP協会認定のAFP認定研修を修了(通信講座などを利用)すれば、2級FP技能士も受験可能となります。

難易度: 易しい

合格までの学習時間:200時間

参考:FP(ファイナンシャルプランナー)技能検定試験の概要

医療系の資格

登録販売者

登録販売者とは、ドラッグストアや薬局などで、かぜ薬や鎮痛剤などの一般用医薬品(第2類・第3類に限る)を販売することができる医薬品販売の国家資格です。

薬剤師が不在でも一般用医薬品の販売ができる専門家として高いニーズがあります。

登録販売者の業務は資格を保有していないとできない独占業務にあたるため、一度取得すれば一生涯その資格を活かせますし、高齢化社会や健康ブームの影響でドラッグストアや薬局の店舗も増加中ですので今後も安定した需要が見込まれます。

また、介護関係やエステサロンなど他業界からの需要も期待できます。

難易度: やや易しい

合格までの学習時間:200時間

参考:登録販売者試験の概要

IT関連の資格

情報処理安全確保支援士

サイバー攻撃の増加・高度化に加え、社会的なIT依存度の高まりから、サイバー攻撃による社会的脅威が急速に増大しています。

このため、サイバーセキュリティ対策として、2016年10月に「情報処理の促進に関する法律」が改正され、情報処理安全確保支援士(略称:登録セキスペ)という国家資格が誕生しました。

情報処理安全確保支援士(登録セキスぺ)は、情報処理技術者試験の情報処理安全確保支援士試験合格者が所定の登録手続きを行うことでなることができます。

尚、その他の情報処理技術者試験も受験資格は必要ありません。

難易度: 難しい

合格までの学習時間:1200時間

参考:情報処理技術者試験の概要

電気・工業系の資格

電気主任技術者

電気主任技術者は、発電所や変電所、需要家の受変電設備の維持管理や運用を行える資格です。

電気事業法により、電気事業用及び自家用電気工作物の設置者は、電気工作物の工事、維持、運用の保安監督をさせるために、電気工作物の種類によって電気主任技術者を選任することが定められています。

需要が多く将来性もあるため、定年後の就職・転職にも有利になりますし、一定期間実績を積んで法律の規定要件を満たし、経済産業省の保安管理業務外部委託承認を得ると、独立して事業所を持つことも可能になります。

一種・二種・三種とあり、管理できる電圧(電気設備や発電設備)の規模が異なってきます。三種(電験三種)は最も下位の試験ですが、それでも合格者は10人に一人という狭き門です。

一種・二種・三種ともに受験資格は必要ありません。

難易度: 電験三種

合格までの学習時間:800時間

参考:第三種電気主任技術者試験の概要

電気工事士

電気工事士の資格は、電気に関わる建物や設備の工事をする時に必要となる国家資格です。電気工事士には、第二種電気工事士と第一種電気工事士の2つがあります。

第二種電気工事士は、住宅や店舗など600V以下で受電する設備の新築・増改築時に、配線図どおりに屋内配線、コンセントの設置、アース施工などを行うことができます。

第一種電気工事士を取得すると更に、工場や大きなビルなどの大規模な建物での電気工事も可能となります。

第二種、第一種ともに受験資格は必要ありませんが、第一種電気工事士として仕事をするには一定の実務経験等が必要になります。

電気工事士と電気主任技術者との違いは、電気工事士が「電気設備の工事」を行う資格で、電気主任技術者が「電気設備の保安」を行う資格であるということです。

電気工事士による電気設備の設置工事等の後に、その運用の安全性・安定性を担保するための資格として電気主任技術者は仕事をします。

難易度: 第一種電気工事士

合格までの学習時間:350時間

参考:第二種電気工事士試験の概要

危険物取扱者 乙種・丙種

危険物取扱者とは、消防法に定める危険物を取り扱うことができる国家資格です。

消防法において、火災の危険性の高い物質は、危険物として指定されており、危険物を取り扱う際に、危険物取扱者の資格が必要になります。

危険物取扱者には、甲種、乙種、丙種の3種類の資格がありますが、そのうち乙種と丙種は受験資格がありません。

中でも乙種第4類は、生活に身近なガソリンや灯油などを取り扱うことができ、セルフ式ガソリンスタンドでの立ち合い業務ができるなど就職・再就職に有利です。

難易度: やや易しい

合格までの学習時間:300時間

参考:危険物取扱者試験の概要

受験資格なしの国家資格まとめ

以上、性別や年齢、学歴などの受験資格がない国家資格を紹介してきました。

資格を取得すると、キャリアアップに繋がり、昇進・昇格・昇給に有利になったり、未経験でも別の業界に転職しやすくなったり、また、独立も夢ではなくなったりします。

基本的には、資格の難易度が高くなればなるほどそれが実現しやすくなります。

これまでの経験や自分の能力、性格に合いそうな国家資格があれば、資格の情報を収集し、必要あれば思い切ってチャレンジしてみてはどうでしょうか。

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