新電力会社に乗り換えるメリット・デメリットと乗り換え手順

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2016年4月に始まった電力自由化。

電力の自由化が始まってもう5年以上が経過していますが、

  • 電力自由化って何なのか?
  • 新電力に乗り換えるとどんなメリットがあるのか?
  • 新電力に乗り換えるデメリットはないのか?
  • 本当に電気代は安くなるのか?

など、今でも色々と分からないことや疑問に思っていることがある方も多いと思います。

そこで、ここでは、電力自由化とは何か?新電力に乗り換えるメリットとデメリット。また、おすすめの電力会社と乗り換えの手続きなど分かりやすく解説していきたいと思います。

電力自由化とは?

電力自由化とは、電力大手による独占体制が続いていた電力事業の市場参入規制を緩和し、さまざまな業種の企業が電力の販売に参入できるようにした国の政策です。

電力会社間の競争を促すことで、競争原理によってコスト削減が進み、電気料金の抑制に繋がり私たち消費者も恩恵を受けられます。

これにより、一般家庭は、これまで、その地域の電力会社からしか電力の購入ができませんでしたが、例えば、東京都に住んでいる人でも電気の周波数が異なる地域の関西電力と契約することも可能になりました(送電時には、周波数変換設備で周波数が変換されて届けられます)。

勿論、停電したり電気の品質が落ちるといった問題はありません

電力自由化に伴い、2021年現在の時点で700社以上の電力の小売事業者が登録されています。

電力自由化による乗り換え率

一方で、電力自由化による乗り換え率はどうかというとまだまだ低いのが現状です。

2020年12月の時点で、全販売電力量に占める新電力のシェアは、約20.0%で、家庭用を含む低圧分野のシェアも、約20.9%に留まっています。

全販売電力量に占める新電力のシェア

電力・ガス小売全面自由化の進捗状況について(資源エネルギー庁)

その理由としては、単に長年依存してきた現在の安定した電力会社を変更するのが不安、または。面倒くさそう、というのがあげられます。

では、新電力会社に乗り換えるメリットとデメリットはどういうものがあるでしょうか。

新電力会社に乗り換えるメリット

新電力会社に乗り換えると以下のメリットがあります。

  1. 電気料金が安くなったり新しいサービスで付加価値が得られたりして家計の負担を少なくすることができる
  2. 新しい電力会社に変えたからといって電力供給が不安定になることはない
  3. 切り替え・乗り換えに費用は発生しない

一つ一つ見ていきます。

電気料金が安くなったり新しいサービスで付加価値が得られたりして家計の負担を少なくすることができる

消費者側が電力会社を比較して契約することで電力会社同士の競争が起こります。

電力会社は、ライフスタイルに合わせた様々な電気の供給メニューを開発・提供していますので、消費者は、自分に合った商品を上手に選択して従来の電気料金を下げることができます。

また、ガス料金や水道料金とセットになっていたり、携帯電話とセットになっている新電力会社を選ぶことで光熱費がまとめて安くなったり、通信費の割引が適用されたりします。

各種ポイントサービスなどを組み合わせたプランなどもあります。

これらの新しいサービスが自分のライフスタイルに合えば、付加価値が得られたり家計の負担を少なくすることができます。

新しい電力会社に変えたからといって電力供給が不安定になることはない

新しい会社だから電力がちゃんと供給されるか不安、と考える人もいるようですが、電力会社を新電力に乗り換えても、これまで通り電力は安定供給されます

送電網は同じですので、東電や関電、九電などのような今まで使っていた地域電力と変わらない品質の電気を届けてくれますし、逆に今まで通り停電も起こりえます。

また、新電力会社が倒産・撤退してもすぐに電気が止まることはありません。

仮に新電力会社からの送電が止まってしまった場合は、代わりに送配電網を管理している各地域の大手電力会社が電気を供給してくれるようになっています。

ライフラインに関わることなのでそのあたりの法整備もなされているという訳です。

切り替え・乗り換えに費用は発生しない

ほとんどの新電力で初期費用といったものが発生しません。

刻々と電気使用量がわかるスマートメーターも基本的に無料です。

但し、ごく一部の新電力で契約手数料などがかかるところもあるようですので、必ず契約前に手数料の有無を確認しておくようにしましょう。

新電力会社に乗り換えるデメリット

一方で、新電力会社に乗り換えると以下のデメリットがあります。

  1. 新電力の解約時に違約金が発生する場合がある
  2. 乗り換えで電気料金が上がるケースもある
  3. 一部のマンションやアパートでは契約不可の場合もある
  4. 新電力会社倒産で再乗り換えが必要になるケースもある

一つ一つ見ていきます。

解約時に違約金が発生する場合がある

これまでは、電気の契約には契約期間という概念がありませんでした。

しかし、電力自由化によりスマホと同じように契約期間という概念が生まれ、これにより、新電力の解約時は、解約事務手数料や途中解約による違約金が発生するケースがあります。

特に、転勤など引っ越しが多い人は、契約の際に解約時に料金が発生しないか確認しておく必要があります。

乗り換えで電気料金が上がるケースもある

2021年までは、たいていの場合は電力会社を変えることで電気料金は今より安くなりましたが2022年後半からは電気の燃料費高騰に伴い、かえって電気代が高くなるケースが増えています。

例えば、

  1. 市場連動型プランの電力会社と契約した場合
  2. 燃料費調整額の上限が設定されていない電力会社と契約した場合
  3. 一人暮らしで電気をあまり使わないご家庭、大家族で大量の電気を使うご家庭
  4. 既に格安プランのオール電化プランを契約しているご家庭

などは、新電力にすることで電気料金が今までより高くなってしまう場合があります。

勿論、②の一人暮らしで電気を使う量が極端に少ない場合や、大家族で大量の電気を使う場合は、新電力によっては、逆に大幅に安くなる場合もあります。

また、格安プランのオール電化プランなどを契約しているご家庭などでは、乗り換えで電気料金が高くなる場合があります。

これまでの電気使用量や電気料金がわかれば新電力の場合に当てはめて安くできるかどうか比較できますので、必ず契約内容を確認し、シミュレーションして比較するようにしましょう。

要は、自分のライフスタイルに合わせて新電力会社を選ぶことが重要になります。

市場連動型プランは注意

市場連動型プランは、電気の市場価格高騰の影響を受けるため注意が必要です。

市場連動型プランとは、電気料金単価があらかじめ決まっているプランではなく、 市場の取引価格に連動して、 従量料金単価が決まるプランです。

従って、厳しい冷え込みや暑さが続き全国的に電気の使用が増える場合などは、電気の買い取り額が高騰し、その分、電気代として請求されてしまう場合があります。

一時、問題となったため、現在は、市場連動型プランの販売は殆ど無くなっています。

選べる電力会社も多く、それぞれの会社のメニューも多いため、こういったことを考慮して選ぶということが重要になってきます。

燃料費調整額の上限が設定されていない電力会社とは

電気料金は、請求書を見るとわかりますが、基本料金や電気量料金(従量料金)の他に「燃料費等調整額」という項目で成り立っています。

燃料費等調整額とは、火力発電に用いる燃料、つまり、原油や液化天然ガス、石炭の価格変動を電気代に反映させる項目です。

火力発電に用いる燃料費が上がれば燃料費等調整額は高くなりますが、大手電力会社などでは、その上限値を決めて上限額を超えた場合は、その差額を電力会社が負担しています。

新電力会社やプランによっては、負担を軽くするために上限値を廃止しているところもあります。その結果、利用者が負担する金額が増えます。

一部のマンションやアパートでは契約不可の場合もある

マンションやアパートにお住まいで、たとえ賃貸物件であっても、個人で電力会社と直接契約していれば(電気ご使用量のお知らせが届いていれば)、個別に電力会社と契約できます。

しかし、マンションやアパートの管理会社・オーナーが大口顧客向けの契約をしていたり、高圧一括受電契約をしていたりする場合は、個人で切り替えができない場合があります。

そういう場合は、不動産会社や管理会社などに事前に確認する必要があります。

新電力会社倒産で再乗り換えが必要になるケースもある

経営状態の悪化で、新電力会社が倒産又は事業から撤退することも無いとは言えません。

営利企業ですので救済措置もない場合が殆どです。

倒産や事業からの撤退で電力がストップするということはありませんが、乗り換えは必要になります。従って、消費者は経営基盤がしっかりした会社を選ぶことが求められいます。

おすすめの新電力会社

新電力会社への乗り換えはデメリットもありますが、自分に合った新電力会社を上手に選択すれば、電力の安定供給が保証された上で従来の電気料金を下げることができるので一つの節約術としておすすめでした。

しかし、2022年後半からの電力の燃料費高騰により、多くの新電力会社が電気事業から撤退し、2023年現在、新規申し込みを受け付けいしているところは殆ど無くなりました。

以下は2021年時点で、おすすめだった新電力会社を紹介しています。

参考として読んで下さい。

エルピオでんき(使った分だけSプラン)

エルピオでんきは、LPガス販売事業50年以上の実績がある株式会社エルピオが提供するサービスです。業界でも最安水準の電力会社ということで選ばれています。

九州エリアの基本料金は0円で、1kWh22円91銭という分かりやすい料金体系。

長崎に住む私も九州電力と比較シミュレーションして年間1万円ほど安くなることがわかったのでこれに切り替えました。

契約期間内に中途解約しても解約金等の費用は発生しません。

九州電気エリアの人はここがおすすめです。

尚、エルピオでんきは、電力卸売市場の価格高騰により、令和4年4月30日をもって電力供給を停止しました

参考:エルピオでんき

あしたでんき(標準プラン)

あしたでんきは、東京電力のグループ会社です。

業界でも最安水準の電力会社ということで選ばれています。

九州電力エリアの「標準プラン」での基本料金は0円で、1kWhあたり23円00銭。

九州電気エリアではエルピオでんきが安くなっていますが、電気をよく使うご家庭のための「たっぷりプラン」を用意しており、この場合は基本料金は3,000円ですが、1kWhあたり18円50銭となっています。

月に約710kWh以上使用する場合は、「たっぷりプラン」がお得になります。

尚、北海道、四国、沖縄はサービスの対象外です。

契約期間内に中途解約しても解約金等の費用は発生しません。

尚、あしたでんきも、電力卸売市場の価格高騰により、令和4年6月30日をもって電力供給を停止しました

参考:あしたでんき

楽天でんき

楽天でんきは、楽天エナジー株式会社が提供するサービスです。

一人暮らしから家族まで一般的なご家庭や、小規模な事務所向けプランのプランSは、九州エリアの基本料金は0円で、1kWhあたり23円50銭。

電気代の安さでは、他の業者に劣る場合がありますが、楽天カードを持っていたり、楽天市場をよく利用する人には、ポイントがつきますのでお得になる場合もあります。

契約期間内に中途解約しても解約金等の費用は発生しません。

47都道府県全てに対応していますが20A以下の場合は契約できません。

楽天でんきも電力卸売市場の価格高騰により、電気料金が大きく改定されています

参考:楽天でんき

新電力会社比較

よく利用されている新電力会社を紹介してきましたが、地域によっては条件も変わってきますし、新電力事業に乗り出している企業も少なくありません。

そこで、一括比較サイトを利用するのもおすすめです。

サイト限定で特典もありますので是非、比較してみて下さい。勿論、無料でできます。

参考:電気料金一括比較|電気代を賢く節約-でんきの比較インズウェブ

新電力へ切り替える手続き(申し込み方法)

新電力へ切り替える手順は簡単です。

ネットで申し込んで切り替わるのを待つだけです。

今の電力会社への解約手続きは新電力会社が行ってくれますので私たちは解約手続きをする必要もありませんし、切り替え時に立ち会う必要もありません。

いつの間にか新しい電力会社に代わり、旧電力会社からの請求もストップします。

検針票とクレジットカードの用意

新電力への申し込みは、

  1. 現在契約している電力会社名
  2. 現在契約している電力会社のお客様番号
  3. 供給地点特定番号(電気の使用場所を特定するための全国一律数字22桁の番号)

などが必要になります。

現在、大手電力会社の電気を使用している場合は、これらは、毎月届けられる「検針票(電気使用のお知らせ)」に記載されていますので申し込みの際は、検針票を用意しておきます。

また、支払い方法がクレジットカード支払いのみというところも少なくありません。

お申込みの際はクレジットカードを用意しておくといいでしょう。

新電力会社への申し込み

新電力会社への申し込みはインターネットの申し込み画面から行います。

家のメーターが古い場合は、スマートメーター(通信機能を持っている新方式の電力メーター)への交換が必要になる場合があります。

スマートメーターの取り付けは大手電力会社が無料で行ってくれます。

切り替えに際して立ち合いも必要ありません

旧電力会社への解約手続きは必要なし

申し込み内容が確認され次第、新しい電力会社が切り替えの手続きが行われます。

現在契約中の電力会社は解約することになりますが、解約手続きは新しい電力会社が代わりに行ってくれるので自分で手続きをする必要はありません。

今契約している電気の契約停止は自動的に行われます。

勿論、電気契約の切り替え日に電気が止まるということも一切ありません。

以上で切り替えの手続きは終了です。

通常は、早ければ1週間、遅くとも1~2か月後から新しい電力が供給されます。

まとめ

以上、電力自由化とは何か?どういうメリットやデメリットがあるのか?また、おすすめの電力会社と乗り換えの手続きなどを解説してきました。

電力の品質も変わらず電力の供給も不安定になることはない、初期費用もかからないし、殆どの場合、電気料金が安くなる訳ですから乗り換えないという選択肢はありません。

今の契約や自分の電気の使い方などから電気会社選びだけしっかりしておけば、切り替え時から半永久的に家計の節約ができます。

申し込みもインターネットで簡単にできますので是非検討してみて下さい。