ここでは、宅建マイスターとはどういう職業か、また、宅建マイスター認定試験の難易度や合格率などを解説しています。
宅建マイスターとは?
宅建マイスターは、不動産取引におけるリスクを予見し、緻密かつ丁寧な調査を行い、それを重要事項説明・契約書に反映し、売主買主に対して十分な説明の後、両者納得の上、不動産取引を成立させる能力を有する宅地建物取引のエキスパートです。
宅地建物取引士であることは当然として、より高度な能力を持つ資格者が求められ、宅建マイスターという資格が誕生しました。
一定の経験を積んだ宅建士のみが受講・受験できるいわば上級宅建士です。
資格認定がスタートした2014年当初は、通信講座と集合研修を受講した上で、修了試験に合格した方を「宅建マイスター」と認定してきましたが、2017年8月より試験制度に移行されました。
宅地建物取引士は国家資格ですが、宅建マイスターは、(公財)不動産流通推進センターが主催する民間資格です。
尚、宅建マイスター認定後は5年ごとの更新が必要です。
宅建マイスター | 評価 |
---|---|
受験資格 | あり |
就職・転職に役立つか | |
定年後の再就職に役立つか | |
独立に役立つか | |
難易度 | 普通 |
宅建マイスターになるには、宅建マイスター認定試験に合格する必要があります。
宅建マイスター認定試験の概要
宅建マイスターは、(公財)不動産流通推進センターが主催する民間資格です。
受験資格
宅建マイスターの受験資格は、現在、宅建業に従事している方の内、以下の要件のいずれかを満たしている方で、試験当日、有効な宅地建物取引士証を提示できることが条件になります。
- 宅地建物取引士証取得後、5年以上の実務経験を有していること
- 実務経験は5年未満だが、下記の要件の内いずれかを満たしていること
要件 | 実務経験5年以上の方 | 実務経験5年未満の方 |
---|---|---|
宅建マイスター入門研修 (会場受験コース)修了者 |
10点加算 | 実務5年以上とみなす |
フォローアップカレッジ 20単位取得者 |
||
不動産流通実務検定 スコア600点以上の方 |
実務経験5年以上の⽅は、上の要件の内いずれかを満たすことで、試験において10点加算を得ることができます。
フォローアップカレッジ20単位取得は、取得した単位を繰り越して次回以降の宅建マイスター認定試験の要件にすることはできません。
不動産流通実務検定スコアとは、安心・安全な不動産取引に必要な「実務知識」「行動規範」「実戦応用力」が身に付いているかを測る不動産流通業務の新指標。1000点満点の得点と8科目の科目別正答率で現在の実力を判定します。
試験日時
試験は年1回、記述式試験が実施されます。
例年、10月上旬から翌年の1月上旬まで受け付けされ、試験は、1月下旬に実施されます。
2023年は、受験期間:2023年10月2日(月)10:00~2024年1月10日(水)17:00まで受け付けされ、試験は、2024年1月24日(水)13:00~15:00に実施されます。
試験地は東京と大阪のみです。
試験の方法と内容
記述式試験。以下の科目から出題されます。
- コンプライアンス
- 売買契約
- 重要事項説明
第2回試験までは択一式もありましたが、第3回試験から記述式のみに変更されました。
受験手数料
15,000円(税込)
宅建マイスター認定試験の難易度
合格基準
合格基準は非公開です。
合格率
宅建マイスター検定試験の合格率は例年40%前後で推移しています。
2023年1月25日に実施された試験は、受験者数が104名に対して58名が合格。
合格率は55.8%でした。
合格率だけを見れば難易度はさほど高くないようですが、受験者は宅建士の資格を取得し、実務経験を積んだベテランなので決して低いハードルとは言えません。
宅建マイスター検定試験の難易度
難易度: 普通
合格までの学習時間の目安:400時間(未資格からの時間)
宅建マイスターは独立におすすめの資格か
宅建マイスターを取得するメリット
宅建士を持っているのに宅建マイスターを目指す理由は何でしょうか。
一つは宅建士の上級職として認められることがあります。
差別化が図れる点ではメリットとなります。
また、宅建マイスターに合格すると、宅建マイスターのメンバーズクラブに入会することができるため、最新の相談事例を学習・共有できたり、勉強会に参加することができます。
さらに、宅建マイスターとして登録すると、不動産流通推進センターが実施する「宅建登録実務講習」の講師資格が得ることができます。
宅建士としての業務以外にも、仕事の幅を広げることができるのはメリットです。
宅建マイスターは独立しやすい資格
宅建マイスターは宅建士と同じく比較的独立がしやすい資格です。
開業するには、宅建士と同じく事務所費や仕事を行うための通信設備やパソコン、電話といった費用や保証協会加入料や宅建協会加入料なども必要になりますので300万円ほどは必要になります。
宅建マイスターは宅建士としての実務経験がありますので、営業のコツも掴んでいると思います。顧客の獲得に励めば短期間で収入になるかもしれません。