ここでは、ホワイトハッカーになるには?また、ホワイトハッカーになるために必要な資格はあるのか?について解説しています。
ホワイトハッカーになるには?
ハッカーとは?
ハッカーとは、コンピューターやネットワーク、ウィルスなどについて高度な知識や高い技術を持ち問題が起きた際にうまく対処できる人のことを言います。
テレビなどの影響などでハッカーは他人のコンピューターやネットワークなどへ不正に侵入して情報を盗んだり情報を改ざんしたりする悪い人とのイメージを持っている人も多いと思います。
しかし、これはハッカーの中でも知識や技術を悪用するブラックハッカーのことで、本来、ハッカーは悪い意味は含まれていません。
ハッキングという言葉もしかり。
情報の窃取やデータの改ざんといった意味合いで使用されがちですが、本来はプログラムやコンピューター、システムの安全性を検証したり改良したりする行為を指します。
ホワイトハッカーとブラックハッカー
ハッカーは大きくホワイトハッカーとブラックハッカーに分類されます。
ブラックハッカー(クラッカー)
ブラックハッカー(別名:クラッカー)は、不正にサーバーやシステムへアクセスしたりプログラムを破壊したりするなど知識や技術を悪用する目的で使うハッカーのことをいいます。
ハッカーのサイバー攻撃による個人情報の盗み出しやサーバーダウン、WEBサイトの改ざんなどがニュースになることがありますが、これはブラックハッカーの仕業です。
近年、国家によるサイバー攻撃が話題になっていますが、これは国家がブラックハッカーを登用して、他国のシステムに侵入するものです。
ホワイトハッカー
これに対して、ホワイトハッカーは、ブラックハッカーのサイバー犯罪への対処など、知識や技術を善良な目的のために使うハッカーのことを言います。
つまり、同じハッカーでも両者の違いは自身の持っているITスキルを善意で利用するか、悪意で利用するかという点にあります。
ホワイトハッカーの仕事・就職先・年収
ブラックハッカーによるサイバー攻撃は、被害を受けた企業側としてもセキュリティの甘さを露呈することにもなるため表に出ていないものも多いと言われており、実際は国や多くの企業が甚大な被害を被っていると言われています。
ホワイトハッカーの仕事内容
ホワイトハッカーの仕事は、年々巧妙化するこういったブラックハッカーからのサイバー攻撃を未然に防ぐべくサイバー攻撃への対応策や防衛策を見出してシステム化することや攻撃されたときに被害を最小限に抑えたりすることです。
その具体的な仕事内容は、
- セキュリティシステムの企画・設計・提案
- プログラムの実装
- システムの運用や保守・アップデート
- セキュリティの教育
- 攻撃を受けてしまった時の対処
- 脆弱性診断
などです。
情報通信技術が進歩とともにサイバー攻撃の対象は増加していますので、これらを守るホワイトハッカーの役割は増える一方。需要も急増しています。
ホワイトハッカーってどういう仕事かをより詳しく知りたい場合は、下の本が参考になります。情報セキュリティやハッキングの基礎を分かりやすく解説しています。
ホワイトハッカーの就職先
ホワイトハッカーは政府や一般企業において需要があります。
ホワイトハッカーとして募集されることもありますが、一般的には、セキュリティエンジニア、ネットワークセキュリティ、サーバーセキュリティーなどの名前で募集されます。
ホワイトハッカーの収入(年収)
国内のITエンジニア(SE・プログラマ)の平均年収が550万円前後なのに対し、ホワイトハッカーの年収は750万円以上ともいわれており、その差は200万円もあります。
大手コンサルタント会社などに就職すれば年収数千万円というところもありますので、ホワイトハッカーがいかに責任のある重要な職業であるかがわかります。
ホワイトハッカーになるには?
ホワイトハッカーになるのに学歴や資格はとくに必要ありません。
しかし、ホワイトハッカーになるには、プログラミング言語をはじめ、セキュリティやネットワーク、ウイルスなどコンピュータ全般に関する高い専門性や英語力が必要になるため、それらの知識や技術を身につける必要があります。
そのためには、まずは大学や専門学校で学んだり独学で専門知識を身につけて政府や企業などの情報セキュリティシステム部門やECサイトやWebサービスを展開しているIT関連の一般企業などに就職あるいは転職し、経験を重ねる必要があります。
そして、就職や転職をする場合は、スキルを証明できる資格を保有するとアピールしやすくなります。特に独学の人であればその知識や技術を証明するものとして資格は有効です。
ホワイトハッカーに必要なスキル
ホワイトハッカーの仕事を遂行していく上で必要なスキルは、悪質なサイバー攻撃やハッキングなどに対抗し、速やかに課題を解決できる対応力です。
ウィルスの種類や対策方法などの知識もそうですが、サイバー攻撃の種類も多様化する中で、それらに対応するだけの知識やスキルが必要です。
そのためには、
- システム設計や運用・保守に関するスキル
- セキュリティに関する高度な知識
- プログラミングスキル
- サイバー攻撃の知識
- 英語力・IT関連の法律の知識
などが必要です。
システム設計やセキュリティに関する知識は勿論のこと、PythonやJava、Ruby、PHP、SQL、C言語といったプログラミング知識も必要になります。
英語力は、最新技術に関する情報はまず英語で公開されることが多いので、英語で書かれている最新技術に関する情報を読む場合に必要になります。
また、素養面でもホワイトハッカーは企業の大切な情報を預かり、守るという立場上、正義感の強さや高いモラルが求められます。
ホワイトハッカーになるために必要な資格
ホワイトハッカーになるために必要な資格は特にありません。
しかし、IT・セキュリティ・ネットワーク関連の知識や技術力を証明するものがあれば、就職先・転職際への強力なアピール材料となります。
ホワイトハッカーのスキルを証明するのに役立つ資格には以下のようなものがあります。
資格 | 資格の内容 |
---|---|
情報セキュリティマネジメント試験 | 情報セキュリティマネジメントの計画・運用・評価・改善を通して組織の情報セキュリティ確保に貢献し、脅威から継続的に組織を守るための基本的なスキルを認定する試験です。 |
情報処理安全確保支援士 | 国策としてサイバーセキュリティ対策を推進し、それを担う人材を育成するために生まれた資格です。サイバーセキュリティに関する専門的な知識・技能を活用して企業や組織における安全な情報システムの企画・設計・開発・運用を支援し、また、サイバーセキュリティ対策の調査・分析・評価を行い、その結果に基づき必要な指導・助言を行うスキルを認定する試験です。 |
これらの試験に受験資格はありません。誰でも受験できます。
特に情報セキュリティマネジメント試験の上位資格である情報処理安全確保支援士は、情報セキュリティ国家資格の最高峰の資格でホワイトハッカーにおすすめの資格です。
情報系国家資格の中で初の登録制「士業」資格で、現在、支援士制度の普及策が検討されておいますので注目されています。
その他にもCEH(認定ホワイトハッカー)認定試験というものもあります。
CEHはとくに海外での評価が高く、高年収に繋がりやすい資格です。難易度は、情報処理安全確保支援士より高いと言われています。
最近は日本でも知名度が上がりつつありますが、特別講座の修了が受験資格になっており、コースの料金と受験料の総額は547,800円(2022年現在)と高額です。
また、CEHは、年会費が発生したり更新の条件もあります。
まとめ
ホワイトハッカーになるには?また、ホワイトハッカーになるために必要な資格はあるのか?について解説してきました。
ホワイトハッカーになるために必要な学歴や資格はありません。
しかし、普通のITエンジニアと比較しても、より幅広く深い知識やスキルが求められる仕事なのでそれ相応の努力が必要になります。
また、素養面でも強い責任感や正義感などが求められます。
巧妙化するサイバー攻撃や情報漏洩などのセキュリティリスクが増加傾向にある中、ホワイトハッカーの人材不足は深刻化しており、IT化が進む中、今後もさらにホワイトハッカーへの需要は高まっていくと考えられます。
このため、政府や企業は近年、ホワイトハッカーの育成に取り組んでいます。
ホワイトハッカーを目指すのであれば、仕事を通してスキルアップを図ることが重要ですが、その前段としてそういった企業に就職・転職したければ、その知識やスキルを認めてもらうために資格を取得するというのも一つの方法です。