家計の節約を考える場合、最も効果的なものの一つが通信費の削減です。
電気代やガス代、水道代、食費といったものはとことん節約するのに、スマホ代や携帯代には月額1万円支払っているといった人は珍しくありません。
今使っているキャリアのスマホを、ワイモバイルやUQモバイル、mineoといった格安スマホに変えるだけで通信費は大幅に削減できるというメリットがあるのにです。
とはいえ、通信費の削減というメリットがあるのは分かっているけど、格安スマホに乗り換えるといっても何をどうすればよいかわからない、面倒くさそう・難しそう・・・。
結果、「まあいいか」と見過ごし続けてきた人も多いはずです。
実際、アンケートでも、価格が安くなるのは理解していても乗り換えない理由のトップは、「面倒くさそう・難しそう」という理由です。
そこで、ここでは、格安スマホへ乗り換えるメリット・デメリットと格安スマホへ乗り換えるには何をどうすればよいのかその方法を、私と同じシニアの方でもわかるように、できるだけ分かりやすく解説したいと思います。
真剣に通信費の削減を検討しているのであれば、是非これを機に、少し頑張って乗り換えを検討してみて下さい。
格安スマホへ乗り換えるメリットとデメリット
格安スマホへ乗り換えるメリット
格安スマホとは、簡単に言うと、スマートフォンと格安SIMがセットになったスマホです。
ユーザーは、料金の高い大手キャリアとの契約を解除して、自由に格安スマホ業者と契約し、格安スマホに乗り換えることができます。
格安スマホへ乗り換える最大のメリットは、料金が安くなることです。
格安SIMは、基本的に料金が安いことに加え、使用データ量に応じたプランが細かく設定されており、自分の使用スタイルに合った無駄の無いプランで契約することができます。
その結果、一般的に大手キャリアと比較して通信費が圧倒的に安くなります。
現在、大手キャリアで機種代金を除いて5,000円以上支払っているのであれば、格安スマホに乗り換えることで半額以下になるというのが一つの目安です。
勿論、電話番号も今までのものを引き続き使うことができます。
格安スマホへの乗り換えでどれくらい通信費を削減できるのか
格安スマホへの乗り換えでどれくらい通信費を削減できるのでしょうか。
auで毎月5,500円ほどかかっている私が、同じような契約条件でmineoに乗り換えた場合にどれくらい通信費を削減できるかシミュレーションしてみます。
私の場合は、データ容量も少なく電話も滅多にしないため非常に簡単です。
auで支払っている料金5,500円のうち1,700円は機種代金なのでその分は比較から除外します。
比較項目 | au | mineo |
---|---|---|
基本料金 | 新auピタットプランN 1GB:3,150円 |
auプラン:デュアルタイプ 3GB:1,510円 |
通話オプション | なし 30秒20円 |
なし 30秒10円 |
合計(税込) | 3,465円 | 1,660円 |
これまでauで最低限の契約で抑えていた私の場合でも、mineoに乗り換えれば月に1,700円ほど、年間にして21,600円ほど安くなります。
しかも通信容量は、1GBから3GBに増え、電話料金も30秒20円から30秒10円に。
私の場合、スマホは家のWi-Fiで使うだけ、電話は殆ど受けるだけかLINE電話、という特殊な事情があるので、普通の人が日常的に使う場合(データ容量6GB)のケースで比較してみます。
auは、7GBのプランでの比較です。
比較項目 | au | mineo |
---|---|---|
基本料金 | auピタットプラン 7GB:6,150円 |
auプラン:デュアルタイプ 6GB:2,190円 |
通話オプション | 通話定額ライト(1回5分以内の国内通話が24時間かけ放題) 700円 |
mineoでんわ(10分以内の国内通話がかけ放題) 850円 |
合計(税込) | 7,535円 | 3,345円 |
この場合は、mineoに乗り換えれば月に4,200円ほど、年間50,400円ほど安くなります。
一度、ご自分の契約で比較してみて下さい。
※表示されている価格は2020年10月現在のものでキャンペーンや割引等は加味していません。
プランと価格はコロコロ変わるため最新の価格は公式サイトで確認して下さい。
格安スマホへ乗り換えるデメリット
一方で格安スマホにもデメリットがあります。
店舗数が少ない
一つは、店舗数が少ないので店舗で手厚いケアを受けたり、大手キャリア独自のキャンペーンなどのサービスを受けたりすることができなくなります。
但し、格安スマホ業者といってもワイモバイルやUQモバイルなどのソフトバンクとauのサブブランドのように店舗を全国展開しているものもあります。
最新機種は扱っていない
殆どの格安スマホ業者がスマホ端末を取り扱っていますが、大手キャリアのように最新機種は取り扱っていません。
キャリアのメールアドレスが使えなくなる
また、当然のことですが、docomo.ne.jpなどのキャリアのメールも使えなくなります。
通信速度が遅くなることも
格安スマホ業者は、大手キャリアから回線を借りて運営しているとはいえ、管理のためにワンクッション置いたり、使える帯域が少なかったりするため、時間帯によっては、若干、通信速度が遅くなる場合もあります。
但し、ワイモバイルやUQモバイルのようなサブブランドは、ソフトバンクやauの回線をそのまま使っているため、高速通信を可能としています。
最終的には、自分の使用状況や店舗の利用状況、また、業者のサービスごとにこれらのメリット・デメリットを考慮して格安スマホへ乗り換えるか否か判断することになります。
格安スマホへの乗り換えはどうすればよいか
格安スマホへの乗り換えは決して難しくありませんが、例えば、
- 今のスマホそのまま使ってSIMだけ格安SIMに変える場合と
- スマホごと格安スマホに乗り換える場合
では、契約の仕方が変わり、それぞれ以下の作業が発生します。
SIMだけを格安SIMに変える場合
例えば、auで購入したスマホを引き続き使用し、SIMだけをmineoのSIMに変更するとします。
この場合、電話番号をそのままにする場合は、auからMNP予約番号を聞き出してmineoの公式サイトから格安SIMを申し込むことになります。
例えば、auで購入したスマホをもって電話番号はそのまま(MNP)でmineoの「auプラン」に乗り換えれば、同じ通信回線を使うことになりますのでSIMロックを解除する必要はありません。
SIMの差し替え作業とネットワーク設定だけで乗り換えが完了します。
そして、スマホを引き続き使用しますので、基本的にデータの移行等も発生しません。
電話帳もLINEもアプリも、撮った写真もスマホに保存されたままなのでそのまま使えます。この点は、SIMロックを解除しなければならないケースでも同じです。
しかし、auで購入したスマホに、docomoやsoftbankの回線を使うプランで契約したSIMを差し込むといった場合は、SIMの交換で、通信をする回線が異なってきますので、スマホ端末で回線を切り替える前にSIMロックの解除を行う必要があります。
SIMロックは、自分で各キャリアの公式サイトに記載されている手順書を見ながら行うこともできますし、店舗に持ち込んで解除してもらうこともできます(解除手数料が3,000円必要)。
但し、キャリアによっては、SIMロックの解除ができる端末の条件を、
- 2015年5月以降に発売された端末
- 購入から101日以上経過している端末
- SIMロック解除に対応した機種
- 契約者本人の購入履歴がある端末
- 端末代金の支払いを終えている端末
としているところもありますので契約者によってはSIMロックを解除できない場合があります。
この場合は、格安SIMは使えませんので事前に確認しておく必要があります。
SIMロックの解除といった面倒くさいことを回避したい場合は、SIMロックを解除しないでよい契約(同じ回線を利用するプラン)を結ぶことで解決できます。
格安スマホ:mineoへ乗り換える手順は下の記事で詳しく解説しています。
スマホごと格安スマホに乗り換える場合
例えば、auのスマホからmineoという格安スマホにスマホごと乗り換えるとします。
mineoには格安SIMだけでなくスマホ端末も販売されています。
この場合、電話番号をそのままにする場合は、auからMNP予約番号を聞き出してmineoの公式サイトからスマホ端末と格安SIMを申し込むことになります。
尚、auを解約してスマホごとmineoで契約することになるため、au側で端末の支払いが終わっているかどうかは注意が必要です。
通常、端末料金は24~48回払いで支払っているので乗り換えのタイミングによっては、機種代の支払いは終わってないかもしれません。
機種代の支払いは終わってない場合にauを解約してmineoでスマホごと契約する場合は、mineoで契約したスマホ料金とau側で残っているスマホ料金をダブルで支払うことになります。
データの移行
SIMがセットされた新しいスマホがmineoから送られてきますので、簡単なMNP転入切替・回線切替手続きをした後、旧端末から新端末へデータを移行する必要があります。
MNP転入切替・回線切替手続きが完了すると、新しい端末が使えるようになります。
移行するデータは、
- アドレス帳(電話帳)
- 写真・動画
- LINE(アカウント)
といったところでしょうか。人によってはその他アプリなどがあるかもしれません。
これらのデータは、容量が大きいのでWi-Fi環境を使って行います。
データの移行については、端末をiPhoneからAndroid端末に機種変更した時の手順をまとめていますのでそちらを参考にして頂ければと思います。
au内でのiPhoneからAndroid端末への機種変更ですが、端末が届いてからのデータの移行は同じ手順になりますので参考になります。
まとめ
以上、格安スマホへ乗り換えるメリット・デメリットと格安スマホへ乗り換えるには何をどうすればよいのかその方法を解説してきました。
基本的には、今の大手キャリアのスマホを格安スマホに乗り換えると、通信費を大幅に削減することができます。
これは、格安スマホ業者は、通信設備を大手キャリアから借り、店舗も人員も大手キャリアと比較すると随分少なく、回線設備などの維持に必要な費用やその他の経費・人件費がかからない分、SIMの契約料金を安く設定することができるためです。
また、格安スマホ業者が提供する商品には、色々なプランが用意されているため、電話が多い、データ通信が少ないといった自分の使用スタイルに合った無駄の無いプランで契約することができるという点も通信費を下げられる要因となっています。
格安スマホは、料金が圧倒的に安くなるといったメリットがある一方で、店舗の手厚いサービスが受けられなくなる、通信速度が遅い場合がある、といったデメリットもあります。
ただ、格安スマホ業者の料金やサービスのレベルは同じではありません。
料金や通信速度、カスタマーセンターの評価などを参考に選ぶようにします。