不眠症を改善するための12の習慣

本サイトにはプロモーションが含まれています

寝付きが悪くていつまでたっても眠れない、夜中に何度も目が覚めてしまい場合によってはそのまま眠れないこともある、朝早く目覚めてそれから眠れない、そういう睡眠障害を持っている人は少なくありません。

実際、日本人の5人に1人は不眠の症状を感じているといわれています。

ここでは、そういった不眠症(睡眠障害)を改善するための12の習慣(睡眠の質をよりよくする方法)を紹介しています。

私自身、10年以上不眠症に悩まされ、その手の薬も随分試してみました。様々な本を読み漁りここに書いてあることを試した結果、今は薬なしでしっかり眠れるようになりました。睡眠で悩んでいる人は是非、一度目を通して頂ければと思います。

不眠症とは

不眠症とは、

不眠症の種類 症状
入眠障害 床に入ってから寝付くまでに30分~1時間以上かかる
中途覚醒 眠りが浅く睡眠中に何度も目が覚め、その後眠れない。中高年でより頻度が高いといわれています
早朝覚醒 本来の起きる時間より早期に目が覚めて、その後眠れない。高齢者に多く見られます。
熟眠障害 ぐっすり眠れたという満足感が得られない

など、いずれかの睡眠問題が1ヶ月以上続き、日中に倦怠感・意欲低下・集中力低下・食欲低下などの不調が出現する病気です。

不眠の原因はストレス・こころやからだの病気・薬の副作用、睡眠を妨げる環境にある、などさまざまで、原因に応じた対処が必要です。

参考:e-ヘルスネット 厚生労働省

不眠症のリスク

徹夜を経験した方ならおわかりだと思いますが、1日でも眠らなければ、注意力が散漫になったり、認知機能や記憶力も低下してしまいます。

私は2日連続の徹夜までしか経験をしたことがありませんが、確かに注意力が散漫になり、思考力や集中力も落ちたり、目の焦点が定まらなかったりしました。

私の場合、それ以上の断眠は未知の世界ですが、スタンフォード大学のウィリアム博士観察のもとランディ・ガードナー氏が実施した断眠実験では、4日目には妄想、6日目には幻覚が出現したり、9日目には視力低下や被害妄想になったといいます。

徹夜をしたり2日も3日も眠らなければパフォーマンスの低下ははっきり体験できますが、慢性的に不眠症の状態にある場合も身体や脳に悪影響があることがわかっています。

具体的には、

  1. 思考力が低下する
  2. 集中力・判断力・記憶力が低下する
  3. 認知症(アルツハイマー症)のリスクが高まる
  4. 免疫力が低下する
  5. ストレスや不安を感じやすくなる
  6. 鬱病を発症しやすくなる
  7. 太りやすくなる
  8. 細胞レベルで老けやすくなる
  9. がんや糖尿病、心筋梗塞、狭心症、高血圧などの生活習慣病の発症リスクが高まる

といったことが研究で報告されています。

最適な睡眠時間は何時間か

基本的な問題として、まず最適な睡眠時間はどれくらいでしょうか。

人によっても年齢によっても、また季節によっても変わってきますが、30代から60代の人は6時間半から8時間の睡眠時間を取ることが望ましいということがわかってきています。

中年以降は眠る力が衰えてきますが、それでも7時間位は眠った方が良いとされています。

そして、睡眠不足もNGですが、睡眠のとり過ぎもよくないことが分かっています。

米国で110万人以上を対象にして行われた追跡調査では、睡眠時間が7時間台の人に対して、3時間台の場合の死亡リスクは約1.2倍となり、9時間台でも同様に約1.2倍、10時間を超えると約1.34倍になったという結果が出ています。

また、同じく米国で行われた糖尿病の発症リスクの調査についても、睡眠時間が6~7時間の男性に対して、睡眠時間が5時間以下の男性は糖尿病に1.95倍かかりやすく、睡眠時間が8時間を超えている男性は3.12倍と、さらに高い確率で糖尿病に罹患したとの調査結果があります。

世の中にはショートスリーパーといって毎日5~6時間以下でも日中のパフォーマンスを普通に発揮できる人がいますが、これは遺伝性が高くごく少数と考えられています。

現在、ショートスリーパー固有の遺伝子は2種類見つかっており、この遺伝子を持っている人は10万人のうち4人ほどだといわれています。

大多数の人間の適正睡眠時間が6~8時間であることから、普通の人は短眠法などは実践せずこの範囲内の睡眠をとる方がいいでしょう。

睡眠の役割

では、睡眠の役割とは何でしょうか。

適切な睡眠には、不眠症のリスクでも記載した項目を抑制するとともに、

  1. 脳や身体の休養と疲労を回復し不要な老廃物が蓄積することを防ぐ
  2. 記憶を整理して定着を促す
  3. 傷ついた細胞を修復し身体の成長を促す
  4. 免疫力を高める

といった重要な役割あります。

一つ一つ簡単に説明します。

脳や身体の休養と疲労の回復し不要な老廃物が蓄積することを防ぐ

睡眠には、脳や身体を休養させて疲労回復させる働きや、保守作業として不要な老廃物(アルツハイマー病の原因と言われているアミロイドβというタンパクなど)を脳脊髄液中へと洗い流し、これが脳に蓄積することを防ぐ働きがあります。

アミロイドβが貯まると、神経細胞を変形させ、認知症が起こるリスクが高まりますので睡眠は認知症予防の働きもあります。

記憶の整理・定着を促す

睡眠中、脳は、日中の体験から得た感情や事柄を整理し、必要な情報を定着させたり、不必要(嫌)な記憶を消去したりします。

従来、レム睡眠の時に体験から得た感情や事柄を整理し、記憶として定着させると言われてきましたが、近年は、浅いノンレム睡眠でも現在の記憶と過去の記憶を結合する働きがあり、深いノンレム睡眠で嫌な記憶を消去する働きがあるという説も出てきています。 

レム睡眠とノンレム睡眠については下の方で解説しています。

傷ついた細胞を修復し身体の成長を促す

睡眠中、深いノンレム睡眠が得られると成長ホルモンが分泌されます。

成長ホルモンの分泌は時間帯によるものではなく、寝始めの最初の90分以内に訪れるノンレム睡眠時に一番多く(夜間、分泌される量のおよそ80%)分泌されます。

成長ホルモンは、身体の成長のほか、筋肉や骨、皮膚、内臓、各器官などの細胞のダメージを修復して回復を促し、代謝調節を促しますが、加齢とともにその分泌量は減少していきます。

質の良い睡眠をとることで、成長ホルモン分泌の減少を最小限に抑えることができます。

免疫力を高める

睡眠前から睡眠期前半にかけて多く分泌されるメラトニンという睡眠ホルモンは、免疫の主要な働きを担うTリンパ球をたくさん作らせて感染症を治癒に向かわせる働きがあります。

実際、睡眠時間が短くなるとウィルスに感染しやすくなることが実験で証明されています。

メラトニンは、日中に分泌されたセロトニンから夜に作られますが、加齢とともにその分泌量は減少していきます。

レム睡眠とノンレム睡眠の役割

ここで、上でも出てきたレム睡眠ノンレム睡眠について解説します。

睡眠は、レム睡眠とノンレム睡眠の2つの睡眠状態で構成されています。

レム睡眠は、身体は休息した状態ですが、脳の活動は起きている状態に近い状態です。

金縛りを体験するのもレム睡眠の時だと言われています。

ノンレム睡眠は、脳は休息した状態ですが、全身の筋活動は行われている状態です。ノンレム睡眠は、眠りの深さによって3段階から4段階に分類されます。

レム睡眠 ノンレム睡眠
身体は休息した状態で、脳の活動は起きている状態に近い状態 脳は休息した状態で、全身の筋活動は行われている状態(寝返りなどで疲労部位を回復)
眼球が活発に動き夢を見たりする 1段階:小さな音で目覚めてしまう浅い眠り
2段階:軽い寝息を立てる程度の浅い眠り
3段階:声や物音がなっても目覚めない深い眠り
情報の整理、統合が起こって記憶が定着 浅いノンレム睡眠で現在の記憶と過去の記憶を結合し、深いノンレム睡眠でいやな記憶を消去する

一晩の眠りではノンレム睡眠とレム睡眠が90~120分間隔で交互に数回繰り返されます。

正常な睡眠の場合には入眠初期に深いノンレム睡眠が観察され、明け方に向けてレム睡眠が長くなって、目覚める準備が整います。

一晩の中で最も深く眠っているのは、入眠してから最初の90分間ほどに訪れるノンレム睡眠時です。この最初のノンレム睡眠時は黄金の90分と言われ、疲労回復やホルモンバランスの調整を行う成長ホルモンが睡眠中で最も多く分泌されます。

そして、ノンレム睡眠でできるだけ深く眠ることが、その後の睡眠リズムを整え、睡眠全体の質を向上させることができます。

不眠症を改善するための12の習慣

以上のように、適切な睡眠は健康に生きていくために欠かせないファクターです。

しかし、なかなか寝付けないから、夜何度も起きてしまうから、といって安易に睡眠薬などに手を出すのはよくありません。どういう薬にも例外なく副作用があります。

まずは、日ごろの生活習慣を見直してみましょう。

できることをやっても眠れないようであれば、クリニックなどに相談してみましょう。

薬などに頼らず眠れるのが一番いいのですが、睡眠不足のままほおっておくのであれば、薬に頼って眠った方がいいと言われています。

薬に頼らず眠れる > 薬に頼って眠れる > 眠れない

不眠症で悩んでいる人にその改善策としておすすめの習慣は以下の通りです。

  1. 朝、決まった時間に起きて太陽の光を浴びる
  2. 朝食を摂る
  3. 寝る90分前にお風呂から上がる
  4. 睡眠に適した寝室の温度や湿度にする
  5. ストレスをためない
  6. 適度な運動をする
  7. カフェインは控える
  8. 就寝前はブルーライトを避ける
  9. 就寝前は飲酒や水分の補給、喫煙を控える
  10. 重いブランケットを掛けてみる
  11. ベッドに入ったら他の事をせず寝る
  12. サプリメントを活用する

それでは、おすすめの習慣をひとつづつ紹介していきます。

1.朝、決まった時間に起きて太陽の光を浴びる

体内時計を整えて睡眠の質をよくする

体内時計という言葉がよく聞かれますが、実際、人には、体内時計(サーカディアンリズム:概日リズム)があり、時計遺伝子がこの体内時計を生み出しています。

この体内時計の周期は個人差はありますが、24時間10分ほどと言われており(以前は25時間と言われていました)、地球の1日の時間とは約10分間のずれがあります。

この体内時計の周期と地球の24時間の周期とのずれを修正することができない状態が続くと、望ましい時刻に入眠したり覚醒することができなくなり、体温や血圧、消化酵素や内分泌ホルモンの分泌周期、免疫反応などのコントロールも不調になってくる可能性があります。

そして、この体内時計のズレを日々修正(リセット)できるものの一つが太陽の光です。

体内時計を十分にリセットできる照度は2500ルクス以上なので、家の照明(500~1000ルクス程度)では不足しています。

一方、太陽の光は2万ルクスから10万ルクス程度と言われており、曇りの日でも屋外では1万ルクス程度あると言われています。

体内時計は、目の網膜から大脳へ伸びる視神経の交わる視交叉上核の一部の領域に存在しますので、晴れている日は勿論のこと、曇りの日でも朝、決まった時間に起きたら30分以内にカーテンを開けたり外を散歩したりして目の網膜で太陽の光を浴びるようにしましょう。

といっても太陽を直接見るのではなくて、外の光を感じればOKです。

光を浴びる時間の目安は晴れた日で15分~30分ほど、曇りの日で30分~1時間ほどが目安です。

尚、体内時計を活性化するのに必要な光は可視光線で紫外線は不要です。

ですので、紫外線が気になる人は紫外線対策(例えば光が目に入ってくる明るいサングラスや日焼け止め)をしても問題ありません。

睡眠ホルモンのメラトニンを分泌させる

朝起きて太陽の光(可視光線)を目の網膜で感じると時計遺伝子(中枢時計)のスイッチがリセットされ、幸せホルモンと言われるセロトニンが分泌されます。

そしてそれから14~16時間ほど経つとセロトニンが睡眠ホルモンと言われるメラトニンに変わり眠気を感じるようになります。

従って、夜に睡眠ホルモンのメラトニンを分泌させるためにも朝起きてすぐに太陽の光を浴び、セロトニンを活性化させることが重要です。

朝決まった時間に起きて太陽の光を浴びると、体内の周期が整ってきて夜はメラトニンが分泌されて自然と眠たくなってきます。

日中に太陽の光を浴びることは夜眠るには良いことなのであまり太陽に当たる生活をしていない人は少しでも外に出て日光を浴びるようにしてください。

尚、セロトニンとメラトニンの分泌のリズムをスムーズにするためには、起床時間と就寝時間は一定にすることが重要です。

明日は休みの日だから、今日は寝るのが遅くなったからといって、起きる時間を後にずらす生活を続けていると身体のリズムが狂ってしまいかねません。

ちなみに、セロトニンの分泌は、鬱予防・鬱対策にもなります。

2.朝食を摂る

体内時計には、上に説明した脳にある体内時計(中枢時計)のほかに、全身の隅々の細胞にある体内時計(抹消時計)があります。

中枢時計は、抹消時計もコントロールしてますが、抹消時計はそれだけでは十分にリセットされません。そして、末梢時計を十分にリセットできるのが朝食です。

末梢時計は、光だけでなく、食事や運動などの影響も受けます

炭水化物を含む食事をして血糖値が上がるとインスリンというホルモンが分泌されますが、このホルモンが末梢時計のリセットに役立つことがわかっています。

従って、光を浴びてリセットされる中枢時計とは無関係に、例えば朝食抜きの生活を続けていると、末梢時計は中枢時計と関係ないリズムを刻むようになり、その結果、高血圧や糖尿病、うつ病などになりやすくなると考えられています。

近年は16時間断食や1日1食生活というものが話題となっており、それはそれで1つの考え方ですが、朝食を摂ると体の様々な臓器の末梢時計もリセットできますので、こと精神の健康や不眠症の改善のためには、朝食を摂るのがおすすめです。

ちなみに、タンパク質が多い朝食も体内リズムを整えるのに効果的だという研究報告もありますので炭水化物だけでなくタンパク質も意識して摂るようにしましょう。

3.寝る90分前にお風呂から上がる

人の身体は、深部体温が下がると眠気が起こるようにできています。

お風呂の入り方を工夫すれば、深部体温を下げる性質を利用して眠気を誘うことができますし、リラックス効果で副交感神経の働きを高めて眠りを誘うこともできます。

具体的なお風呂の入り方は、眠りにつきたい時間の90分ほど前までに39℃から40℃くらいのお湯にゆったり15分ほどつかります。すると深部体温を一時的に上げることができます。

深部体温は、1時間から2時間かけて下がります(もとに戻ります)ので、そのタイミングに床についておくことで自然と眠気を感じるようになります。

そういう意味では寝室は涼しくしておくのがおすすめです。夏の猛暑日、真夏日は勿論、25℃以上の夏日も場合によってはクーラーをつけるのがおすすめです。

夏の室温の温度は25℃から26℃が最適と言われています。

尚、42℃以上の熱いお風呂に入ると交感神経が高くなってしまい逆に目が覚めてしまう可能性があるので注意して下さい。

4.睡眠に適した寝室の温度や湿度にする

眠りには、寝室の温度や湿度も重要です。

冬の寝室の温度は、20℃前後、湿度40~60%を目安にしましょう。

夏の寝室の温度は、室温26度前後、湿度50~60%を目安にしましょう。

上記の温度、湿度から大きく外れる場合は、エアコンをつけるのがおすすめで、基本的に一晩中つけっぱなしがおすすめです。

5.ストレスをためない

強いストレス(不安感や緊張感)があると自律神経が乱れます。

ストレスを抱えていると緊張するため交感神経が優位に働き、睡眠時にも交感神経が優位となり、眠りにつきにくくなったり、眠りが浅くなったります。

ストレス社会の現代は、ストレスによる自律神経の乱れで睡眠に問題を抱えている人が多いことが予想されます。

趣味を持つ、音楽を聴く、瞑想をするなど、自分に合ったストレス発散方法を見つけ、ストレスをためないよう心がけましょう。

6.適度な運動をする

運動はいい睡眠をとるための重要なファクターです。

日中の活動量と睡眠は比例するため運動する習慣のある人の眠りは深くなる傾向にあります。

自然に眠気が出るためにはある程度疲労している必要があります(眠圧を高める)ので、そのためには適度な運動が効果的です。

筋トレなどの運動にもいい睡眠を促す効果はありますが、運動習慣がない人はまずは軽い有酸素運動を習慣化することをおすすめします。

朝、太陽の光を浴びながらのウォーキングも一石二鳥でおすすめですが、よりよい睡眠を得るためには、特に夕方や夕食後の運動も効果的と言われています。

その理由の一つは、深部体温を高めることで夜にかけて深部体温が下がっていくのを利用できるため、もう一つはリズム運動でセロトニンの分泌からメラトニンの分泌を促進するためです。

1回20分から30分くらいのウォーキングでも十分な効果が期待できますが、夕方の運動は単発的に行っても睡眠に大きな影響はないため習慣的に行うことが重要です。

睡眠障害で悩まれている人は体力が落ちていたり倦怠感があったりして運動をする気になれない人も多いと思いますが、できることから少しずつやっていくことが重要です。

最初は5分からでも構いません。

適度な運動は、ストレスを緩和する働きもありますので、特にストレスが原因で眠れない人は意識して日常に運動をとり入れることをおすすめします。

そして、ある程度慣れてきたら週に2~3回程度、筋トレ(といってもスクワットや腕立て伏せなどでOKです)をするのもおすすめです。

尚、寝る直前の激しい運動は交感神経の働きを高め、覚醒モードになってしまうためNGです。

筋トレなどの激しい運動は、寝る3時間前までに済ませましょう。

7.カフェインは控える

習慣的にカフェインを摂取したり過剰摂取する人は、入眠困難や早期覚醒などの不眠症状を抱える可能性が高く、睡眠の質を悪化させることが報告されています。

カフェインには、覚醒作用利尿作用があるためです。

カフェインが完全に代謝、排出されるまでの時間は長い人で10時間ほどかかります(個人差あり)ので、カフェインを摂る場合は、夕方までに済ませた方がいいでしょう。

カフェインは、コーヒーだけでなく、玉露や紅茶、ウーロン茶、チョコレート、またエナジードリンクなどにも含まれます。

また、同じような理由で頭が覚醒するようなこと、例えばゲームとか学習といったものは、寝る前3時間ほどはしない方が良いと言われています。

夕方からはできるだけ穏やかに過ごすようにしましょう。

8.就寝前はブルーライトを避ける

近年、良質な眠りの妨げとなっている習慣が夜のスマホです。

ブルーライトは目に見える光の中で最も波長が短くエネルギーが強い光です。

ブルーライト(青色光)が目に入ると、脳は朝だと勘違いし、メラトニンという睡眠ホルモンの分泌を抑制し、覚醒してしまいます

従って、就寝前に、スマートフォンやパソコン、TV、また、LED照明など、ブルーライトを発光するものを目にすると、スムーズに入眠したり良質な睡眠をとることが困難になります。

就寝前2~3時間はこれらのものをできるだけ見ないようにしましょう。

9.就寝前は飲酒や水分の補給、喫煙を控える

アルコールには寝付きをよくする働きがあります。そのため、寝酒を習慣にしている人もいるようですが、寝酒は睡眠を浅いものにして、中途覚醒を促してしまう働きもあります。

睡眠の質が低下することで、起床後のパフォーマンスも低下することになりますので、就寝前のお酒は避けた方が良いと言えます。

また、起きるのが排尿のためだとしたら寝る前の水分の補給は控えた方がいいでしょう。

就寝前のタバコも睡眠の質を落としてしまいます。

タバコに含まれるニコチンには、アドレナリンを分泌させ覚醒させる作用があるので睡眠の質を低下させます。従って、就寝前の喫煙も避けた方が良いと言えます。

10.重いブランケットを掛けてみる

重いブランケットを掛けて寝ると睡眠の質が向上するというデータがあります。

個人差はありますが、人によっては高い効果を発揮すると言われています。

実際、私は、1年中羽毛布団で寝ていますが、その上にブランケットを掛けて寝ることで、寝つきが良くなり、ぐっすり寝た感も大幅にアップしました。

どうして重いブランケットで睡眠の質が向上するかというと、身体に適度な圧力がかかると休息の神経と言われている副交感神経の活動が活発になるためだと考えられています。

交感神経が優位の人、例えば、興奮状態にあったり、イライラしている人、頭が冴えた感じでリラックスできない人などで睡眠の質がイマイチと感じている人は是非試してみて下さい。

加重ブランケットといった商品も販売されていますが、経験上、今の寝具の上に薄いブランケットを掛けたり、ブランケットを二重にしたりすることでも十分効果はあると思います。

11.ベッドに入ったら他の事をせずに寝る

ベッドに入ってスマホを弄る、テレビを観るなど、眠る以外の時間をつくると、脳がベッドはスマホやテレビを観る場所と認識し、興奮して寝付きが悪くなってしまいます。

ベッドは睡眠をとるための場所です。

眠たくなったらベッドに行くベッドに入ったら眠る。そういう習慣を作ることで脳と体がベッドに入ることを睡眠と認識してスムーズに寝付きやすくなります。

若い人だけではありません。

例えば、加齢とともに眠る力は弱まっていきます

寝付くのはいつも24時頃なのに、若い頃のように理想的な睡眠時間を確保しようと23時に床に入ると、1時間は寝ないでベッドにいる習慣を作ってしまいます。

ベッドでは眠る以外のことはせず、ベッドは眠る場所と脳や体に認識させるようにしましょう。

12.サプリメントを活用する

近年は、眠りの質をよくすることが期待できるサプリメントが販売されています。

不眠気味だけど薬を頼ることはしたくない、生活習慣を見直したけどやはり不眠気味という人はサプリメントを活用するのもいいと思います。

睡眠改善サプリメントコーナーを見てみると、以下の成分が入っている商品を見かけます。

  1. GABA
  2. ナイアシン
  3. テアニン
  4. マグネシウム
  5. クロセチン
  6. ラフマ葉エキス
  7. グリシン
  8. ビタミンB12
  9. トリプトファン
  10. バレリアン
  11. 5-ALA
  12. セントジョーンズワート

効果には個人差がありますので、気になったら試してみることをおすすめします。

各成分の詳細は下の記事で解説しています。

但し、バレリアンやセントジョーンズワートなど、精神疾患に関する薬との併用がよくなさそうなものもありますので、薬を服用している方は医師に相談したりネットなどでしっかり調べて試されることをおすすめします。

サプリメントは補助食品扱いとはいえ、副作用があるものもありますので注意して下さい。

まとめ

不眠症を改善するための12の習慣を紹介してきました。

  1. 朝、決まった時間に起きて太陽の光を浴びる
  2. 朝食を摂る
  3. 寝る90分前にお風呂から上がる
  4. 睡眠に適した寝室の温度や湿度にする
  5. ストレスをためない
  6. 適度な運動をする
  7. カフェインは控える
  8. 就寝前はブルーライトを避ける
  9. 就寝前は飲酒や水分補給、喫煙を控える
  10. 重いブランケットを掛けてみる
  11. ベッドに入ったら他の事をせず寝る
  12. サプリメントを活用する

これらのことを習慣化することで不眠症は改善できる場合があります。

できることをやっても眠れないようであれば、クリニックなどに相談するようにしましょう。

薬などに頼らず眠れるのが一番いいのですが、睡眠不足のままほおっておくのであれば、薬に頼った方がいいと言われています。