あん摩マッサージ指圧師試験の概要と独立開業にあたっての留意点

ここでは、あん摩マッサージ指圧師試験の概要と独立開業にあたっての留意点などを解説しています。

あん摩マッサージ指圧師とは?

あん摩マッサージ指圧師は、手のひら等であん摩、マッサージ、指圧という3つの手法を駆使して、患者さんの身体の不調を和らげるスペシャリストです。

国家資格である、あん摩マッサージ指圧師の資格を取得しなければマッサージによる施術は行うことができないとされています。

はり師・きゅう師の免許を同時に取得して針灸マッサージ師を目指す人が多いとされています。

捻挫や打撲などの急性のけがに対して施術を行う柔道整復師とは異なります。

あん摩マッサージ指圧師は、マッサージ店を開く開業権を得ることができるため、開業して働くことができますが、病院や治療院、福祉施設に勤めたり、スポーツトレーナーとしてや温泉・病院などのマッサージ師としても活躍できます。

あん摩マッサージ指圧師になるには

あん摩マッサージ指圧師になるには、高校を卒業後、文部科学大臣または厚生労働大臣認定の学校・養成施設(大学・短大・専門学校など)で3年以上必要な知識と技能を修得後、あん摩マッサージ指圧師の国家試験に合格する必要があります。

3年間の学費には500万円ほどのお金もかかります。

あん摩マッサージ指圧師試験の概要

受験資格

あん摩マッサージ指圧師の受験資格には細かい規定がありますが、基本的には、

  • 学校教育法の規定により大学に入学することのできる者であって、3年以上、文部科学省令・厚生労働省令で定める基準に適合するものとして、文部科学大臣の認定した学校又は厚生労働大臣の認定した養成施設において、あん摩マッサージ指圧師となるのに必要な知識及び技能を修得した者
  • 著しい視覚障害者については、学校教育法第57条の規定により高等学校に入学することのできる者で、3年以上上記の学校又は養成施設で必要な知識及び技能を修得した者

となっています。

試験日時

例年、出願は12月上旬~下旬で試験は2月の下旬に実施されます。

合格発表は3月下旬頃に行われます。

試験の方法と内容

試験の方法

午前・午後各75問(合計150問)の筆記試験が四肢択一のマークシート方式で行われます。

学校では実技も学びますが、国家試験に実技試験はありません。

尚、視覚障害者は申請により次の方法による受験が認められます。

  1. 拡大文字、超拡大文字又は点字による受験
  2. ①の方法と試験問題を録音したDAISY-CDの使用又は試験問題の読み上げの併用による受験。但し、文部科学大臣の認定した学校の長又は厚生労働大臣の認定した養成施設の長がやむを得ないと認めた者に限る
  3. 照明器具、読書補助具、点字タイプライター等の使用による受験

学科試験の試験科目

試験科目は以下の12科目です。

  1. 医学概論
  2. 衛生学・公衆衛生学
  3. 関係法規
  4. 解剖学
  5. 生理学
  6. 病理学概論
  7. 臨床医学総論
  8. 臨床医学各論
  9. リハビリテーション医学
  10. 東洋医学概論・経路経穴概論
  11. あん摩マッサージ師圧理論
  12. 東洋医学臨床論

科目の免除について

あん摩マッサージ指圧師を受験するのと同時に、はり師国家試験及びきゅう師国家試験を受験する場合は、申請により以下のいずれかの免除を受けることができます。

  • あん摩マッサージ指圧師国家試験を受験するのと同時にはり師国家試験を受験する場合、はり理論以外の共通科目は免除。
  • あん摩マッサージ指圧師国家試験を受験するのと同時にきゅう師国家試験を受験する場合、きゅう理論以外の共通科目は免除。

試験地

  • 晴眼者:宮城県、東京都、愛知県、大阪府、香川県、鹿児島県
  • 視覚障害者:各都道府県

試験の難易度

合格基準

150点満点中、90点以上で合格。

合格率

合格率は80~90%

2020年2月22日(土)に実施された試験の受験者数と合格率は以下のとおりです。

受験者数:1,432人

合格者数:1,213人

合格率:84.7%

受験手数料

11,600円

難易度と合格までの時間の目安

難易度: 易しい

高校を卒業後、3年以上学校に通う必要がありますので合格までに時間はかかりますが、試験自体の難易度はさほど高くありません。

合格までの学習時間の目安:200時間

参考:あん摩マッサージ指圧師国家試験の施行

あん摩マッサージ指圧師の独立開業にあたっての留意点

あん摩マッサージ指圧師は開業権が与えられているため、資格を取得すると個人でマッサージ店を開業することができます。

特別な機材も不要なので自宅の一室などで開業すれば開業資金を抑えることができます。

とはいえ、資格取得後、すぐに独立開業する人は殆どいません。

学校を卒業して資格を取得すると、まずは病院や治療院などに就職し、経験を積みながら開業資金を貯め、やれる自信とお金ができたところで独立開業します。

しかし、近年は、整体院やもみほぐし、リラクゼーションといった店舗が乱立しています。

これらのお店は、マッサージを行うことはできないとされていますが、殆ど変わらない施術をするところは少なくありません。

判断の難しいグレーゾーンとして放置されたままですのでそれらの店舗と競争していかなければならないことを考えると、独立開業しても非常に厳しいという現実があります。

また、アドバンテージとなるはずの健康保険の適用ですが、これも健康保険を取り扱うためには医師の同意が必要というステップが必要になるため、あまり普及していません。

しかし、あん摩マッサージ指圧師には、開業して働くだけでなく、マッサージ師としてお客様のところへ出向いて施術する訪問マッサージをすることも認められています。

病院や治療院、福祉施設などに足を運んで営業をして回れば、訪問マッサージ師として安定した収入を確保できるようになるかもしれません。

高齢化でこういった施設も増えていますので需要もあると思います。

この場合は、店舗も持つ必要もなくなり、体一つで独立できます。

あん摩マッサージ指圧師は定年後にも役立つ資格か

あん摩マッサージ指圧師の資格は定年後にも役に立ちます

自営でできますので定年という概念はありませんし、体力さえあれば定年後でも長く続けることができるためです。

しかし、定年後に3年間学校に通い、資格を取って独立するのは現実的ではありません。

時間もお金もかかりますし、技術だって初心者のままです。その状態で、激しい競争の中を戦っていくのは非常に厳しいと言わざるを得ません。

よく定年後に整体やリフレクソロジーの勉強をしてお店を開業する人がいます。

整体院やリフレクソロジーといったものであれば特に資格を取得することなく、自宅やマンションの一室を店舗としてすぐに始めることができるためです。

手技一つで独立できますが、殆どの人が2年と持ちません。

年金の足し程度に稼げれば問題ないのであれば、こういった独立の仕方も一つの手ですが、やはり、資格を取得した後でも数年間は整骨院や接骨院に勤務して接客やマッサージのスキルを磨いて独立しなければ生きていけないのが現実のようです。

そういった意味では、定年後にスタートするのは遅すぎ。定年後の独立を目指すのであれば、せめて50代の早いうちから独立を視野に取り組む必要があります。

尚、あん摩マッサージ指圧師以外の定年後に役立つ資格については、下の記事でまとめていますので参考にして頂ければと思います。

独立開業して成功するためには経営やマーケティングの知識や集客力も必要

あん摩マッサージ指圧師として、独立開業して成功するためには、施術の技術だけでなく、接客をはじめ、経営やマーケティングの知識やスキル、また集客力も必要になります。

患者へのちょっとした気遣いやマナーも売り上げには大きく影響しますのでそういった面にも注意していく必要があります。

尚、あん摩マッサージ指圧師以外に独立開業できる資格については、下の記事でまとめていますので参考にして頂ければと思います。