携帯会社にはどういうものがあるのか、携帯料金の仕組みはどうなっているのか、サブブランドとは?格安スマホとは?そういったことがよくかわからないシニアの方も多いと思います。
そこで、ここでは、スマホの会社にはどういうものがあるのか、携帯料金の仕組みや高齢者がスマホの契約で後悔しないために注意すべきポイントについて解説します。
スマホの会社の種類と特徴
スマホ会社の種類
スマホ(携帯)の会社は大きく3つのブランドに分かれます。
- キャリアと言われる大手4社
- サブブランド
- 格安スマホ業者
です。格安スマホ業者は、格安SIM業者とも言われます。
4大キャリア | サブブランド | 格安スマホ業者 | |
---|---|---|---|
NTTドコモ au SoftBank |
ahamo povo LINEMO |
UQモバイル Y!mobile |
マイネオ LINE MOBILE OCNモバイル イオンモバイルなど |
楽天モバイル |
キャリア
4大キャリアとは、従来の3大キャリアと言われるNTTドコモ、au、SoftBankに2020年に加わった楽天モバイルを言います。
そして、これに、2021年から3大キャリアの格安プランとして、NTTドコモのahamo、auのpovo、SoftBankのLINEMOが加わりました。
これらもキャリアが直接運営していますのでキャリアとなります。
サブブランド
サブブランドとは、キャリアの子会社が展開する低価格帯のサービスです。サブブランドのうち、UQモバイルはauの子会社、Y!mobileはSoftBankの子会社が運営しています。
以上はキャリアの回線をそのまま使っています。
格安スマホ業者
これに対して格安スマホ業者とは、大手キャリアから通信設備を借りて安くサービスを提供する業者です。
ちなみに、LINEMOとLINE MOBILEは別のサービスです。
そして、格安スマホ業者のように、通信設備をキャリアから借りて携帯電話サービスを提供している電話会社を特に「仮想移動体通信事業者:MVNO」と呼んでいます。
各携帯業者の特徴
各携帯業者にはざっくり言うと以下のような特徴があります。
4大キャリア | サブブランド | 格安スマホ業者 | |
---|---|---|---|
docomo au SoftBank |
ahamo povo LINEMO |
UQモバイル Y!mobile |
マイネオ LINE MOBILE OCNモバイル イオンモバイルなど |
楽天モバイル | |||
通信品質◎ 店舗の数◎ 新機種を取り扱う |
通信品質◎ 店舗の数× 取り扱い機種無し または 取り扱い機種が古い |
通信品質○ 店舗の数○ 取り扱い機種が古い |
通信品質△ 店舗の数△ 取り扱い機種が古い |
通信料金が高い 機種代が高い |
通信料金は安い | 通信料金は安い 機種代は安い |
通信料金は非常に安い 機種代は安い |
従来からある3大キャリア(docomo、au、SoftBank)は、通信の品質やサービスを高い次元で両立させているため料金は高めです。
これに、従来は通信設備を借りて展開していた楽天モバイルが自社で通信設備を用意して4つめのキャリアとして加わりました。ご存じのように楽天モバイルは低価格路線で展開しています。
そして、政府主導による携帯電話料金値下げで開始されたサービスが3大キャリアの格安路線であるahamo、povo、LINEMOです。これはサービスを削り、3GB~20GB程度の容量を利用する層をターゲットに価格を抑えています。
サブブランドは、子会社を作ってサービスを削り、20GB未満の容量において低価格を実現。
親会社である大手キャリアの通信設備をそのまま使いますので、通信設備を借りて運営している格安スマホ業者より高い通信品質が実現できます。
一般的にサブブランドも格安スマホの括りで取り扱われています。
格安スマホ業者は、通信設備を持たずキャリアから借りている関係で通信の品質は大手キャリアやサブブランドよりも劣るものの、その分、通信料金は低く抑えられています。
また、これまでは、通話をよくする人には、あまり安くならなかった格安スマホですが、2020年6月に、大手キャリアから音声通話を原価ベースで調達できるようになったことで現在は通話料についても低価格で展開できるようになっています。
尚、機種代は、同じ機種でもサブブランドや格安スマホ業者が安い傾向があります。
高齢者がスマホの契約で後悔しないために注意すべきポイント
スマホの会社の種類と特徴をざっくり見てきたところで、高齢者がスマホの契約で注意すべきポイントを見ていきたいと思います。
高齢者がスマホの契約で注意すべきポイントは以下の5点です。
- 通信料金と機種代は別であることを理解しておく
- スマホ本体の分割払いの回数を把握して契約する
- データ容量(スマホの容量とデータ利用量)を理解して契約する
- 不必要なオプションには加入しない
- 契約の最終確認は必ずする
一つ一つ見ていきます。
通信料金と機種代は別であることを理解しておく
一般的に、「機種代込み」と明記していない限り、「〇〇プラン:1ヵ月〇〇〇〇円」といった場合の料金は、通信料金(インターネットや通話をする権利)のみの金額です。
当然、スマホ本体が必要になりますので、1ヵ月にかかる携帯電話料金は、通信料金に加えて別途、機種代が必要になります。
そして、機種代は、スマホによって異なります。
例えば、4万8,000円のスマホを購入した場合で、24回の分割払いをする場合は、24ヵ月の間、月額およそ2,000円が通信料金にプラスされて請求されます。
スマホは、10万円以上するものから1万円以下のものまでありますが、あまり安いものだと、動作が快適でなかったり、写真の画質が悪かったりしますので、それらを確認して自分に合ったものを選ぶ必要があります。
スマホ本体の分割払いの回数を把握して契約する
スマホ本体の分割払いの回数には要注意です。
スマホの寿命は、使い方や使用する環境にもよりますが、一般的に、スマホ本体が5年、バッテリーが2~3年と言われています。
バッテリーの劣化が見えてきたり、キャリアが2年で買い替えることを推奨していたり、また新しい機種に目移りしたりで、2年で買い替えるという人も少なくありません。
この場合に注意したいのが、機種代の残債です。
仮に旧機種を48回払いで契約して、2年でスマホを買い替える場合は、新しい機種代の分割払いに加えて、旧機種の残り24回分の支払いもしなければなりません。
分割払いの回数を多くすると、毎月の支払額は少なくなりますが、将来の契約時に支払いが残っているなどデメリットもありますので注意する必要があります。
3つの事例を紹介します。
ケース1:他のキャリアに乗り換える場合
キャリアAと契約してスマホもキャリアAで購入したとします。
2年後、キャリアBが機種代半額というお得なキャンペーンをしていたので、機種ごとキャリアBに乗り換えるとします。
この場合、キャリアAで旧機種を48回払いで契約していた時は、新しい機種(スマホ)代の分割払いに加えて、旧機種(スマホ)の残り24回分の支払いが平行して発生します。
ケース2:サブブランドや格安スマホ業者に乗り換える場合
キャリアAと契約してスマホもキャリアAで購入したとします。
2年後、サブブランドの料金が魅力的なため機種ごとサブブランドに乗り換えるとします。
この場合も、キャリアAで旧機種を48回払いで契約していた時は、新しい機種(スマホ)代の分割払いに加えて、旧機種(スマホ)の残り24回分の支払いが平行して発生します。
ケース3:同じキャリアでスマホだけを変える場合(機種変更だけの場合)
キャリアAと契約してスマホもキャリアAで購入したとします。
2年後、スマホを新機種に変えたくなったので機種変更をするとします。
この場合も旧機種と新機種の分割払いを平行して支払う必要があります。
但し、旧機種を48回払いで契約していた場合でも、機種を旧機種から新機種に乗り換える場合は、旧機種の残債はゼロ(免除)にするというプラン(通常は有料)に加入していれば、旧機種の分割払いは免除され、新機種だけの支払いだけになります。
しかし、よく確認すると、プラン料として支払った金額(数百円×24回)も高額で、新機種の代金も高めに設定されているためお得とは言えない場合があります。
悪徳商法とは言いませんが、自社に繋ぎとめる方法としてこういう契約は実際によくあります。
分割払いの回数に注意
このように、分割払いの回数を多くすると、乗り換え時に旧機種分の支払いが残るため、よくわからない人や面倒くさがりやの人は、乗り換えに二の足を踏んでしまいます。
結局、同じキャリアで機種変更を繰り返してしまいがちで、よりお得になる契約へ変更するチャンスを逃してしまいかねません。
従って、契約時は、これらのことを頭に置いて、月額料金の内訳として機種料金はいくらか、分割払いは何回かは必ず確認しておくようにしましょう。
また、現在は、例え旧機種の残債はゼロ(免除)にするというプランがあっても、3大キャリアの格安ブランド(ahamoやpovo、LINEMO)や楽天モバイル、キャリアのサブブランドなどに乗り換える方がお得になるケースは少なくありません。
スマホの通信費を削減したい場合は、分割払いが残っていても各契約の料金をシミュレーションして条件の良い他社に乗り換えることを検討してみて下さい。
テータ容量(スマホの容量とデータ利用量)を理解して契約する
スマホの契約において「データ容量」という言葉は、
- スマホ自体のデータ保存容量
- データ通信時のデータ利用量
で使われます。紛らわしいのですが、両者は全く別物です。
スマホ自体のデータ容量
スマホ自体のデータ保存容量(データ容量)とは、アプリや写真画像、動画、音楽などを保存しておくストレージの容量のことです。
GB(ギガバイト)単位で表現されますが、GBとは10億バイトのこと。アルファベット1文字が1バイトに相当しますので、1GBあれば、アルファベット10億文字を保存できる計算になります。
iPhoneでは、64GB、128GB、256GBといったデータ容量の端末を用意していますが、特に、写真や動画、音楽を大量に保存する必要がない場合は、64GBで十分です。
64GBでは、写真も理論上5万枚ほど撮ることができます。
GB(ギガバイト)数が多くなれば端末料金も高くなります。
データ通信時のデータ利用量
データ通信時のデータ利用量(データ容量)とは、インターネットを使ってやり取りをするデータ量のことです。
スマホのデータ容量と同じくGB単位で表現されます。
よく、料金のプランで「20GBまで○○○○円」といった表現がされていますが、この場合の20GBというのは、データ通信時のデータ利用量のことです。
当然、容量が大きくなればなるほど料金も高くなります。
動画を見たりゲームをしたりしなければ、1GBでも多くのことができますが(例えば、ホームページの閲覧であれば3,000回、LINEなら100万メッセージ以上ほど)、多くの人、特に高齢者は必要以上のデータ容量で契約し、高い料金を支払っているのが現状です。
写真や動画を撮ったり、インターネットを使う機会の少ないシニア世代の人であれば、スマホのデータ容量とこのデータ利用量を見直せば料金を安くすることができます。
但し、データ利用量を決める場合に注意が必要な点が一つあります。
例えば、少ないデータ利用量(1GB:3,000円)で契約していた場合に、その量(1GB)を超えて使ってしまった場合は、5,000円になるなど極端に料金が上がる場合があることです。
通知したり、通信の制限をかけることをしないキャリアのやり方も個人的には確信犯だと思いますが、現時点のデータ利用量を確認するページも用意されていますので、必ずデータ利用量の確認の仕方を教えてもらっておきましょう。
ちなみに、下の図は、SoftBankのデータ通信量確認画面です。
1GB(3,000円)の契約で、現時点で0.23GB使用(残り0.77GB)している状態で、1GBを超えると5,000円に、5GBを超えると6,500円になるという契約です。
※この契約形態は2020年のもので現在は終了しています。
不必要なオプションには加入しない
スマホの契約では、オプションサービスの追加契約について説明されることがあります。
よく説明を聞かずに契約してしまうと後々トラブルに発展することも少なくありません。
高齢者のスマホトラブルで多く見られるのが、
- 安心だからと不必要な有料オプションを付けられるケース
- タブレット端末やポケットWi-Fiなどを加えたセットで契約させられるケース
などです。
オプションの中には、一定の無料期間が設けられ、解約操作を忘れてしまうと料金が発生するものもあるので注意が必要です。
私もスマホを契約しており、以前は、補償サービス(スマホの故障や紛失時などの負担を軽くするオプション:月額500円程度)だけを付けていた時期がありますが、何年もお世話になったことがないため、ここ数年は、これも外しています。
結果、オプションは通話オプションだけです。
オプションを付けるとしても補償サービスと通話オプションくらいかと思っています。
オプションについては、人によって必要性がマチマチですが、後にトラブルとならないよう、しっかり話を聞き、不必要なオプションには加入しないようにしましょう。
契約の最終確認は必ずする
契約が終わったら最後に必ず次の5点を確認しましょう。
- スマホの分割払いの回数と月額料金
- 毎月支払う通信費と機種代込みで総額いくらになるか
- 月のデータ利用量をオーバーしたらどうなるか(いくらになるか)
- 通話の条件(家族は無料・5分なら何度でも無料など)
- オプションの解約等こちらでやるべき手続きはあるか
わからないことはスルーせずに質問する
携帯電話を購入することは契約行為にあたるため、店員は重要な事項を説明してくれます。
上記の確認以外で話の中にわからないことがあれば必ず質問するようにしましょう。
まとめ
スマホの会社にはどういうものがあるのか、スマホの料金の仕組みやシニアの方がスマホを契約する上で注意すべきポイントについて解説してきました。
ヅマホの契約では、
- 通信料金と機種代は別であることを理解しておく
- スマホ本体の分割払いの回数を把握して契約する
- データ容量(スマホの容量とデータ利用量)を理解して契約する
- 不必要なオプションには加入しない
- 契約の最終確認は必ずする
の5点を押さえておけば、殆どの場合、大丈夫です。
そして、 最終確認は、
- スマホの分割払いの回数と月額料金
- 毎月支払う通信費と機種代込みで総額いくらになるか
- 月のデータ利用量をオーバーしたらどうなるか(いくらになるか)
- 通話の条件(家族は無料・5分なら何度でも無料など)
- オプションの解約等こちらでやるべき手続きはあるか
の5点を確認します。
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