良い睡眠をとるために役立つ成分

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なかなか寝付けない、寝付いても夜中に何度も目が覚めてそれからなかなか眠れない、朝早く目が覚めてそれから眠れない、などで十分な睡眠がとれずに悩んでいる方も多いと思います。

一般成人の30〜40%、つまり3人に一人が何らかの不眠症状を有しており、特に女性や高齢者に多いことが知られています。

ここでは、良い睡眠をとるために役立つと思われる成分について紹介しています。

良い睡眠とは?

睡眠障害(不眠症)とは、下の4つのいずれかの症状が1ヵ月ほど続き、日中に倦怠感や意欲低下・集中力低下・食欲低下などの不調が出現する病気です。

不眠症の種類 症状
入眠障害 床に入ってから寝付くまでに30分~1時間以上かかる
中途覚醒 眠りが浅く睡眠中に何度も目が覚めたり、それから眠れなくなる
早朝覚醒 本来の起きる時間より早期に目が覚めて、その後眠れなくなる
熟眠障害 ぐっすり眠れたという満足感が得られない

従って、

  1. 就寝したら10分から20分以内に眠れて
  2. 途中目を覚ますことが少なく
  3. 例え途中で目を覚ましてもすぐに再入眠できて
  4. 朝までしっかり眠り
  5. その眠りに本人が満足できて
  6. 翌日の日中も眠くならない

ということが良い睡眠がとれていると言えます。

適切な睡眠時間は年代やその人の体質によって異なりますが、概ね7時間~8時間と考えていいでしょう。一般的には、加齢により眠る力も衰えますので高齢者は6時間半くらいを一つの目安と考えていいと思います。

良い睡眠をとるためには

不眠症(睡眠障害)には様々なリスクがあるので睡眠は何よりも優先させるべきものです。

そのためには、まずは生活習慣の見直しから検討すべきです。

  1. 朝、決まった時間に起きて太陽の光を浴びる
  2. 朝食を摂る
  3. 寝る前90分前にお風呂から上がる
  4. 睡眠に適した寝室の温度や湿度にする
  5. ストレスをためない
  6. 日中は活動(運動)する
  7. カフェインは控える
  8. 就寝前はスマホやパシコンなどのブルーライトを避ける
  9. 飲酒や喫煙は控える
  10. 重いブランケットを掛けてみる
  11. ベッドに入ったら他のことをせずに寝る

といったことは、テレビや雑誌などでも良く言われたり書かれたりしていることですが、この通りやってもやっぱり眠れないと言う人は少なくありません。

それは、本人の性格や脳の働き方、環境などが異なるためです。

そこでここでは、身体の中から睡眠に適応させていく成分を紹介したいと思います。日本で医薬品とされているものについては対象外としています。

良い睡眠をとるために役立つ成分

ここでは、良い睡眠をとるために役立つ成分として、

  1. GABA
  2. ナイアシン
  3. テアニン
  4. マグネシウム
  5. クロセチン
  6. ラフマ葉エキス
  7. グリシン
  8. ビタミンB12
  9. トリプトファン
  10. バレリアン
  11. 5-ALA
  12. セントジョーンズワート

を紹介します。

GABA

GABAは、ガンマアミノ酪酸の略称で、アミノ酸の一種です。

GABAはもともと体内で作られていますが、強いストレスにさらされると、それを緩和するために大量に使われるために不足しがちになります。

GABAには、ノルアドレナリンを抑制する作用があります。

ノルアドレナリンとは、人体がストレスを感じたときに、交感神経の情報伝達物質として放出されたり、副腎髄質からホルモンとして放出される物質です。

ノルアドレナリンが交感神経の情報伝達物質として放出されると、交感神経の活動が高まり、血圧が上昇したり心拍数が上がったりして、体を活動に適した状態にします。

GABAを摂取すると、この交感神経の働きを抑え副交感神経を優位に働かせることができ、心を落ち着かせ、血圧の上昇を抑え、リラックスすることができるようになります。

結果、入眠しやすくなり、質の高い睡眠につながると考えられています。

従って、GABAは、ストレスをかかえていたり興奮状態でなかなか寝付けなかったり、睡眠が浅い人に向いている成分です。

寝る前に摂ると入眠に効果的とされていますが、日中にGABAを摂取することでも、寝付きが良くなり、深い眠りが増加したという報告があります。

副作用は今のところ見つかっていません。

但し、GABAは高血圧、うつ病、不安障害、不眠症の薬の作用を妨げることもあるというデータもありますので薬を飲んでいる人は医師や薬剤師に相談した方がいいと思います。

ナイアシン

生体リズム調節に重要な役割を果たしているメラトニンは、夜になると分泌され、その作用で深部体温を低下させ眠りにつきやすい状態に導きます。

そして、メラトニンは、日中に分泌されたセロトニンから変換されて作られますので、このメラトニンを増やすにはまずはセロトニンを増やす必要があります。

セロトニンは、

  1. トリプトファン
  2. ナイアシン
  3. 葉酸
  4. ビタミンB6

などを原料に作られますので、セロトニンを分泌させるためにはこれらの成分が入っている食材を摂る必要があります。

詳細は下の記事で解説しています。

その中でも特にビタミンB群のひとつ(ビタミンB3)のナイアシンは、単独でも脳神経を正常に働かせる効果があり、神経系では、不安を抑えたり、眠りを促す効果があります。

逆に、ナイアシンが不足すると、精神的に不安定となりイライラやうつ症状、不安などがあらわれることがあります。

従って、ナイアシンは不安をかかえて眠れない方には役に立つ成分になります。

但し、大量に摂取した場合は、副作用として、消化不良、重篤な下痢、便秘、肝機能低下、劇症肝炎など、消化器系や肝臓に障害が生じた例が報告されています。

テアニン

テアニンには、脳内にある覚醒系の神経伝達物質を抑えて中途覚醒を減少させ、交感神経の活動を抑えることで睡眠を安定させる作用があります。

脳に運ばれたテアニンは、抑制性の神経伝達物質であるGABAやグリシンの増加を促進し、逆に興奮性に作用する神経伝達物質であるグルタメート(グルタミン酸)やアスパラギン酸の働きを阻害し興奮を抑えてくれます。

さらに、ストレスを感じた時に発生するノルアドレナリンの放出量を抑え幸福感をアップさせるドーパミンの増加も促進してくれるという優れた作用を持ちます。

このような作用があることからテアニンは睡眠の質の向上に繋がるとされています。

良質な睡眠の効果を発揮させるには、各種論文では就寝の30分~1時間前に200mgほど摂取すると良いとされています。

また、テアニンを長期(3〜4週間以上)にわたって摂取すると、記憶統合で中心的役割を果たす脳の領域である海馬において、神経細胞の生存、成長やシナプスの機能亢進など、神経系の発達と維持に重要な働きをする液性蛋白質の一つ「脳由来神経栄養因子(BDNF)」の合成が増加するとされており、これらの影響で不安が軽減されると考えられています。

実際、精神疾患のない成人を1日200mのテアニン群に無作為に分けたところ、プラセボ群と比較して状態不安の有意な減少と睡眠の改善が見られたという報告があります。

紹介しているナウフーズのテアニンは、私も毎日飲んでいます。

マグネシウム

マグネシウムには、神経の興奮を抑え、気分を安定させる作用やセロトニンの分泌を促したり筋肉を緩める作用がありますので入眠を促すことに有効だと考えられています。

抑制作用のある神経伝達物質GABAの機能を高めることができるので、不安感を低減する効果もあります。

従って、マグネシウムは、神経の高ぶりや心配事などで眠れない人には役に立つ成分です。

マグネシウムの不足は、まぶたがピクピク動く、気分が落ち込みやすくなる、背中、首の筋肉痛、こむら返りなどを発症するリスクがあります。

マグネシウムの摂取は、食後すぐに摂ると胃酸を中和してしまい、消化不良を起こしやすくするため、食後2~3時間は避ける方が良いとされています。

クロセチン

クロセチンとは、クチナシの果実(種子)や、サフランに含まれる黄色の天然色素で、カロテノイドの一種です。

眼精疲労に効果的な成分として知られており、目に良いサプリメント、例えばルテインなどと一緒に配合されて販売されています。

また、クロセチンは、睡眠障害、特に中途覚醒が多い人にも中途覚醒の回数を減少させる効果が認められています。

従って、クロセチンは、中途覚醒の多い人に役に立つ成分です。

実際、睡眠に軽度の問題を感じている健常な男性で実施した実験では、中途覚醒回数が減少したことが明らかとなっていますし、自覚症状についての評価でも目覚めの爽快感が良くなったという声も確認されています。

現在では、クロセチンは質の良い睡眠をもたらす効果があるとして睡眠用サプリメントとしても販売されています。実は私も飲んでいます。

ラフマ

ラフマは、中国西部から北西部にかけて自生する、キョウチクトウ科の多年草です。

ラフマは中国では薬として認められており、精神安定や風邪、高血圧や高コレステロールなど様々な症状に効果的です。

このラフマの葉に含まれる2つの成分、ラフマ由来ヒペロシドとラフマ由来イソクエルシトリンには、睡眠中のノンレム睡眠の割合を増加させるなど、睡眠の質(眠りの深さ)の向上や起床時の睡眠に対する満足感に役立つことが報告されています。

従って、ラフマは、睡眠の質を向上させたい人に役に立つ成分です。

最近のドラッグストアにはこのラフマを使ったサプリメントが多く並んでいます。

グリシン

グリシンはアミノ酸(体内で作ることができる非必須アミノ酸)の一つで、不眠を改善する効果や抗酸化作用があります。

グリシンは血管を拡張させ、体内の熱を放出し、体内の中心温度を下げる作用があります。

人は体内の中心温度が下がっている時に眠気を感じますので、グリシンは自然な睡眠を導く効果があります。お風呂を活用した入眠法はこの原理を利用しています。

また、グリシンには睡眠の質を高める働きもあります。

睡眠不足の方を対象に、寝る前にグリシンを含む食事と含まない食事を摂取させ、翌朝のパフォーマンスを比較した結果、グリシンを摂取した方が疲労感や眠気が少なく、作業効率も良くなったという実験結果もあります。

また、グリシンには、脳内神経伝達物質であるセロトニンを増加させ、抗うつ作用を持つということも報告されています。

ビタミンB12

ビタミンB群の一種であるビタミンB12は「赤いビタミン」とも呼ばれ、葉酸とともに血をつくる際に重要な役割を果たす栄養素です。

末梢神経を構成する核酸やリン脂質を増加させる効果あり、神経を修復する作用もあることから眼精疲労や肩こり、神経痛の改善も期待できるビタミンです。

また、ビタミンB12には自律神経を整える効果や、夜になると眠くなり、朝になると目が覚めるという睡眠のリズムを調節しているの体内時計を整える効果が期待できます。

つまり、ビタミンB12には、体内時計を整え、神経伝達をスムーズにし、メラトニンというホルモンの分泌を調整し、睡眠の質が高まることが期待できます。

トリプトファン

トリプトファンは、必須アミノ酸の1つです。

体内では合成されないので食品から摂取する必要があります。

睡眠ホルモンであるメラトニンはセロトニンから作られ、セロトニンはトリプトファンや鉄、ナイアシン、葉酸、ビタミンB6などから作られるため、トリプトファンは睡眠ホルモンメラトニンの生成には欠かせない成分です。

そして、ナイアシンはトリプトファンから合成される(トリプトファン60㎎がナイアシン1㎎に相当)ため、トリプトファンをしっかり摂っていればナイアシンも補えます。

トリプトファンは、眠りのホルモンと言われるメラトニンを合成するセロトニンを作る材料な訳ですから、摂取するのは朝(できれば朝食前)がおすすめです。より多くのセロトニンを日中に分泌させておくと夜からメラトニンに変わり、眠りにつきやすくなります。

バレリアン

バレリアン(セイヨウカノコソウ)は、北アメリカやヨーロッパおよびアジア原産の植物です。

バレリアンは、古代ギリシアおよび古代ローマの時代から薬草として、不眠症、片頭痛、疲労、胃けいれんの治療用いられてきました。

現在では、エビデンスは不足していますが、不眠症や不安症、うつ病、月経前症候群、更年期障害の症状および頭痛に良いとされています。

また、服用期間についても公的な規制はありませんが、30日以上の長期臨床試験は行われていませんので、長期服用は避けた方がいいと思われます。

また、他の薬との併用についても明らかになっていないため、心配な場合は医師か薬剤師に相談することをおすすめします。

5-ALA

5-ALAとは5-アミノレブリン酸のことでアミノ酸の一種です。

長崎大学による研究で新型コロナウイルス感染症(COVID-19)オミクロン株に対する感染抑制の効果が確認されたことで有名になりましたが、睡眠の質を改善する効果も期待されています。

睡眠に対する効果としては、ハワイ大学による睡眠障害を訴える健常者40名で実施した試験で、睡眠の質の指標となるスコアが統計的に有意に改善し、摂取終了後はスコアが再び悪化する傾向がみられました。

また、広島大学の研究では、5-ALAの摂取により、無気力や落ち込みなど、総合的な気分状態の改善が認められたとされています。

食品には殆ど含まれていませんのでサプリメントなどで摂取する必要があります。

セントジョーンズワート

セントジョーンズワート(セイヨウオトギリソウ)は、黄色い花を咲かせる植物です。

特にうつ病の症状改善と安全性が医学的研究により実証されており、ヨーロッパ等の国々では、治療薬として認可されているハーブです。

脳細胞から放出されたセロトニンは、すべてが脳細胞に届くわけではなく、もとの脳細胞に戻ってしまう性質を持っていますが、セントジョーンズワートの成分がセロトニン再取り込みを抑える働きを持っているため、セロトニンの量を増やして鬱症状を改善することが期待できます。

現在、精神科などで処方されている抗うつ剤(SSRIなど)もセロトニン再取り込みを阻害する働きでセロトニンの量を増やしています。

そして、セロトニンが増加すると、セロトニンから合成されるメラトニンの量も増加するため、睡眠にも効果的と考えられています。

但し、セントジョーンズワートには飲み合わせの良くない医薬品が多いので、何らかの医薬品を服用している人は、必ず薬剤師に相談して服用するようにしましょう。

まとめ

以上、良い睡眠をとるために役立つ成分として、

  1. GABA
  2. ナイアシン
  3. テアニン
  4. マグネシウム
  5. クロセチン
  6. ラフマ葉エキス
  7. グリシン
  8. ビタミンB12
  9. トリプトファン
  10. バレリアン
  11. 5-ALA
  12. セントジョーンズワート

を紹介してきました。

これらを含む食品やサプリメントを積極的に適量を摂ることで、睡眠の質が改善するかもしれません。