ここでは、インテリアコーディネーターとはどういう職業か、インテリアコーディネーター試験の内容や難易度などを解説しています。
インテリアコーディネーターとは?
インテリアコーディネーターは、公益社団法人 インテリア産業協会が認定する民間資格です。
インテリアに関する幅広い商品知識を持ち、インテリア計画や商品選択のアドバイスなどを行うインテリアの専門家です。
社会的認知度が高く、就職や転職において、また、実務においても、有資格者へのニーズは高いものとなっています。
インテリアコーディネーターは、顧客から、どういう空間をイメージしているのかをしっかりヒアリングし、室内の家具や照明、壁紙や内装、インテリア小物、カーテンなどのファブリックスなどをコーディネートすることで、住む人にとって快適な住空間を提案します。
そのためには、美的センスやコミュニケーション能力が必要になるほか、建築物の構造を把握し、住空間の中に家具などをちゃんと納めることができる製図の知識も必要になります。
また、顧客にイメージを分かりやすく伝えるプレゼンテーション能力も必要になります。
インテリアコーディネーターは、インテリアショップやインテリアメーカー、住宅メーカー、設計事務所、工務店、デザイン事務所などから需要がありますし、経験を積めば、フリーとして独立して活躍することもできます。
特に若い女性に人気のある資格で、資格取得者の約8割が女性と言われています。
インテリアコーディネーター | 評価 |
---|---|
受験資格 | なし |
就職・転職に役立つか | |
定年後の再就職に役立つか | |
独立に役立つか | |
難易度 | 普通 |
インテリアコーディネーターになるには?
インテリアコーディネーターは、必ずしも資格がないとできない仕事ではありませんが、働いている人の多くがインテリアコーディネーターの資格を取得しています。
資格取得者は、就職や転職に有利になりますし、仕事をする場合でも依頼主から信頼を得ることができます。
インテリアコーディネーター資格試験の概要
インテリアコーディネーター資格試験は、インテリアコーディネーターとして必要な知識及び能力を有するかどうかを判定することを目的として毎年1回実施されます。
一次試験と二次試験があります。
受験資格
年齢・性別・学歴・職業・経験は問いません。誰でも受験できます。
試験日時
例年、7月下旬から8月下旬にかけて願書が配布・受付され、
- 10月の第2日曜日に一次試験
- 12月の第1日曜日に二次試験
が実施されます。
二次試験は、一次試験に合格した方のみが受験できます。
試験の方法と内容
一次試験
160分(12:30〜15:10)マークシートによる択一式
試験は、以下の9つの分野から出題されます。
- インテリアコーディネーターの誕生とその背景に関すること
- インテリアコーディネーターの仕事に関すること
- インテリアの歴史に関すること
- インテリアコーディネーションの計画に関すること
- インテリアエレメント・関連エレメントに関すること
- インテリアの構造・構法と仕上げに関すること
- 環境と設備に関すること
- インテリアコーディネーションの表現に関すること
- インテリア関連の法規、規格、制度に関すること
二次試験
二次試験は、過去3年以内に一次試験に合格した方が受験できます。
180分(12:30〜15:30)記述式
二次試験は、プレゼンテーションと論文です。
- インテリア計画の提案に関することについて、プレゼンテーションと論文
受験地
一次試験、二次試験とも、北海道・岩手県・宮城県・群馬県・東京都・愛知県・石川県・大阪府・広島県・香川県・福岡県・沖縄県の全12地域で実施されます。
受験手数料
受験種別 | 受験料(税込み) |
---|---|
一次試験のみ受験する方 | 11,550円 |
同一年度内に一次試験と二次試験の両方の受験する方 | 14,850円 |
過去3年以内にすでに一次試験を合格済みで、二次試験のみ受験する方 | 11,550円 |
尚、同一年度内に一次試験と二次試験の両方の受験する方で、一次試験が不合格の場合でも受験料の一部返金はできません。
インテリアコーディネーター資格試験公式サイト
公式URL:公益社団法人 インテリア産業協会
科目の免除制度
条件 | 試験の免除 |
---|---|
一次試験に合格し、二次試験に不合格になった場合 | 次年度から3年間は一次試験が免除 |
一次試験の2科目のうち、1科目のみに合格した場合 | 次年度から3年間はその合格科目の受験が免除 |
インテリアコーディネーター資格試験は免除制度があるため再チャレンジしやすい試験です。
インテリアコーディネーターの難易度・合格率
インテリアコーディネーターの合格基準・合格率
合格基準
インテリアコーディネーターの合格基準は未公表です。
合格率
2021年度の実績でいうと、
一次試験は、受験者数9,640人中3,166人が合格。合格率は32.8%でした。
二次試験は、受験者数3,951人中2,334人が合格。合格率は59.1%でした。
一次試験と二次試験を合わせた全体の合格率は、約19.38%でした。
約8割は、女性の合格者です。
インテリアコーディネーターの難易度
難易度: 普通
合格までの学習時間の目安:300時間
インテリアコーディネーターの資格取得後の働き方
インテリアコーディネーターの仕事は、一般住居だけでなく、オフィスやホテル、レストラン、学校、公共施設などにも及びます。
従って、就職先も住宅メーカー、不動産会社、設計・デザイン事務所、リフォーム会社、建築会社、家具・照明メーカーなどと幅広く、需要も多いため職に困ることはあまりありません。
さらに今後は、高齢化社会に伴い、高齢者に優しいバリアフリー化の需要や、グローバル化が進むことに伴い、言語・文化・国籍などの違いや障害のあるなしに関係なく、誰もが理解し利用できるユニバーサルデザインの需要が増えてくることが予想されます。
従って、これからのインテリアコーディネーターは、美的センスやインテリアの知識、及びお客様やメーカーの営業マン・現場監督・現場の職人など、多くの人と一緒に仕事を進めていく時のコミュニケーション能力だけでなく、福祉系の知識も求められるようになります。
また、見積書の作成なども業務の一つなので基本的なPC操作もできなければなりません。
このように、インテリアコーディネーターは、実務を経験していくことで高いスキルを身につけることができますので、出産後や、育児から手が離れて社会復帰を目指す女性の再就職に大いに役立ちますし、資格を保有していると尚更復帰に有利になります。
また、インテリアコーディネーターの仕事は家庭でさまざまな家事を経験したことが仕事に活かせるという特徴があるため、他の仕事を経験した後に始める人が少なくないといいます。
さらに、実績を積んだ後には、フリーとして独立して働くこともできます。
インテリアコーディネーター以外の転職や独立に役立つ資格、また、受験資格が必要ない資格については、下の記事でまとめていますので参考にして下さい。