ここでは、美容師とはどういう職業で美容師になるにはどうしたらよいか、また、美容師試験の内容や難易度、美容師は独立しやすい資格かなどを解説しています。
美容師とは?
美容師とは、美容室やヘアサロンでお客様の髪をカットしたり、パーマネントウェーブをかけたり、また、カラーやシャンプー、ブロー、セットなどをする技術者のことを言います。
ヘアスタイルに関することだけでなくネイルやメイク、着付けなどを行うこともあります。
国家試験に合格して美容師免許を取得後は、多くの場合、美容室に勤務することになります。
美容師 | 評価 |
---|---|
受験資格 | あり |
就職・転職に役立つか | |
定年後の再就職に役立つか | |
独立に役立つか | |
難易度 | 易しい |
管理美容師とは?
将来、資金を貯めて1人で美容室を営業していく場合は、美容師免許のみで問題ありませんが、自分以外にスタイリストを1名以上雇うとなると管理美容師免許が必要になってきます。
管理美容師免許を取得するには、
- 美容師免許取得後3年の実務経験と
- 各都道府県で実施している講習会を修了している
ことが必要です。
美容師と理容師の違い
美容師と理容師は、その免許の違いで仕事内容にできるものとできないものがあります。
一般的に知られているのが、理容師が髭剃りや顔剃りに際してカミソリを使うことが認められているのに対して、美容師はカミソリを使うことは原則として禁止されているという点です。
また、法律上では、厳密には、美容師はパーマをかけない男性のカットのみは禁止されており、理容師はパーマは禁止されていたりします。
しかし、実際の現場ではどちらもやられています。
美容師になるには?
美容師になるには、国家資格である「美容師免許」が必要です。
美容師免許の交付を受けるには、厚生労働大臣指定の養成学校の必要課程(昼間部2年・夜間部2年・通信科3年のいずれか)を修了して受験資格を得、公益財団法人理容師美容師試験研修センターが実施する美容師国家試験に合格しなければなりません。
美容師学校の入学条件は、基本的には高等学校卒業者でなければ入学することができませんが、中学校卒業者であっても、
- 高卒認定(高等学校卒業程度認定試験)に合格する
- 専修学校制度により高等課程の認可を受けている美容学校に入学し、規定の課程を修了させる
- 通信課程に入学し、規定の課程を修了させる
のいずれかの方法で、美容師免許試験の受験資格を得ることが可能です。
美容師試験の概要
筆記試験と実技試験があります。
受験資格
美容師試験には受験資格があります。
厚生労働大臣指定の美容師養成学校で、次のいずれかの課程を修了した人でなければ受験することはできません。
- 昼間課程:2年以上
- 夜間課程:2年以上
- 通信課程:3年以上
試験の免除
- 「実技試験及び筆記試験」の両方を受験した人のうち、筆記試験のみに合格した人は、その申請により、次回の試験に限り、筆記試験の受験が免除。
- 「実技試験及び筆記試験」の両方を受験した人のうち、実技試験のみに合格した人は、その申請により、次回の試験に限り、実技試験の受験が免除。
- 理容師または美容師の免許を受けた人は、申請により、理容技術理論または美容技術理論を除く筆記試験を免除します。
試験日時
美容師試験は、11月に願書受付され、年に2回(2月と8月)実施されます。
令和2年は、実技試験が2月1日、筆記試験が3月1日に実施。
ほとんどの美容学生は、在学中の2月から3月に実施される実技試験、筆記試験を受け、3月末に合格発表を受ける形をとっており、ここで不合格になってしまった場合に8月から9月に実施される試験を再受験するということになります。
試験の方法と内容
筆記試験
- 関係法規・制度
- 衛生管理(公衆衛生、環境衛生、感染症、衛生管理技術)
- 美容保健(人体の構造及び機能、皮膚科学)
- 美容の物理・化学
- 美容理論
実技試験
- 美容の基礎的技術
第1課題:カッティング
第2課題:ワインディング(ロッド巻き) - 美容を行う場合の衛生上の取り扱い、用具類の衛生状態及び衛生上の取り扱い
合格基準・合格率
合格基準
筆記試験
次の①及び②の両方の条件を満たしている場合に合格
- 筆記試験は、50問中60%以上の正答率であること
- 関係法規・制度、公衆衛生・環境衛生、感染症、衛生管理技術、人体の構造及び機能、皮膚科学、美容の物理・化学、美容技術理論のいずれの課目においても無得点(0点)がないこと
実技試験
次の①及び②の両方の条件を満たしている場合に合格
- 衛生上の取扱試験減点が20点以下であること
- 基礎的技術試験(第1課題と第2課題を満たしていること)
第1課題:カッティングの減点が30点以下であること
第2課題:ワインディングの減点が30点以下であること。
合格率
2月実施分の合格率は、80%~90%。
8月実施分の合格率は、50%~60%。
受験手数料
25,000円
難易度と合格までの時間の目安
難易度: 易しい
合格までの学習時間の目安:美容の専修学校で2年以上の学習
美容師として独立開業するにあたっての留意点
生きている限り殆どの女性が利用する美容室。
ヘアカットやヘアカラー、パーマなどは独占業務として美容師しか行ってはならないと法律で保護されていますし、需要が絶えないので、最も独立しやすい資格の一つです。
このため、顧客を掴むことができれば安定して稼ぐことができます。
美容師免許を取得後は、どこかの美容室で経験を積み、確かな技術を習得して独立します。
腕が良ければ従来からの顧客もついてきやすい職業ですが、独立する美容師も多く、美容室は乱立状態。競争が激しいことも事実です。
特に近年は低価格でそれなりのサービスをする美容室が増えていることから、それらとの差別化が必要になります。
美容師の開業資金
開業費用の平均値は1,200万円ほどと言われています。
内訳は自己資金300万円と借入金900万円ほど。
但しこれはあくまでも平均値です。
20坪ほどの広さで何人も美容師を雇うお店と、一人二人でこじんまりとしたお店を構える場合で大きく違ってきます(自分以外にスタイリストを雇うとなると管理美容師免許が必要)。
また、自宅を改装して開業する場合と物件を賃貸して開業する場合でも変わってきます。
家賃20万円ほどの賃貸で一人二人でやる場合は、保証金、内装費などで500~700万円ほどが目安です。この場合は3割の200万円ほどは自己資金を用意したいものです。
美容師以外の独立できる資格や定年後での独立してやっていける資格は以下の記事にまとめていますので、参考にして頂ければと思います。