日商簿記検定2級の試験の概要や難易度

本サイトにはプロモーションが含まれています

ここでは、日商簿記検定2級の試験の内容や難易度などを解説しています。

日商簿記検定とは?

日商簿記検定とは、日本商工会議所が主催している公的資格で、簿記に関する技能を検定する試験です。

企業の経営活動を記録・計算・整理して、経営成績と財政状態を明らかにする技能を身につけることを目的に実施されています。

日商簿記検定試験は、初級、3級、2級、1級とレベルがあり、スキルの基準は以下の通りです。

レベル スキルの基準
1級 大企業の経理担当者および経理事務員を対象として実施される大学専門レベルの試験。高度な商業簿記・会計学・工業簿記・原価計算を習得しているか問われます。合格すると税理士試験の受験資格が得られます。
2級 商・工企業における経理担当者および経理事務員を対象として実施される高校商業科卒業レベルの試験。商業簿記および工業簿記(原価計算を含む)に関する知識が問われます。
3級 個人企業における経理担当者または経理補助者を対象として実施される高校商業科1年生レベルの試験。商業簿記の基礎的な知識と基本的な会計処理方法が問われます。
初級 広く社会人全般を対象に実施される入門レベルの試験。簿記の基本用語や複式簿記の仕組みが問われます。

※2017年4月から4級が廃止され、代わりに初級が設定されました。

他の簿記検定との比較

簿記の検定には、「日商簿記」のほか、「全商簿記」「全経簿記」などがあります。

しかし、知名度が高く最も人気のあるのが日商簿記です。

日商簿記と他の簿記検定と難易度を比較した場合、以下の通りとなります。

日商簿記 全商簿記 全経簿記
日本商工会議所主催 全国商業高等学校協会主催 全国経理教育協会主催
1級 上級
2級 1級 1級
3級 2級 2級
初級 3級 3級

このように、日商簿記検定2級は、他の簿記検定の1級の難易度に相当します。

日商簿記検定2級は、企業が求める資格のランキングや人気資格ランキングなどを見てみると必ずといっていいほど上位にランクインしており、就職・転職の際、企業にアピールできます。

ここでは、日商簿記検定2級について解説します。

日商簿記検定2級 評価
受験資格 なし
就職・転職に役立つか
定年後の再就職に役立つか
独立に役立つか
難易度 やや難しい

日商簿記検定2級試験の概要

日商簿記検定2級は、3級試験では出題されない工業簿記が出題されます。

基礎レベルとされる3級合格後にスキルアップとして挑戦する方が多いのが2級です。

特に会計事務所や経理事務所など経理業務に関する求人が多く、2級合格者以上は転職や就職において有利になります。

受験資格

受験資格は必要ありません。

年齢、学歴、国籍、性別、実務経験等に関係なく誰でも受験できます。

予め3級を取得しておく必要もありません。

試験日時

受験申込期間および受験申込場所は、各地の商工会議所、試験施行機関によって異なります。

試験は例年、

  1. 2月の第4日曜日
  2. 6月の第2日曜日
  3. 11月の第3日曜日

の3回実施されています。

申込期間・合格発表日は、各商工会議所によって異なりますので、約3カ月前を目途に受験希望地の商工会議所等にお問い合わせください。

試験の方法と内容

試験は、商業簿記と工業簿記(原価計算含む)で時間は120分です。

問題 問題の内容 配点
第一問 商業簿記仕訳(5問) 20点
第二問 【頻出論点】連結会計・株主資本等変動計算書 20点
第三問 【頻出論点】損益計算書・貸借対照表・本支店会計 20点
第四問 問1:工業簿記仕訳(3問)
問2:個別原価計算・総合原価計算・部門別計算
28点
第五問 【頻出論点】直接原価計算・標準原価計算差異分析 12点

試験は、全国の商工会議所が指定する会場で実施されます。

受験手数料

日商簿記検定2級 4,720円

日商簿記検定2級の難易度

合格基準

商業簿記(配点60点)と工業簿記(配点40点)の合計100点で、70点以上が合格です。

競争試験ではないため、合格基準に達していれば全員合格となります。

合格率

日商簿記検定は競争試験ではないため、2級の合格率も15%~30%とまばらです。

令和4年11月の日商簿記検定2級の試験は、15,570名が受験して3,257名が合格。

合格率は20.9%でした。

日商簿記検定2級の難易度

難易度: 普通

合格までの学習時間の目安:350時間(3級合格者であれば200時間)

市販の教材で合格することも十分可能ですが、教材の選び方や勉強の進め方で学習時間が左右されます。

効率よく学習したい方は通信講座を利用するのもおすすめです。科学的・合理的・経済的に日商簿記検定試験の合格が目指せます。

簿記

日商簿記検定2級を取得すると転職や定年後の再就職に有利か?

会社が存在する限り、経理や会計の仕事も必ず存在します。

そのため、あらゆる業種において経理や会計の求人があります。

日商簿記検定2級の知識があれば、中規模の企業についての会計知識を持っているとみなされ、実務で即戦力となれますので、企業側も税務会計スタッフとして募集する場合は、簿記2級以上を必須、または優遇とする求人も少なくありません。

また、簿記の知識が身につくと、コストや売り上げに関する意識も変わってくるため、企業の経理事務関係のみならず、営業職や企画職で働く場合も評価されます

このようなことから、日商簿記検定2級合格者は、学生や社会人の場合は、就職や転職に有利に働きますし、高校生の場合は、大学の推薦入学に有利になります。

経験者はさらに需要が多くシニアの経理経験者の紹介に特化した派遣企業も存在するほどです。定年後の再就職においても日商簿記検定2級の資格は強力な武器になります

尚、本格的に経理・会計の道に進む場合は、上位資格に税理士や公認会計士がありますが、日商簿記検定1級の合格者は、税理士の受験資格が得られます

学歴などの条件を満たしていない方の多くが日商簿記検定1級の合格を経て税理士試験に挑戦しています。