国民年金保険料の免除のメリット・デメリット

収入の減少や失業等により国民年金保険料を納めることが経済的に困難な場合に利用できる制度に国民年金保険料の免除制度納付猶予制度があります。

ここでは、国民年金保険料の免除制度・納付猶予制度とはどういう制度か、また、そのメリット・デメリットを解説しています。

国民年金保険料免除とは?

国民年金保険料の免除制度

国民年金保険料免除制度とは、本人、配偶者、世帯主の前年所得(1月から6月に申請される場合は前々年所得)が一定額以下の場合など、国民年金保険料を納めることが経済的に困難な場合に、保険料の支払いの全額もしくは一部が免除になる制度です。

納めたくないという個人的な意思は認められません。

本人が、「国民年金保険料免除・納付猶予申請書」を市区町村に提出し、承認されると保険料の納付が免除されます。

国民年金保険料の免除額

免除には、

  1. 全額免除
  2. 4分の3免除
  3. 半額免除
  4. 4分の1免除

の4種類があり、所得によっていずれかが決まります。

免除の申請は、過去2年(申請月の2 年1ヵ月前の月分)まで遡って申請することができます。

国民年金保険料の納付が免除になる年収

前年の所得によって免除される金額が異なります。

前年の所得 免除割合
(扶養親族等の数+1)×35万円+22万円 全額免除
78万円+扶養親族等控除額+社会保険料控除額等 4分の3免除
118万円+扶養親族等控除額+社会保険料控除額等 半額免除
158万円+扶養親族等控除額+社会保険料控除額等 4分の1免除

国民年金保険料免除分の追納制度

免除の承認を受けた期間の保険料については、10年以内であれば過去10年に遡って納めることができ、追納した期間の保険料は全額納付として算定させることができます。

国民年金保険料免除制度のメリット・デメリット

国民年金保険料を免除の手続きをせずに未納のままにしておくと、その期間は老齢基礎年金を受け取るために必要な受給資格期間に参入されません。

当然、将来、受け取る老齢年金額も納付していない分、少なくなってしまいますし、納付期間が10年未満の場合は老齢年金が貰えなくなってしまいます。

しかし、免除の手続きをしておくと、免除になっている期間も老齢基礎年金の受給資格期間に加えられ、免除の割合に応じた老齢基礎年金が受け取れます

免除になっている時の老齢年金額は、全額納付した場合にもらえる年金額に対して、

  1. 全額免除:2分の1
  2. 4分の3免除:8分の5
  3. 半額免除:8分の6
  4. 4分の1免除:8分の7

です。

免除になっている期間が老齢基礎年金の受給資格期間に加えられる点はメリットと言えますが、追納しない限り将来受け取る老齢年金の額が少なくなるのはデメリットと言えます。

また、国民年金保険料の免除が承認されると、付加年金および国民年金基金は利用できません

国民年金保険料納付猶予制度とは?

国民年金保険料の納付猶予制度

国民保険料納付猶予制度とは、20歳から50歳未満の方で、本人・配偶者の前年所得(1月から6月に申請される場合は前々年所得)が一定額以下の場合に、保険料の納付が猶予される制度です。

納めたくないという個人的な意思は認められません。

免除制度と異なるのは、本人の年齢が20から50歳未満でなければならない点と世帯主の所得が考慮されない点です。

2016年6月以前は申請できるのが20歳以上30歳未満の人に限定されていましたが、2016年7月から対象年齢が20歳以上50歳未満と拡大されました。

本人が申請書をもって市区町村に申請して承認されると、保険料の納付が猶予されます。

国民年金保険料の納付が猶予される年収

本人及び配偶者の前年所得が以下の計算式で計算した金額以下である場合、国民年金保険料の納付が猶予さます。

  • (扶養親族等の数+1)×35万円+22万円

国民年金保険料猶予分の追納制度

有よの承認を受けた期間の保険料については、10年以内であれば過去10年に遡って納めることができ、追納した期間の保険料は全額納付として算定させることができます。

国民年金保険料の納付猶予制度のメリット・デメリット

国民年金保険料納付猶予の期間は、老齢基礎年金を受け取るために必要な受給資格期間にカウントされますが、後から追納しないと老齢基礎年金額の受給額が増えません

追納は、国民年金保険料追納申込書に必要事項を記入し、マイナンバー確認書類、本人確認書類とともに最寄りの年金事務所にて申請します。郵送でも申請可能です。

猶予になっている期間が老齢基礎年金の受給資格期間に加えられる点はメリットと言えますが、後から追納しなければ将来受け取る老齢年金の額が少なくなるのはデメリットと言えます。

また、国民年金保険料の猶予が承認されると、付加年金および国民年金基金は利用できません

まとめ

国民年金保険料の「免除」も「納付猶予」も、経済的な理由で 国民年金保険料を納めることができない場合に利用できる制度です。

どちらも申請をして承認されれば、国民年金保険料の納付が免除または猶予されます。

納付免除 納付猶予
所得審査 本人・配偶者・世帯主 本人・配偶者
年齢制限 20歳から60歳未満 20歳から50歳未満
受給資格期間への算入 算入される
老齢年金支給額への算入 免除割合に応じて年金額が計算 算入されない

経済的に苦しくなったときは未納のままにせず、免除もしくは納付猶予制度を利用し、後に経済的な余裕ができた時は、追納して将来貰える年金額への影響を極力減らすようにしましょう。