ここでは、MOS(マイクロソフトオフィススペシャリスト)の試験内容やMOSは転職や定年後の再就職に有利か、などについて解説しています。
MOS資格とは?
MOS(Microsoft Office Specialist:マイクロソフトオフィススペシャリスト)とは、エクセルやワードなど、マイクロソフト オフィス製品のソフトの利用スキルが一定水準を満たしていることをマイクロソフトが認定するベンダー資格です。
国家資格ではありませんが、取得すれば一定のスキルがあることが世界的に証明される国際的な資格で、累計440万人以上が受験している人気資格です。
日本では各種資料の作成、議事録の作成、プレゼンテーション資料の作成は、エクセルやワード、パワーポイントといったマイクロソフトオフィスのソフトを使用している場合が殆ど。
求人の募集要項における「PCの操作ができる人」というのはエクセルやワードの操作ができる人と置き換えても良いくらいです。
あらゆるビジネスシーンで活用できるパソコンの利用スキルを客観的に証明することができるため、業種・業界問わず、大変人気のある資格の1つとなっています。
履歴書に書くことで就職や転職、再就職に有利になります。
MOS(一般レベル) | 評価 |
---|---|
受験資格 | なし |
就職・転職に役立つか | |
定年後の再就職に役立つか | |
独立に役立つか | |
難易度 | 非常に易しい |
MOS試験の概要
MOSの試験は、筆記試験等はなく、会場で実技試験のみが行われます。
MOS資格試験の試験科目は、Word、Excel、PowerPoint、Access、Outlookの5科目です。
そして、WordとExcelでは一般レベルと上級レベルの2レベルが用意されています。一般レベルは主に基礎レベルの問題が出題され、上級レベルは、より高度なスキルが問われます。
試験会場に用意されたパソコンを使用し、問題の指示に従って正しい操作が行うことができるかを判定します。
また、MOS試験は、マイクロソフト オフィス製品がバージョンごとに新しい機能が追加・改良されることからバージョンごとに試験を実施しています。
受験者は、得意なバージョンまたは、職場や自宅でお使いのOfficeバージョンで受験して構いませんが、新しい機能を使いこなせることを証明したい場合は、最新バージョンを受験することが推奨されています。
尚、一般レベル(スペシャリスト)に合格していなくても、上級レベル(エキスパート)を受験することができます。
試験科目 | バージョン | |
---|---|---|
一般レベル (スペシャリスト) の試験科目 |
上級レベル (エキスパート) の試験科目 |
|
Word (ワード) 文書作成ソフト |
Word 2019 Word 2016 Word 2013 |
Word 2019 エキスパート Word 2016 エキスパート Word 2013 エキスパート Part1 Word 2013 エキスパート Part2 |
Excel (エクセル) 表計算ソフト |
Excel 2019 Excel 2016 Excel 2013 |
Excel 2019 エキスパート Excel 2016 エキスパート Excel 2013 エキスパート Part1 Excel 2013 エキスパート Part2 |
PowerPoint (パワーポイント) プレゼンテーション ソフト |
PowerPoint 2019 PowerPoint 2016 PowerPoint 2013 |
– |
Access (アクセス) データベース 管理ソフト |
Access 2016 Access 2013 |
Access 2019 エキスパート |
Outlook (アウトルック) 電子メール・ 情報管理ソフト |
Outlook 2019 Outlook 2016 Outlook 2013 |
– |
試験は、同日3科目まで受験ができます。
なお、Excel 2013のエキスパートとWord 2013のエキスパートは、Part1とPrt2の2科目に分かれており、認定証の発行には、2科目とも合格が必要なので注意が必要です。
また、同じバージョンの試験のうち、規定の4つの科目に合格するとMOSマスターに認定され、認定証が発行されます。
一般レベルと上級レベルの違い
試験科目 | 一般レベルの対象 | 上級レベルの対象 |
---|---|---|
Word | 文字サイズやフォントの変更、表の作成・編集、作成した文書の印刷など、Wordでの基本的な編集機能を理解している方 | スタイル機能や目次・索引作成などの長文機能、他のアプリケーションソフトからのデータ取り込みなど、Wordでの高度な機能を理解している方 |
Excel | 数式や基本的な関数の作成、セルの書式設定、グラフ作成など、Excelでの基本的な操作を理解している方 | ピボットテーブルなどのデータ分析、条件付き書式や入力規則の設定、マクロの作成・編集など、Excelでの高度な機能を理解している方 |
受験資格
年齢・学歴・国籍・業務経歴等による制限はなく誰でも受験できます。
試験日時・試験地
MOSは試験、全国一斉試験と随時試験の2通りあります。
全国一斉試験
基本的に月に1~2回、日曜日に実施されます。
試験日・試験科目によって実施地域が異なります。
随時試験
随時試験は、全国約1,700の試験会場で実施されます。
試験日は試験会場ごとに設定され、ほぼ毎日試験を開催していますが、複数回受験する場合、2回目の受験は1回目の受験から24時間経っていなければ受験できないルールがあります。
試験の方法と内容
MOSの試験は、試験会場に用意されたパソコンを使用し、問題の指示に従って正しい操作が行うことができるかの実技試験のみが行われます(CBT)。
試験時間は50分です。
試験形式はバージョンごとに異なります。
2013は全体でひとつのプロジェクトを作成する形式、2016は大問ごとにひとつのプロジェクトを作成する形式となっています。
試験が終了したら、試験を受けていたパソコンの画面に、自分の正答率や合否が表示されます。
合格者には、受験後4~6週間で合格認定証が届きます。
受験手数料(令和4年実績)
一般レベルの試験及び上級レベルのPart1・Part2は、10,780円 学割価格:8,580円
Word、Excelの上級レベル(Part1・Part2を除く)は、12,980円 学割価格:10,780円
MOS試験の合格基準と合格率
合格基準
合格基準点は非公表ですが、700点が一応の基準と考えられています。
合格率
合格率は非公表ですが、一般レベル(スペシャリスト)の合格率は約80%、上級レベル(エキスパート)の合格率は約60%が一つの目安だといわれています。
MOS試験の難易度
難易度: 非常に易しい(MOS 一般レベル)
合格までの学習時間の目安:50時間
MOSのおすすめ講座
MOSのおすすめ講座は、ユーキャンのMOS講座です。
副読本テキストとDVD講義は要点がコンパクトにまとまっており、合格に必要なことを要領よく学ぶことができます。
参考:ユーキャンのMOS講座
MOSは転職や定年後の再就職に有利か?
オフィスワークにおいて、パソコンのスキルは必須です。
例えば、定年後の仕事として人気のオフィスワークの求人を見ると、殆どの場合、資格の欄に「PCが操作できる人」「ExcelやWordが操作できる人」といった要件が記載されています。
そういう現状があることからも、定年後の再就職としてオフィスワークを希望する場合は、ExcelやWordの操作について実用的な能力が認定されるMOS資格の取得は必須と言えます。
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