転職に役立つ資格

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これまでやってきた仕事の実力を客観的に証明できるのが資格です。

また、これまでとは異なる分野へ転職を考える場合に役立つのも資格です。実務経験がなくても一定のスキルを証明できます。

さらに、企業の採用担当者は、保有している資格を評価すると同時に、資格取得という目標に向かって物事を遂行する姿勢・能力も評価します。

ここでは、特にこれからの時代の転職に役立つ資格を厳選して紹介しています。

その他の資格については下の記事でまとめていますので参考にして頂ければと思います。

目次

転職に役立つ資格とは

需要のある資格

転職に役立つ資格というと、まずは何と言っても需要がある資格です。

少子高齢化と同時にIT化が進む中、医療や介護・福祉、AIやIT関連のエンジニアなどには多くの需要があり、今後もますます需要が増加することが予想されています。

このような世の中の流れにマッチした資格は需要があると同時に将来性もあります。

また、社会生活を円滑に送る上で必要とされる資格も安定的に需要があります。

難易度が高い資格

需要のある資格の中でも、より転職に役立つのが難易度が高い資格です。

その仕事に役立つ資格であっても、誰もが取得できる簡単な資格であれば、さほど役には立ちません。例えば英検でも3級と1級では役に立ち方が違います。

難易度が高い資格は希少性があるため、競争率が低くなります。

また、難易度が高い資格の中には、特に、その資格保有者でなければその業務を行うことができないと定められている「業務独占資格」や、事業を行う際に、その企業や事業所にて特定の資格保持者を必ず置かなければならないと定められている「必置資格」などがあります。

これらの有資格者は、転職においても当然、有利になります。

これらのことを加味して転職に役立つ資格を、業種別に紹介していきます。

医療・福祉・介護関連で転職に役立つ資格

登録販売者

登録販売者とは、ドラッグストアや薬局などで、かぜ薬や鎮痛剤などの一般用医薬品(第2類・第3類に限る)を販売することができる医薬品販売の国家資格です。

高齢化が進み健康志向も上昇している中、ドラッグストアや薬局も年々増えてきていますので、登録販売者は、薬剤師が不在でも第1類医薬品以外の一般用医薬品の販売ができる専門家として高いニーズがあります。

登録販売者の業務は資格を保有していないとできない独占業務にあたるため、一度取得すれば一生涯その資格を活かせます。

尚、実務経験が2年未満のうちは、「研修中の登録販売者」の身分となり、薬剤師または店舗管理者・管理代行者の要件を満たした者の管理および指導のもとで、医薬品販売に従事することになります。

2年以上の実務経験を積んだ「正式な登録販売者」は「店舗管理者」になることができますのでさらに転職に有利になります。

参考:登録販売者試験の概要

試験の区分 国家資格
受験資格 年齢・性別・学歴に関係なく、誰でも受験できます。
合格率 40~50%前後
試験日時
試験の方法
試験は都道府県ごとに実施。
試験日も問題も都道府県ごとに異なります。
マークシートによる120問(試験時間4時間)択一式
難易度 やや易しい
学習期間 3ヶ月(200時間)

診療報酬請求事務能力認定試験

診療報酬請求事務能力認定試験は、公益財団法人日本医療保険事務協会が実施し、厚生労働省が認可している唯一の医療事務に関する能力認定試験です。

医療保険の仕組みや治療費の計算方法、診療報酬請求の仕組みなどを理解していることを認定する医療事務に関する能力認定試験の種類は10種類以上にも及びますが、診療報酬請求事務能力認定試験は、医療事務に関する能力認定試験の中で最高峰と言われています。

病院をはじめ、様々な医療関係施設からの需要も多く、高齢化社会の日本では今後ますます需要が増えると思われます。

民間資格ですが、景気にも左右されにくいとあって女性に人気のある資格の一つです(受験者の9割程度は女性)が、今後の高齢化社会に伴い男性にも需要が出てくることが予想されます。

試験に合格するためには、医療事務で必要な知識とレセプト作成の能力が要求されます。

実務経験はなくても資格保有者は一定以上のスキルがあるとして就職や転職で優遇されます。

参考:診療報酬請求事務能力認定試験の概要

試験の区分 認定資格
受験資格 年齢・性別・学歴に関係なく、誰でも受験できます。
合格率 医科:30%前後
試験日時
試験の方法
年2回(7月、12月)、日曜日または祝日に実施
学科試験:20問(5者択一のマークシート方式)
実技試験2問
難易度 普通
学習期間 4ヶ月(250時間)

医療事務技能審査試験

医療事務技能審査試験は、一般財団法人日本医療教育財団が認定している資格で、医療事務関係としては最大規模の全国統一試験です。

医療事務に関係する資格の中で最も認知度が高い試験とされていす。

医療事務技能審査試験の合格者には「メディカルクラーク」の称号が与えられ、受付業務、院内コミュニケーション、診療報酬請求事務に関する職業能力を備えていることを証明できます。

試験は医科と歯科に分けて実施され、それぞれで医療事務知識を問う学科試験(択一式)と実技Ⅰ(患者接遇:記述式)、実技Ⅱ(診療報酬請求事務と診療報酬明細書点検)が実施されます。

参考:医療事務技能審査試験の概要

試験の区分 認定資格
受験資格 年齢・性別・学歴に関係なく、誰でも受験できます。
合格率 60%~80%ほど
試験日時
試験の方法
医科と歯科に分けて実施
医科:年12回
歯科:年6回(5月、7月、9月、11月、1月、3月)
47都道府県で実施
難易度 易しい
学習期間 2ヶ月(100時間)

医療事務認定実務者試験

医療事務認定実務者試験は、医療事務に関する基礎知識と診療報酬明細書(レセプト)作成を基本とした試験で、合格者は、医療事務の実務に関する基礎知識があることが認定されます。

試験の難易度は医療事務の資格の中では易しめで、患者接遇・マナーなど、受付業務に必要な知識を重点的に学習しますので医療事務の入門資格として最適です。

一般的には、認定機関の通信講座を受講後、在宅受験で資格を取得します。

高齢化社会ということもあり、介護職員初任者研修の修了者は、介護保険サービスを提供する介護施設や介護事業所などから多くの需要があります。

参考:医療事務認定実務者試験の概要

参考:その他の医療事務の資格とその難易度

試験の区分 認定資格
受講資格 なし
合格率 60%~80%程度
試験日時
試験の方法
在宅受験は、月1回(年に12回)、基本的に毎月最終日曜日に実施
難易度 非常に易しい
学習期間 最短1ヵ月(50時間)

調剤報酬請求事務専門士試験

調剤報酬請求事務専門士検定試験は、調剤報酬請求事務専門士検定協会が主催する調剤薬局事務に関する検定試験です。

調剤薬局事務に関する資格には、いくつかの民間資格がありますが、その中でも最も歴史が古く、格や信頼性、知名度が高いと言われているのが調剤報酬請求事務専門士です。

就職や転職に際しては、経験者が優遇されますが、未経験者でも調剤報酬請求事務専門士を取得しておけば有利になる場合があります。

特に1級は、合格率が15~20%と、医療事務に関する検定試験の中でも最も難易度が高い試験とされています。

薬局の規模や雇用形態などにも左右されますが、調剤薬局事務は基本的に定年まで働くことができる職業として特に女性に人気があります。

参考:調剤報酬請求事務専門士検定試験の概要

参考:その他の調剤薬局事務の資格とその難易度

試験の区分 認定資格
受験資格 年齢・性別・学歴に関係なく、誰でも受験できます。
合格率 1級:15%~20%
2級:35%~45%
3級:50%~60%
試験日時
試験の方法
年2回(7、12月)に実施
学科試験と実技試験を実施
難易度 2級 やや易しい
学習期間 3ヶ月(200時間)

介護職員初任者研修

介護職員初任者研修は、在宅・施設を問わず、介護職として働く上で必要となる知識・技術を習得することが出来る研修です。

介護職としての入門資格なので、介護の資格としては最も簡単に取得しやすく、これから介護の仕事を始める未経験者におすすめの資格です。

無資格者でも介護業界で働けますが、訪問介護員(ホームヘルパー)として働くには、介護職員初任者研修修了などの資格が必要になります。

資格取得には、130時間の研修を終了後、筆記による修了試験に合格する必要がありますが、最短1ヵ月程度で取得できます。

高齢化社会ということもあり、介護職員初任者研修の修了者は、介護保険サービスを提供する介護施設や介護事業所などから多くの需要があります。

参考:介護職員初任者研修の概要

試験の区分 認定資格
受講資格 なし
合格率 ほぼ100%
試験日時
試験の方法
研修実施機関による
難易度 非常に易しい
学習期間 最短1ヵ月(130時間)

介護福祉士

介護福祉士は「社会福祉士及び介護福祉士法」にもとづく介護に関する国家資格です。

介護が必要なお年寄りや障害のある人の食事や入浴、排泄、歩行などの介助や、介護者からの相談に応じてアドバイスをしたり、精神面での支えになったりするほか、在宅介護の場合の介護方法や介護現場で働くヘルパーさんに対して指導やアドバイスも行います。

高齢化社会ということもあり、介護の専門知識・技術をもつ介護福祉士資格の重要性はますます高まっている中で人手も不足しており転職にも非常に有利になります。

受験資格が4種類ありますが、殆どの人が3年以上介護等の業務に従事し、介護職員実務者研修を修了して介護福祉士国家試験に臨みます。

人材が不足していますので体力とやる気があれば定年後でも再就職が可能です。

参考:介護福祉士試験の概要

試験の区分 国家資格
受験資格 実務経験と実務者研修の修了
福祉系高等学校卒業
介護福祉士養成施設卒業
EPA介護福祉士候補者
のいずれかに受験資格が与えられます。
合格率 70%前後
試験日時
試験の方法
1月下旬の日曜日に筆記試験
3月上旬の日曜日に実技試験
125問:220分
難易度 易しい
学習期間 半年(200時間)

精神保健福祉士

精神保健福祉士は「精神保健福祉士法」にもとづく国家資格です。

心に病気や障害を負った人が、スムーズに日常生活ができるように相談や生活支援、助言、訓練、社会参加の手助け、環境調整などを行ったり、障害者本人の医療費や生活費として活用できる公的支援制度を斡旋したり、家族や関係機関との連絡・調整を行って、社会参加ができるよう目指します。

入院中の患者が退院するにあたって関わることもあれば、自宅で生活している患者を通所でサポートすることもあります。

特に近年は、高齢者の精神福祉に関するニーズが高くなっているため、老人保健施設へ就職する方も増加してきています。

精神保健福祉士の需要は高まっていますので、精神保健福祉士の資格があると就職や転職に役立つと思われます。

参考:精神保健福祉士試験の概要

試験の区分 国家資格
受験資格 細かい受験資格があります。
合格率 60%前後
試験日時
試験の方法
例年、2月の土曜日・日曜日の2日間実施されます
163問:3時間35分
難易度 普通
学習期間 半年~(350時間)

社会福祉士

社会福祉士は「社会福祉士及び介護福祉士法」にもとづく介護に関する国家資格です。

精神保健福祉士、介護福祉士とともにとともに福祉の三大国家資格と言われています。

身体や精神に障害のある方や高齢者、生活困窮者などの福祉に関する相談に応じ、助言や指導、福祉サービスの提供などを行ったり、医師その他の保健医療サービスを提供する者その他の関係者との連携及び調整その他の援助を行ったりします。

保健所や保健センターでは相談業務を担当する相談員として働き、公務員試験にも合格すれば児童相談所でも児童福祉司として働けますし、公立学校の正職員としても働けます。

高齢化や虐待問題増加の影響もあり、社会福祉士への需要は今後ますます高まっていくことが予想されます。

参考:社会福祉士試験の概要

試験の区分 国家資格
受験資格 詳細な受験資格があります
合格率 30%前後
試験日時
試験の方法
試験は2月上旬に実施
共通科目と専門科目
150問:240分
難易度 やや難しい
学習期間 1年(500時間)

看護師

看護師は、医療機関で医師の治療のサポートをしたり、病気やケガなどで不自由な生活を送る患者のお世話や相談に応じることができる国家資格です。

業務を遂行するには、看護の知識や技術だけでなく、患者の立場に寄りそった看護が求められるので、思いやりがあり、的確な判断力や正確な技術を持つ人に向いています。

また、仕事はハードで夜勤などもあるため体力も必要になります。

スキルを発揮する場所は、病院・クリニックのほか、介護老人保健・福祉施設、訪問看護ステーション、企業の健康管理室などもあり、慢性的な人手不足ということもあって就職や転職に困ることはまずありません。

近年は男性の看護師の割合も増えています。

参考:看護師国家試験の概要

試験の区分 国家資格
受験資格 文部科学大臣指定の学校もしくは厚生労働大臣指定の看護師養成所を卒業した者
合格率 90%程度
試験日時
試験の方法
2月中旬の日曜日に実施
240問:5時間20分
難易度 易しい
学習期間 半年(200時間)

ケアマネジャー

ケアマネジャー(通称ケアマネ)は、2000年の介護保険法とともに誕生した介護支援専門員です。国家資格ではなく各都道府県が管轄する公的資格です。

介護支援専門員と言っても介護職のように身体介護や生活介助を行うわけではなく、殆どがデスクワークで、介護施設利用者に対する介護サービスの契約やその費用の計算、要介護認定の代行、ほかの事業所との連絡・調整を行ったりします。

要介護者や要支援者の相談に応じ、どんな介護を必要としているのかを見極め、介護サービス等の提供についてのケアプランの作成や、要介護者や要支援者と市町村・サービス事業・施設をつなぐサポートを行います。

高齢者が増え続けている日本では需要は今後増々増加することが予想され、特に介護に関する人材は不足しており、老人ホームや介護保険施設、居宅介護支援事業所などからの需要もあるため職に困ることはありません。

参考:ケアマネジャー試験の概要

試験の区分 公的資格
受験資格 受験資格あり
合格率 10~20%程度
試験日時
試験の方法
例年、6月上旬から下旬にかけて受験申込の受付がなされ、試験は毎年1回・10月に全国の都道府県で実施
5肢複択式のマークシート方式による筆記試験
難易度 普通
学習期間 半年(350時間)

歯科衛生士

歯科衛生士は、患者の口の健康を守ったり歯科医師の治療をサポートしたりする医療専門職で歯科医師の指導のもと患者に対して歯科予防処置・歯科保健指導・歯科診療補助などの歯科医療業務を行える国家資格です。

歯科衛生士は人手不足ということもあり、需要(求人)が多く、就職・転職に役立ちます。

歯科衛生士の活躍の場は、歯科診療所や病院が中心ですが、市区町村や介護施設、保育所・幼稚園、保健所、訪問歯科など、働く場は多様にあります。

特に高齢化社会で、高齢者への訪問歯科などの必要性から、これから歯科衛生士への需要はさらに増えてくると思われます。

看護師同様、AIも進出できない一生ものの技術が習得でき、需要も多いため、若い人もそうでない人もチャレンジしてみる価値はあると思います。

参考:歯科衛生士国家試験の概要

試験の区分 国家資格
受験資格 文部科学大臣指定の学校もしくは都道府県知事の指定した歯科衛生士養成所を卒業した者
合格率 95%程度
試験日時
試験の方法
3月上旬の日曜日に実施
220問:300分
難易度 易しい
学習期間 半年(200時間)

保育士

保育士は、乳児から小学校就学(0歳~6歳)までの幼児を、保育所などの児童福祉施設において保育を行う者に与えられる国家資格です。

三つ子の魂百までといわれるように乳幼児期という子どもの人間形成に非常に大事な時期に、1日の多くの時間をともに過ごすだけあって、保育士の仕事は非常に重要です。

近年は、少子化にもかかわらず働くお母さんは増加しており、待機児童が深刻な社会問題となっているように現場は慢性的な人手不足の状態が続いています。

このため就職や転職には非常に有利になります。

参考:保育士試験の概要

試験の区分 国家資格
受験資格 年齢や性別などの受験資格はありませんが、学歴やその卒業年度、また経験などによって異なります
合格率 例年20%前後
試験日時
試験の方法
年2回、前期4月と後期10月に筆記試験と実技試験が実施されます
難易度 やや難しい
学習期間 半年(500時間)

不動産・建築・建設・土木関連で転職に役立つ資格

宅地建物取引士

宅地建物取引士は、不動産の売買や賃貸の仲介などに不可欠な国家資格です。

転職に役立つ資格として色々なところで紹介されています。

その理由の一つが、公正な取引のために取引前に買主・借主に物件に関する重要事項の説明をする、契約締結時に交付する書類に署名や押印をするといった宅地建物取引士にしかできない独占業務が法律で定められているためです。

そしてもう一つが、宅地建物取引業法の規定により宅地建物取引業者は従業員5人に1人の割合で成年者である専任の宅地建物取引士を置くことが義務づけられているためです(必置資格)。

このため宅地建物取引士には安定した需要があります。

不動産業界への転職は、会社の規模を問わなければ他の業種への転職と比較すると比較的簡単です。そのため人の入れ替わりの激しい業界でもあります。

そんな中、宅地建物取引士は、より良い企業で働くための一つの武器です。不動産業界や建築・建設業界で安定して働きたいということであれば是非とっておきた資格です。

参考:宅地建物取引士(宅建士)試験の概要

試験の区分 国家資格
受験資格 年齢・性別・学歴に関係なく、誰でも受験できます。
合格率 16%前後
試験日時
試験の方法
例年10月の1日間(第3日曜日)
マークシートによる選択式問題50問
難易度 普通
学習期間 半年(350時間)

賃貸不動産経営管理士

賃貸不動産経営管理士は、平成19年に創設された資格で、以前は民間資格でしたが、2021年4月に国家資格となりました。

これに伴い、賃貸不動産経営管理士試験の難易度も今後は高くなっていくことが予想されますので早めの資格取得がおすすめです。

賃貸不動産経営管理士とは、主に賃貸アパートやマンションなどの賃貸住宅の管理に関する知識や技能、倫理観を持った専門家のことをいいます。

事務所毎に賃貸住宅管理の知識・経験等を有する賃貸不動産経営管理士等を1名以上配置することが義務づけられていますので安定した需要も見込めます。

同じ不動産に関する資格として宅建士がありますが、宅建士は、どちらかというと入居するまでの業務を行いますが、賃貸不動産経営管理士は、主に入居後の管理業務を行います。

宅建士とのW資格で仕事の幅も広がり、それだけ需要も多くなります。

参考:賃貸不動産経営管理士試験の概要

試験の区分 国家資格
受験資格 年齢・性別・学歴に関係なく、誰でも受験できます。
合格率 30%前後(今後、難易度が高くなることが予想されます
試験日時
試験の方法
例年11月の日曜日
マークシートによる選択式問題50問
難易度 普通
学習期間 半年(300時間)

管理業務主任者

管理業務主任者は、マンション管理業者の立場で、管理組合の管理者等のマンションの運営や管理に関する相談に応じ、助言・指導その他の援助を行ったり、管理組合等に対して管理委託契約に関する重要事項の説明や管理事務報告を行う際に必要な国家資格者です。

特に、管理組合に対して行う重要事項の説明やその関連書類に記名・押印する業務などは管理業務主任者の独占業務とされています。

管理会社は国土交通省へ業登録の際に事務所ごとに30管理組合に一人以上の成年者である専任の管理業務主任者を置かなければならないと定められていますし、マンションも年々増加傾向にあるため今後増々人材の需要が拡大することが予想されます。

参考:管理業務主任者試験の概要

試験の区分 国家資格
受験資格 年齢・性別・学歴に関係なく、誰でも受験できます。
合格率 20%程度
試験日時
試験の方法
例年12月の第一日曜日
四肢択一式のマークシート方式(2時間:50問)
難易度 やや難しい
学習期間 10ヵ月(500時間)

マンション管理士

マンション管理士は、管理組合の運営、建物構造上の技術的問題等マンションの管理に関して、管理組合の管理者等又はマンションの区分所有者等の相談に応じ、助言、指導その他の援助を行うことを業務とする専門家です。

管理業務主任者との違いは、管理業務主任者が、マンションの管理業者の立場から受託契約上の説明や報告を行うのに対して、マンション管理士は、管理組合側の立場に立って建物の保全や管理に関する総合的なアドバイスを行います。

今後は地震や台風などの災害対策やマンションの老朽化に伴う大規模修繕や建て替え等について管理組合でも話し合う機会が増えてきます。

このため、将来的にも専門家であるマンション管理士への需要は増加すると考えられています。

参考:マンション管理士試験の概要

試験の区分 国家資格
受験資格 年齢・性別・学歴に関係なく、誰でも受験できます。
合格率 7~9%
試験日時
試験の方法
例年11月の最終日曜日
四肢択一式のマークシート方式(2時間:50問)
難易度 やや難しい
学習期間 1年(800時間)

測量士

測量士は、民間企業や公共事業用の測量業務の依頼を受け、建設・土木工事を行う土地について、位置や高さ、長さ、距離、面積などを測量するスペシャリストです。

今後は、インフラ整備・点検の業務も増えてきますし、大規模災害が高い頻度で起こることが予想されることもあり、測量士の需要は増々向上するものと思われます。

資格取得者は、測量事務所をはじめ、建築・土木会社、電気・ガス・水道会社など測量を行うあらゆる業種で活躍できます。

特に測量士は、測量に関わる企業や営業所で少なくとも1人の配置が義務づけられていますので、転職には有利な資格になります。

参考:測量士試験の概要

試験の区分 国家資格
受験資格 年齢、学歴、国籍、実務経験等に関係なく誰でも受験できます。
合格率 例年10%前後
試験日時
試験の方法
例年1月初旬から1月末頃までに願書を受け付け、5月の第3日曜日に試験が実施されます。
難易度 やや難しい
学習期間 1年(600時間)

2級土木施工管理技士

2級土木施工管理技士とは、国土交通省が管轄する国家資格です。

河川や道路、橋梁、ダム、トンネル、鉄道、上下水道工事、災害の復旧工事などの土木工事において、現場での工程管理・安全管理・品質管理などを行う土木工事分野のスペシャリストです。

建設業界は、深刻な人手不足ですので、土木施工管理技士への需要は高く、転職においても歓迎されます。

最初は、2級土木施工管理技士として地元の建設会社に就職し、1級の土木施工管理技士を取得して経験を積めば、年収アップに繋がるだけでなく大手ゼネコンに転職することも可能です。

参考:2級土木施工管理技術検定試験の概要

試験の区分 国家資格
受験資格 年齢が17歳以上の者で一定の実務経験がある者
合格率 第1次検定60%~70%、第2次検定40%前後
試験日時
試験の方法
第1次検定は、前期・後期の年に2回、第2次検定は後期の年1回
難易度 やや易しい
学習期間 3ヵ月(200時間)

建築設備士

建築設備士は、建築設備全般における知識と技能を有し、高度化・複雑化した建築設備の設計・工事監理における適切なアドバイスを建築士に対してできることを証明できる国家資格です。

建設会社や設計事務所、電気・空調の設備メーカー、不動産会社やビル管理会社における設備設計や管理監督として多くの需要があり、今後も省エネ化や複雑な建築設備の登場により、建築設備士の高度な知識が求められることが予想されます。

また、建築設備士は、建築士へのステップアップもしやすい資格です。

参考:建築設備士試験の概要

試験の区分 国家資格
受験資格 あり
合格率 第一次試験が30%前後、第二次試験が50%前後
試験日時
試験の方法
例年、2月の下旬から3月の間に受験申込を受け付け、6月の日曜日に第一次試験、8月の日曜日に第二次試験が実施されます
難易度 やや難しい
学習期間 6ヵ月(500時間)

建設業経理士

建設業は、専門用語が多く特殊な会計処理が必要です。

建設業経理検定試験は、国土交通大臣の登録を受けた財団法人建設業振興基金が実施す試験で建設業界において必要な財務や経理に関する専門知識を身につけていることを認定する試験です。

建設業経理検定試験は、1級から4級まであり、1級と2級が建設業経理士を認定する試験です。

建設業経理士の存在は、合格した日から5年を経過する日が属する年度の年度末までは、公共工事の入札に係る経営事項審査の評価対象のひとつとなっているため、建設業界では奨励資格になっています。

5年の期間を経過した後も、「登録経理講習」を修了することで評価対象となります。

参考:建設業経理士試験の詳細

試験の区分 国家資格
受験資格 なし
合格率 財務諸表、財務分析、原価計算とも約20%
試験日時
試験の方法
年2回。
例年、9月と3月に実施
難易度 普通(1級)
学習期間 6ヵ月(350時間)

電気・工業・IT関連で転職に役立つ資格

第三種電気主任技術者

電気主任技術者とは、事業用電気工作物の工事、維持及び運用に関する保安の監督をさせるため、設置者が電気事業法上置かねばならない電気保安のための責任者です。

電気設備の保安監督は、電気主任技術者の独占業務です。

第三種電気主任技術者(通称:電験三種)は「電圧5万ボルト未満の電気工作物の工事や、維持および運用の保安の監督」を行うことが出来ます。

資格保有者は、ビルメンテナンス業や発電事業所だけでなくホテルや病院設備の保守・点検といったところからの需要も多いため、就職・転職にも有利です。

電気主任技術者は、経験者を優遇するところも少なくありませんが、独占業務があるところから経験を問わない求人も少なくありません。勿論、電験二種といった資格を取得すれば、 更に転職に有利になります。

参考:第三種電気主任技術者試験の概要

試験の区分 国家資格
受験資格 年齢・性別・学歴に関係なく、誰でも受験できます。
合格率 8~9%を推移
試験日時
試験の方法
例年9月上旬の日曜日
五肢択一式のマークシート方式
難易度 やや難しい
学習期間 1年(600時間)

MOS(マイクロソフトオフィススペシャリスト)

MOSとは、エクセルやワードなど、マイクロソフト オフィス製品のソフトの利用スキルが一定水準を満たしていることをマイクロソフトが認定する資格です。

日本では各種資料の作成、議事録の作成、プレゼンテーション資料の作成は、エクセルやワード、パワーポイントといったマイクロソフトオフィスのソフトを使用している場合が殆ど。

ExcelやWordの操作について実用的な能力が認定されるMOS資格を取得しておくと、オフィスワークへの転職や定年後の再就職においても有利になります。

参考:MOS試験の概要

試験の区分 検定試験
受験資格 年齢・性別・学歴に関係なく、誰でも受験できます。
合格率 スペシャリスト:約80%
エキスパート:約60%
試験日時
試験の方法
全国一斉試験と随時試験の2通り
CBT方式で試験時間は50分
難易度   非常に易しい
学習期間 1ヵ月(50時間)

情報処理技術者

情報処理技術者試験は、情報システムを構築・運用する「技術者」からITを活用する「利用者」まで、ITに関係するすべての人が活用できる試験として実施されています。

1(エントリーレベル)
2(基礎レベル)
3(ミドルレベル)
4(高度レベル)

の4段階のスキルレベルに分類された13種類の試験で構成されています。

職種や業種を問わず、幅広く認知・活用されている試験なので、合格者は、情報処理技術者としての知識・技能が一定以上の水準であることを客観的に証明することができます。

情報処理技術者は、時代のニーズにマッチし、需要も多く人材不足も慢性化していることから、数ある資格の中でも転職に有利な資格の一つと言うことができます。

社会人3年目くらいまでの転職ではITパスポートや基本情報技術者を評価してくれるところがありますが、以降の転職に役立てたいのであればミドルレベルの応用情報技術者以上の資格を取得するのがおすすめです。

特に、ITストラテジストプロジェクトマネージャなどは好条件で迎え入れられますす。

参考:情報処理技術者試験の種類と難易度

試験の区分 国家資格
受験資格 年齢・性別・学歴に関係なく、誰でも受験できます
合格率 試験による
試験日時
試験の方法
年1回または年2回、試験によって異なります
四肢択一や記述式
難易度
学習期間 200時間~1,800時間

情報処理安全確保支援士

情報処理安全確保支援士は、情報セキュリティの重要性が高まっている中、政府機関や企業等における情報セキュリティ確保支援を業とする人材確保のために新設された国家資格です。

情報セキュリティ国家資格の最高峰の資格とされており、さらに、情報系資格初の登録制「士業」となったことで注目を集めています。

社会的なIT依存度の高まりから、サイバー攻撃による社会的脅威が急速に増大していおり、セキュリティの強化やその対策に関する業務を強化する企業は今後、ますます増えてきます。

このため、セキュリティに関する国家資格の頂点である情報処理安全確保支援士の資格取得者は就職や転職には間違いなく有利になります。

特に、中堅・大手企業は、情報セキュリティに関しては特に敏感になっていますから、この資格があれば、大手企業への就職・転職も夢ではなくなります。

参考:情報処理安全確保支援士試験の詳細

試験の区分 国家資格
受験資格 年齢・性別・学歴に関係なく、誰でも受験できます。
合格率 例年15~20%前後
試験日時
試験の方法
年2回、例年4月の第3日曜日、10月の第3日曜日に実施
午前1・2と午後1・2に分かれて実施されます
難易度 難しい
学習期間 1年~(1200時間)

ウェブデザイン技能士

ウェブデザイン技能検定は、特定非営利活動法人「インターネットスキル認定普及協会」によって実施される、ウェブサイトのデザイン(設計)に必要な知識やスキルを問う国家試験です。

ウェブサイトの構築やデザイン設計の技術を客観的に評価する検定試験として、企業や教育機関などに就職・転職する際のスキル評価の目安となることが期待されています。

1級、2級、3級があり、1級の合格者には厚生労働大臣より、2級及び3級の合格者には協会理事長より、ウェブデザイン技能士の合格証書が発行されます。

ウェブデザイン技能士は、合格者でなければ名乗ることは出来ない名称独占資格です。

参考:ウェブデザイン技能検定試験の詳細

試験の区分 国家資格
受験資格 年齢・性別・学歴に関係なく、誰でも受験できます。
合格率 2級:35%前後
試験日時
試験の方法
2級、3級については年4回、1級については年1回(学科と実技に分けて)行われます
難易度 やや易しい
学習期間 3ヵ月(200時間)

ウェブ解析士

ウェブ解析士は、ウェブマーケティングにおいて、成果につながるアクセス解析やウェブ解析ができる人材を育成することを目的として、一般社団法人ウェブ解析士協会(WACA)が発行する民間資格です。

ウェブ解析士は、アクセスの解析やウェブの解析をしてウェブマーケティング計画を立案し、目標を達成するウェブ戦略を考え、サイトの問題点の改善する人材です。

ウェブ解析士試験の問題は、一般社団法人ウェブ解析士協会が発行する公式テキストから出題されます。

2023年度ウェブ解析士認定試験より、試験合格後のレポート作成・提出は不要となりました。

参考:ウェブ解析士試験の詳細

試験の区分 民間資格
受験資格 年齢・性別・学歴に関係なく、誰でも受験できます。
合格率 例年60~70%前後
試験日時
試験の方法
インターネット環境のPCを使用して60分60問、4択問題
難易度 非常に易しい
学習期間 0.5ヵ月(30時間)

技術士

技術士は、公益社団法人日本技術士会により実施される国家資格で、科学技術に関する分野において高度な専門知識と応用能力を持つ者であることを証明する資格です。

認知度は低いのですが、技術分野では最高位の資格と評されています。

各技術分野において、計画、研究、設計、分析、試験、評価、または、これらの指導業務などを行うことを業務とし、就職先は、建設会社をはじめ、民間コンサルタント企業、官公庁が一般的です。資格を活かして独立開業も可能です。

例えば、建設業を営む場合は、舗装工事業、土木工事業、土工・コンクリート工事業の営業所ごとに必ず置かなければならない専任技術者になることができたり、公共事業の入札審査の際には、技術士の人数が重要な判断材料になりますので就職・転職には非常に有利になります。

参考:技術士試験の詳細

試験の区分 国家資格
受験資格 第一次試験は年齢・性別・学歴に関係なく、誰でも受験できます
第二次試験は第一次試験合格後一定の実務経験があるものなど
合格率 第二次試験は例年15%前後
試験日時
試験の方法
第一次試験は例年、6月中旬~7月初旬に願書が配布・受付され10月に試験
第二次試験は例年、4月初旬~4月下旬に願書が配布・受付され7月に試験
難易度 かなり難しい(第二次試験)
学習期間 2年(1500時間)

危険物取扱者

危険物取扱者は、消防法に基づく危険物を取り扱ったり、その取扱いに立ち会うために必要となる国家資格です。

一定数量以上の危険物を貯蔵し、又は取り扱う施設には、危険物を取り扱うために必ず危険物取扱者を置かなければならないため、安定した需要があります(必置資格)。

危険物取扱者の資格を甲種、乙種、丙種の3種類に分けて取り扱うことができる危険物を分けていますが、中でも人気があるのが、乙種第4類危険物取扱者、通称、乙4(おつよん)です。

乙種第4類は、生活に身近なガソリンや灯油などを取り扱うことができ、セルフ式ガソリンスタンドでの立ち合い業務もできます。

参考:危険物取扱者(乙種第4類危険物取扱者)試験の概要

試験の区分 国家資格
受験資格 乙種と丙種は、年齢、学歴、国籍、性別、実務経験等に関係なく誰でも受験可能
合格率 乙種:40%程度
試験日時
試験の方法
都道府県ごとに試験の日程や試験の実施回数が異なる
難易度 やや易しい
学習期間 半年(250時間)

語学関連で転職に役立つ資格

TOEIC:700点

TOEIC(Test of English for International Communication:トーイック)とは、英語を母国語としない人の英語コミュニケーション力をはかる世界共通テストです。

合否の判定ではなく10点から990点までのスコアで評価される試験です。

就職・転職活動や社内での昇進試験などでその判断基準として多く使用されるため、ビジネスマンには圧倒的に人気があります。

履歴書に記入して評価されるのは600点から、グローバルな部署で即戦力として使えるレベルは750点からというのが一般的な目安です。

このように就職や転職に有利になるのは600点ほどからと言われていますが、より強力な武器にしたい場合は、700点を目指すと良いでしょう。

参考:TOEICの試験概要

試験の区分 世界共通のテスト
受験資格 年齢・性別・学歴に関係なく、誰でも受験できます。
合格率 スコア方式(990点満点)
試験日時
試験の方法
年10回(1・3・4・5・6・7・9・10・11・12月)全国80都市で実施
リスニングセクション(100問45分)とリーディングセクション(100問75分)に分けて実施されます。合計2時間。
難易度 700点 やや難しい
学習期間 1年(700時間)

実用英語技能検定2級

実用英語技能検定とは、公益財団法人日本英語検定協会が実施する英語技能の検定で、一般に英語検定または英検と呼ばれています。

50年以上の歴史があり、国内の英語の資格試験では最も受験者数の多い試験です。

社会的に広く認められた資格ですので、2級以上の取得者が優遇される機会は少なくなく、特に、準1級・1級ともなれば、外資系企業を始め、貿易関係や物流関係で優遇されるのは勿論のこと、あらゆる職場で優遇されます。

今後は、少子化に伴い、グロ-バル化の加速が予想されますので、増々必要な資格として注目されると思われます。

間違いなく、就職や転職に有利になります。

参考:実用英語技能検定2級試験の概要

試験の区分 検定試験
受験資格 年齢・性別・学歴に関係なく、誰でも受験できます。
合格率 1次試験が30%程度、2次試験が80%程度
試験日時
試験の方法
試験は、年3回、全国の会場で実施されます
筆記(85分)とリスニング(約25分)
難易度 2級 やや難しい
学習期間 1年(500時間)

法律・会計関連関連で転職に役立つ資格

司法書士

司法書士は、他人の依頼を受けて、裁判所や検察庁、法務局に提出する書類を作成する仕事や、家屋や土地など不動産の権利に関する登記、会社設立時の商業登記、また、供託手続きにおける代理手続きなどを行う法律事務の専門家です。

不動産や会社の登記申請がメインの仕事ですが、高齢者などの成年後見人になったり、簡易裁判所における訴訟業務を行ったり、また、遺言書作成などの相続関係業務などを行ったりと、仕事の幅は拡大しています。

司法書士は、高度な法律知識を使って、暮らしの法律問題を解決する身近な法律家として社会的なステイタスも高く、安定した需要が期待できます。

参考:司法書士試験の概要

試験の区分 国家資格
受験資格 受験資格なし
合格率 4%ほど
試験日時
試験の方法
試験は、年1回。筆記試験は例年7月上旬、口述試験10月中旬に実施
筆記試験は午前2時間と午後3時間に分けて実施
口述試験は15分程度(筆記試験合格者のみ)
難易度 非常に難しい
学習期間 3年~(3000時間)

弁理士

弁理士は、特許権・実用新案権・意匠権・商標権などの知的財産に関する専門家です。

特許、実用新案、意匠、商標、国際出願などの出願代理、鑑定などは弁理士の独占業務です。

弁理士になるためには、毎年1回行われる弁理士試験に合格し、実務修習を修了後、弁理士登録をする必要があります。

裁判所や大学、研究所、企業等への就職・転職に有利です。

参考:弁理士試験の概要

試験の区分 国家資格
受験資格 受験資格なし
合格率 6~9%ほど
試験日時
試験の方法
試験は、年1回
短答式、論文式、口述式試験が行われます
難易度 非常に難しい
学習期間 3年~(3000時間)

社会保険労務士

社会保険労務士は、企業を経営する上で重要な4大要素「人・物・お金・情報」の中で一番重要な「人」に関するエキスパートとして活躍する専門家です。

労働保険・社会保険諸法令に基づいて、行政機関への提出書類や申請書等の作成・提出代行、年金や就業規則の相談・指導、労務や社会保険に関するコンサルティングなどを行いますので企業の人事部門で需要があります。

資格取得後の進路としては、独立して事務所を構える「開業社会保険労務士」となることもできますが、一般の企業などに勤めながら社会保険労務士を名乗ることができる「勤務社会保険労務士」になることもできます。

勤務社会保険労務士で人脈を作り、後に独立するケースや定年前に資格を取得して定年後に独立を果たしている人も少なくありません。

働き方改革の推進など頻繁に改正される労働諸法令に対応できる人材として需要が高く、企業からも高いニーズがあり、就職や転職でも大きな武器となります。

参考:社会保険労務士試験の概要

試験の区分 国家資格
受験資格 細かい受験資格があります
合格率 6%ほど
試験日時
試験の方法
毎年8月の第4日曜日または第5日曜日
選択式試験 80分
択一式試験(5肢択一式) 210分
難易度 難しい
学習期間 1年~(1000時間)

通関士

通関士は、税関を通す貨物の輸出や輸入に必要な申請書類の作成や手続きを代行したり、申請が許可されなかった場合の不服申し立てなどを行う通関業務のエキスパートで、財務省が認定する貿易業界唯一の国家資格です。

原則として営業所ごとに通関士を置くことが義務づけられおり、通関業者は、他人の依頼に応じて税関に提出する申告書等については、通関士にその内容を審査させ、かつ、これに記名押印させなければならないと定められていますので、通関士の需要は安定していると言えます。

通関業務(業者)は、航空会社や倉庫業者、運送会社、メーカーおよび物流会社などが兼務しているので、これらの企業が主要な就職・転職先になります。

通関士の業務は書類作成をはじめ細かな作業が中心であるため、女性に向いている資格ともいえます。実際、受験者層も40%以上が女性です。

参考:通関士試験の概要

試験の区分 国家資格
受験資格 受験資格はありません
合格率 10~20%ほど
試験日時
試験の方法
例年7月から8月に試験の申込が受付され10月の第1日曜日に試験が実施されます
マークシート形式
選択式・択一式・計算式・選択式/計算式
難易度 やや難しい
学習期間 1年(700時間)

日商簿記検定2級

日商簿記2級は、日本商工会議所によって実施される簿記に関する検定試験です。

調査によると企業が求める資格として最もニーズの高い資格の一つだと言われています。

簿記の検定には、「日商簿記」「全商簿記」「全経簿記」などがありますが、知名度が高く最も人気のあるのが、日商簿記です。

日商簿記検定試験は、初級、3級、2級、1級と別れており、基礎レベルとされる3級合格後にスキルアップとして挑戦する方が多いのが2級です。

特に経理業務に関する求人が多く、基礎理解を測る物差しとして判断されており、2級合格者は転職や就職において有利になります。

参考:日商簿記検定2級試験の概要

試験の区分 検定試験
受験資格 年齢・性別・学歴に関係なく、誰でも受験できます。
合格率 11%~47%とまばら
試験日時
試験の方法
6月の第2日曜日、11月の第3日曜日、2月の第4日曜日の3回
商業簿記と工業簿記(原価計算含む)で時間は120分
難易度   普通
学習期間 半年(350時間)

コンサルタント系で転職に役立つ資格

中小企業診断士

中小企業診断士は、企業の成長戦略の策定について専門的知識をもってアドバイスする国内唯一の経営コンサルタントの国家資格です。

資格保有者は国から経営のスキルがあると認定されることもあり、ビジネスパーソンが新たに取得したい資格として最も人気のある資格の一つです。

経済学、経営戦略、人事、マーケティング、財務・会計、物流、店舗管理、IT、法務など幅広い知識があることが証明できるため転職の際にも高く評価されます。

現役時代に企業の経営や専門的な分野で活躍されていた方などで資格保有者であれば良い条件での転職が期待できますし、独立して活躍することも可能です。

参考:中小企業診断士試験の概要

試験の区分 国家資格
受験資格 1次試験:年齢・性別・学歴に関係なく、誰でも受験できます。
2次試験:1次試験合格者
合格率 1次試験、2次試験ともに合格率は20~25%を推移
試験日時
試験の方法
1次試験:例年7月または8月上旬の土曜日・日曜日の2日間
2次試験:筆記試験〈10月中旬の日曜日〉
口述試験〈12月中旬の日曜日〉
難易度 難しい
学習期間 1年~(1200時間)

インテリアコーディネーター

インテリアコーディネーターは、インテリアに関する幅広い商品知識を持ち、インテリア計画や商品選択のアドバイスなどを行うインテリアの専門家です。

顧客から、どういう空間をイメージしているのかをしっかりヒアリングし、室内の家具や照明、壁紙や内装、インテリア小物、カーテンなどのファブリックスなどをコーディネートすることで、住む人にとって快適な住空間を提案します。

インテリアコーディネーターは、インテリアショップやインテリアメーカー、住宅メーカー、設計事務所、工務店、デザイン事務所など幅広く需要がありますので資格保有者は就職や転職に有利になります。

参考:インテリアコーディネーター資格試験の概要

試験の区分 民間資格
受験資格 年齢・性別・学歴・職業・経験等に関係なく誰でも受験できます
合格率 例年25%前後
試験日時
試験の方法
例年7月下旬から8月下旬にかけて願書が配布・受付され、10月の第2日曜日に一次試験、12月の第1日曜日に二次試験が実施されます
難易度 普通
学習期間 半年(300時間)

その他の資格で転職に役立つ資格

秘書検定

秘書検定は、会社の役員や経営者の秘書としてのみならず、 社会人として求められる一般常識や接遇・マナーなど必要な能力について知識及び技能を問う検定試験です。

秘書検定の資格は、秘書としての資質や知識だけでなく、社会人としてのマナーやコミュニケーション能力、一般常識も身に付けないと取得できないため、営業や事務、受付といったあらゆる職種においても役に立つ資格です。

但し、転職に有利になるのは、女性の2級以上の資格取得者です。社会に出て3年以上経っている場合は、準1級が欲しいところ。事務職としても採用で優遇されます。

参考:秘書検定試験の概要

試験の区分 民間資格
受験資格 年齢や性別などの受験資格はありません
合格率 2級:例年50~70%
試験日時
試験の方法
2級は6月・11月・2月の年3回実施のほか2級と3級については、CBT試験も可能
難易度 易しい
学習期間 2ヵ月(150時間)

管理栄養士

管理栄養士は、厚生労働大臣の免許を受けた国家資格で、食事や栄養に関する高度な指導や、栄養素の計算など食事の管理を行う栄養のプロです。

管理栄養士への需要は年々増えており、特に病院や老人ホームや介護施設などへの就職や転職では、断然有利になります。

但し、人手不足の職場では、本来は栄養士や介護士、事務員がする仕事や雑務など、管理栄養士免許がなくてもできる仕事を行わなければならないことも少なくありませんので、就職・転職の際は、管理栄養士に対して理解ある職場を選ぶのがポイントです。

参考:管理栄養士試験の概要

試験の区分 国家資格
受験資格 4年制の管理栄養士養成施設を卒業して栄養士の免許を受けた者又は、大学・短大・専門学校などの栄養士養成施設を卒業し、栄養士資格を取得後1年から3年の実務経験を積んだ者
合格率 60%前後
試験日時
試験の方法
例年2月下旬の日曜日に試験が実施されます。2021年は、午前2時間25分の97問・午後2時間40分の103問で行われました
難易度 やや難しい
学習期間 1年(800時間)

個人情報保護士

個人情報保護士とは、財団法人 全日本情報学習振興協会が主催する民間資格です。

個人情報保護法(個人情報の保護に関する法律)を正しく理解し、企業内のセキュリティに関するリスク分析や安全管理など、個人情報の管理運用や対策を行う専門家を目指します。

個人情報を扱う人事・労務・総務といった部署で活躍したい方や、就職・転職を有利にしたい人は、資格を取得しておくことでアピール材料の一つとなります。

今後、個人情報保護士の重要性はより増していくと考えられます。

参考:個人情報保護士試験の概要

試験の区分 民間資格
受験資格 受験資格なし
合格率 40%前後
試験日時
試験の方法
年に4回実施
例年10時から12時45分に課題Ⅰと課題Ⅱに分けて行われ、試験時間は150分です
難易度 易しい
学習期間 3ヵ月(150時間)

転職に役立つ資格 まとめ

以上、転職に役立つ資格について紹介してきました。

資格さえあれば就職や転職活動が上手くいくというわけではありませんが、資格は、異業種の方でも、新たな業種への転職を考える際に、経験の無さや少なさをカバーできる武器となります。

面接の担当者は、資格の有無だけでなく、資格の取得を目指す本人の姿勢も評価します。

また、アピールの仕方として取得した資格をすべて記載するのはNGです。資格取得が目的化していると企業の担当者から思われ、逆にマイナス評価をされることにもなりかねません。

企業が本当に期待していることを資格欄に記載し、選考に臨むことが重要です。