ここでは、家電製品アドバイザー試験の難易度や合格率などについて解説しています。
家電製品アドバイザーとは?
家電製品アドバイザーは、一般財団法人家電製品協会が主催する民間資格です。
複雑で高機能化している家電製品について、購入や使用の場面でお客様のよき案内役となる人材(アドバイザー)を豊富な学習カリキュラムと厳正な試験により認定する資格です。
資格には、家電製品アドバイザー(生活家電)と家電製品アドバイザー(AV情報家電)の2種類があり、2つに合格すれば家電製品総合アドバイザーの資格が授与されます。
生活家電とは、エアコンや冷蔵庫、洗濯機、掃除機などのような製品で、AV情報家電とは、テレビやDVDプレイヤー、オーディオなどの製品です。
資格を取得することで、家電製品の基本的な機能や使用方法、不良品・故障品が発生した際の対応方法、廃棄処理手段、また、消費者に合った家電選びのアドバイスや接客方法など、家電販売に関する幅広い知識があることが認定されます。
大手家電量販店の殆どが、家電製品アドバイザーの資格取得を推奨しています。中には、昇格の条件にしたり資格手当を出したりする量販店もあります。
また、お客様の信頼度を得たりイメージアップを図るために有資格者の顔写真やその数を店頭や広告チラシに掲載しているところもあります。
従って、資格の取得者は、家電量販店や電気店への就職・転職に有利になりますし、自分や家族・知人が家電を購入する際も役に立ちます。
尚、資格には5年間という有効期限があり、資格更新制度があります。
参考:一般財団法人家電製品協会
家電製品アドバイザー | 評価 |
---|---|
受験資格 | なし |
就職・転職に役立つか | |
定年後の再就職に役立つか | |
独立に役立つか | |
難易度 | やや易しい |
家電製品アドバイザー試験の概要
家電製品アドバイザーの試験には、
- 生活家電
- AV情報家電
の2種類があり、1度の試験で、両試験を受けることもできます。
それぞれの合格者は、家電製品アドバイザー(生活家電)と家電製品アドバイザー(AV情報家電)の資格が授与され、2つに合格すれば家電製品総合アドバイザーの資格が授与されます。
また、以下の条件(高得点)で合格した者には、特別称号(エグゼクティブ等級)が授与され、認定証が付与されます。
条件 | 特別称号 エグゼクティブ等級 |
---|---|
生活家電又はAV情報家電の商品知識とCS法規について、 両科目とも概ね90%以上で合格した場合 単一資格(AV情報家電または生活家電)のエグゼクティブ等級 |
ゴールドグレード |
生活家電とAV情報家電の商品知識とCS法規について、 3科目とも概ね90%以上で合格した場合 総合資格のエグゼクティブ等級 |
プラチナグレード |
CSとは、Customer Satisfactionの略で顧客満足という意味です。
すでに資格を保有する方が「エグゼクティブ等級」の取得を目指して受験できる仕組みを、「エグゼクティブ・チャレンジ」と言います。
受験資格
年齢・学歴・国籍・業務経歴等による制限はなく誰でも受験できます。
試験日時・試験地
家電製品アドバイザー試験は、例年、年2回、原則として3月と9月に実施されます。
3月試験の申し込み:例年12月上旬~1月下旬
9月試験の申し込み:例年6月上旬~7月下旬
試験は、東京、大阪、名古屋など全国22会場で実施されます。
試験の方法と内容
試験方法
CBT方式(Computer based testing)による5肢択一試験
試験 | 試験科目 | 時間 |
---|---|---|
家電製品アドバイザー(生活家電) | 生活家電商品知識・取扱と CS・法規 |
各科目 55分・15問 |
家電製品アドバイザー(AV情報家電) | AV情報家電商品知識・取扱と CS・法規 |
1度に生活家電商品知識・取扱、AV情報家電商品知識・取扱、CS・法規の3科目を受験することも可能です。
試験の内容
家電製品アドバイザー(生活家電) | 家電製品アドバイザー(AV情報家電) |
---|---|
商品知識・取扱
エアコン、空気清浄機、除湿機、加湿器、扇風機、換気扇・浴室暖房換気扇、冷蔵庫、電子ジャー炊飯器、電子レンジ、IHクッキングヒーター、ジャーポット・電気ケトル、ホームベーカリー・ジューサー、洗濯機・洗濯乾燥機、掃除機、ふとん乾燥機、アイロン、照明器具、エコキュート、温水洗浄便座、火災報知器、太陽光発電システム、スマートハウス、電源、電池、電気暖房器具、全項目 共通事項 |
商品知識・取扱
デジタル信号、テレビ放送、テレビ受信機、デジタルディスクレコーダー、デジタルビデオカメラ、デジタルカメラ、AVシステム・オーディオ機器、AV機器の接続・設定、ナビゲーションシステム、パソコン、プリンター、電話・ファクシミリ、インターネット・AVネットワーク、電池、電源・スマートハウス、防じん・防水 |
CS・法規(共通科目)
CS総論、礼儀・マナーの基本、販売前のCS、販売時のCS、販売後のCS、不具合発生時のCS、環境・省エネに関する法規、消費者とのコミュニケーションに際して留意すべき法規、独禁法および関連ルール、製品安全に関連する法規 |
受験手数料(令和4年実績)
試験科目 | 受験料 |
---|---|
CS・法規(共通)とAV情報家電、生活家電の両試験を受験(3科目) | 15,600円 |
CS・法規(共通)とAV情報家電、生活家電のいずれかを受験(2科目) | 9,400円 |
科目免除により、CS・法規(共通)、AV情報家電、生活家電のいずれか1科目を受験 | 6,200円 |
科目免除により、CS・法規(共通)、AV情報家電、生活家電のいずれか2科目を受験 | 12,400円 |
いずれも税込み
試験の免除
試験の結果、合格には至らなかったものの、いずれかの科目が合格に達した場合、科目合格者としてその後2回(1年以内)の受験に限り、合格基準に達した科目の試験は免除されます。
また、AV情報家電または生活家電のいずれかの資格を保有している方が、もう一方の資格試験を受験する場合、「CS・法規」の科目の試験は免除されます。
合格後の更新について
家電製品アドバイザー資格の有効期間は5年間です。
更新をするためには、5月1日が有効期限になっている方は前年の12月1日から翌年の3月31日までの4か月間、11月1日が有効期限になっている方は6月1日から9月30日までの間に家電製品協会のホームページ上で更新の申請をする必要があります。
更新の申請ページから申込後、インターネット上で学習できる「電子ブック・電子テスト」を利用して学習し、インターネット上で「資格更新試験」を受ける必要があります。
採点結果が合格レベルに達していると、有効期間が5年間延長された認定証が交付されます。
家電製品アドバイザー試験の難易度
家電製品アドバイザー試験の合格基準と合格率
合格基準
全ての科目で、概ね得点率70%以上が合格です。
合格率
生活家電、AV情報家電ともに合格率は例年、30%前後です。
家電製品アドバイザー試験の難易度
難易度: 易しい
合格までの学習時間の目安:200時間
合格率は30%前後と3人に2人は不合格となる試験ですが、試験問題が生活に直結しているため馴染みやすく、Amazonなどで参考書や問題集を購入して独学でも合格は可能です。
家電製品アドバイザー資格の活かし方
近年は、デジタル化やネットワーク化に伴って家電製品も複雑化しているため、家電の情報についてインターネットで調べるユーザーも少なくありません。
家電製品アドバイザーの資格を取得すると家電量販店等への就職や転職が有利になるほか、家電サイト等で専門家として執筆できるチャンスも出てきます。
接客が苦手という人でも自分で家電に関するサイトを立ち上げて、様々な家電をブログやアフィリエイトで分かりやすく説明することで訪問者の役に立つことができ、収入に結びつけることもできます。
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