ウェブデザイン技能検定は就職や転職、独立に有利か

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ウェブデザインの国家資格があることをご存じでしょうか?

知名度が低いのですが、ウェブデザイン技能検定というのが国家資格です。

ここでは、ウェブデザイン技能検定の内容や難易度、また、ウェブデザイン技能検定の資格を持つと転職や再就職、独立に有利か、などを解説しています。

ウェブデザイン技能検定とは?

ウェブデザイン技能検定は、特定非営利活動法人「インターネットスキル認定普及協会」によって実施される、ウェブサイトのデザイン(設計)に必要な知識やスキルを問うウェブデザイン業界唯一の国家資格です。

ウェブデザイン技能検定は、高度な技能や専門的知識を持った人材の確保がますます重要となっていることを背景に、2007年度に技能検定を実施する職種に追加されました。

ウェブサイトの構築やデザイン設計の技術を客観的に評価する検定試験として、企業や教育機関などに就職・転職する際のスキル評価の目安となることが期待されています。

ウェブデザイン技能検定には、1級、2級、3級があり、1級の合格者には厚生労働大臣より、2級及び3級の合格者には協会理事長より、ウェブデザイン技能士の合格証書が発行されます。

ウェブデザイン技能士は、合格者でなければ名乗ることは出来ない名称独占資格です。

ウェブデザイン技能士2級 評価
受験資格 3級 なし
就職・転職に役立つか
定年後の再就職に役立つか
独立に役立つか
難易度 やや易しい

ウェブデザイン技能検定試験の概要

ウェブデザイン技能検定試験には、レベルに合わせて3級、2級、1級があります。

受験資格

各等級の条件のうち、いずれかひとつに該当していれば受検できます。

等級 受験資格
3級
  1. ウェブの作成や運営に関する業務に従事している者及び従事しようとしている者
    (つまり、誰でも受験できます)
2級
  1. 3級の技能検定に合格した者
  2. 2年以上の実務経験を有する者
  3. 職業高校、短大、高専、高校専攻科、専修学校、各種学校卒業又は普通職業訓練修了した者
  4. 大学を卒業した者
  5. 高度職業訓練を修了した者
1級 【学科試験】

  1. 2級の技能検定に合格した者であって、その後2年以上の実務経験を有する者
  2. 7年以上の実務経験を有する者
  3. 職業高校、短大、高専、高校専攻科、専修学校、各種学校卒業又は普通職業訓練修了後、5年以上の実務経験を有する者
  4. 大学卒業後、3年以上の実務経験を有する者
  5. 高度職業訓練修了後、1年以上の実務経験を有する者

【実技試験】

  1. 1級の技能検定において、学科試験に合格した者

3級は受験資格が必要ありません。

その他の受験資格のない資格は下の記事でまとめています。

実務経験とは

2級以上で問われる実務経験とは、Webの作成や運営に関する業務に携わった経験のことで、IT関連企業等に勤務しているかどうかは関係ありません。

個人等で目的を持って他者への情報発信のためにウェブサイトを作成し、継続した運用、更新、管理を行ったり、ウェブサイトを個人で作成し、企業等に導入、運用、管理等を行った方なども実務経験に含まれます。

学校卒業や訓練修了とは

学校卒業、訓練修了については、卒業あるいは修了した該当科に協会が定めたウェブの作成や運営に関する科目等が含まれると協会が認めたものに限るとされています。

実務経験や学校卒業は、受検申請書に記載するだけで特に証明書は必要ありません。

但し、受検資格の確認の為、受検申請後に審査の段階で本人に照会する場合があり、回答できない場合は申請は不受理となります。

試験日時

試験は、2級、3級については年4回、1級については年1回(学科と実技に分けて)行われます。試験日程、試験実施予定地域の詳細については、下記のページを参照して下さい。

参考:試験日程(ウェブデザイン技能検定)

試験の方法と内容

試験は、等級別に下記の要領で実施されます。

試験時間と出題形式

等級 試験時間 出題形式
3級 学科45分 実技60分 【学科】
筆記試験(マーク方式):「多肢選択法」「真偽法」形式
【実技】
課題選択方式
2級 学科60分 実技120分
1級 学科90分 実技180分
ペーパー実技60分

学科試験の試験科目

1級から3級まで試験科目は共通(範囲は各級によって異なります)

  1. インターネット概論
  2. ワールドワイドウェブ(WWW)法務
  3. ウェブデザイン技術
  4. ウェブ標準
  5. ウェブビジュアルデザイン
  6. ウェブインフォメーションデザイン
  7. アクセシビリティ・ユニバーサルデザイン
  8. ウェブサイト設計・構築技術
  9. ウェブサイト運用・管理技術
  10. 安全衛生・作業環境構築

実技試験

ウェブサイトの構築と運用管理に関する問題

原則として、受検者がパソコンを持参し、指定されたウェブサーバ、ウェブプログラミング環境、ウェブコンテンツ作成用ソフトウェアを使用して与えられた課題を仕上げる課題選択方式。

受験手数料

等級 学科 実技
1級 8,000円 25,000円
2級 7,000円 16,000円(25歳以上)
7,000円(25歳未満の在職者)
3級 6,000円 8,000円 (25歳以上)
3,000円(25歳未満の在職者)

令和4年度第1回試験より、試験実施年度の4月1日において25歳未満の在職者の方は実技試験の受検手数料が減免となります。

合格基準・合格率

合格基準

学科試験:100点満点中、70点以上

実技試験:100点満点中、70点以上
(但し、各作業分類において配点の60%以上の得点を得ること)

合格率

3級が60~70%ほど、2級が30~40%ほど、1級が10~20%ほどです。

ウェブデザイン技能検定試験の難易度

難易度(2級): やや易しい

合格までの学習時間の目安:200時間

試験の難易度は、同じIT関連の資格では、情報処理技術者試験のITパスポート試験と同等と考えていいでしょう。

ウェブデザイン技能検定は就職や転職に有利か?

ウェブデザイン技能検定は、現時点では知名度が低いこともあり、資格を保有しているからと言って就職や転職に有利とは言い難いのが実態です。

新卒者がウェブデザイン関連の会社に就職を希望するのなら、資格は熱意という部分で評価の対象となる場合がありますが、それ以外はあまり役には立たないのが現状です。

即戦力を求める企業でのウェブデザイナー採用試験では、実際にホームページを作成させたり、就職希望者が予め製作したホームページを確認したりと、その場で目に見える実力で判断される場合が殆どです。

それでも、中には資格を参考に採用する企業もありますので、少しでも就職や転職を有利にしたいのであれば、デザイン能力も問われる2級、特に1級に合格しておいてもいいでしょう。

ウェブデザイン技能検定を取得すると独立に有利か?

一方、例えば自分でホームページの作成を請け負う事業を始めといった場合は、サンプルのホームページをいくつか用意するだけでなく、こういった肩書も活用することで信頼度が増し有利に働くことがあります。

そういう意味では、ウェブデザイン技能検定は、就職や転職に有利というより、実力がものをいう独立に有利な資格と言うことが言えるかもしれません。

近年は、特にホームページを作成する技術がなくても、全くの素人でもWordPressというもので簡単にウェブサイトが構築できてしまいます。

しかし、より美しいデザインにしたり、独自の機能を付け加えたいといった場合は、やはり、HTMLやCSSなどの知識が必要になります。

ウェブデザイナーとして独立する、また、副業としてウェブサイトの作成を手掛けたいといった場合は、WordPressの知識とウェブデザイン技能検定の学習で蓄えた知識が大いに役立ちます。

ウェブデザイン技能検定は定年後の起業に役に立つか

定年後にWebデザイナーとして独立する場合もこの資格が役に立つと思われます。

私の知人で、Webデザイナーとして独立している人がいますが、年齢は丁度、60歳です。

特に専門学校に通ったり、通信教育を受けた訳ではありませんが、アフィリエイターから派生して得た知識で、58歳で独立開業を果たしました。

今では二人の社員を雇ってネットと口コミで営業をかけながら成長しています。

資格を営業ツールとして活用すれば、さらに業績を伸ばすことができるかもしれませんが、こういった技術があれば、定年後でも最小限のリスクで独立することが可能です。

難しい資格を取得して独立するよりこのような資格を取得して、うまく営業していく方が成功する確率が高いかもしれません。