自毛植毛と人工毛植毛のメリット・デメリット

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植毛とは、頭皮に髪の毛を植え付ける薄毛治療のことです。

育毛剤や薬では効果が無い、確実に効果を得たいと考える人の選択肢の一つです。

植毛には、自毛植毛人工毛植毛があります。

ここでは、植毛とはどういう施術か?また、自毛植毛と人工毛植毛の違いやそれぞれのメリット・デメリットを解説します。

植毛とは

植毛とは、頭皮の薄毛部分に、後頭部の自分の髪の毛を移植したり、人工的に作られた髪の毛を植え付ける施術のことです。

育毛や増毛と違って、医療行為にあたります。

医療行為:「医師法」によって、医師以外の者が行ってはいけない行為のこと。人体の安全などの観点から、医業を医師の独占とさせ、一般の人が医業を行うことを禁止するために定められています。

薬など他の薄毛治療では効果がない人や確実に薄毛効果を得たい人などに利用されています。

植毛の仕方には、自毛植毛人工毛植毛の2種類あり、

  1. 自分の髪の毛を移植する植毛を自毛植毛
  2. 人工的に作られた髪の毛を植え付ける植毛を人工毛植毛

と言っています。

植毛は、男性に限らず女性も行うことができます。

植毛はもともとヤケドや事故などで頭髪を失った方の為の治療から始まったものですが、近年は薄毛治療で植毛を利用する方が増えています。

クリニックによっては、ARTAS(アルタス)という植毛専用の機器を使うところもあります。

以下に自毛植毛と人工毛植毛について少し詳しく解説します。

自毛植毛

自毛植毛とは?

自毛植毛とは、自分の髪を移植する施術です。

男性の薄毛の原因で断トツに多いと言われるAGAは、前頭部の生え際部分や頭頂部は薄毛になるものの、後頭部や側頭部は、しっかり生えているものです。

これは、後頭部や側頭部の髪の毛はAGAの影響を殆ど受けないためです。

自毛植毛は、自分の後頭部や側頭部の髪の毛を前頭部や頭頂部などの薄毛の部分に毛包(ドナー)ごと移植する施術です。従って、移植できる株(毛包)数には個人差があります。

自毛植毛

そして、自毛植毛には、FUTFUEという施術方法があります。

FUT法

FUTは、バリカンなどで後頭部の髪を刈り取った後、例えば2cm×7cmの長方形の皮膚ごとメスで切り取ってその皮膚からドナーを採取し、それを薄毛部分に小さな切り込みを入れながら植え付けていく施術です。

ドナーは机上で採取することができるため一般的に毛根を傷つける可能性も低くなり、移植後の定着率も高くなります。結果、多くの毛髪を移植できるというメリットがあります。

定着率とは移植した毛包のうち実際に生える確率です。生着率とも言われます。

後頭部は、上と下の皮膚を結びつける縫合処理が施されますので、傷口が完治するまでに時間がかかったり、傷跡が残って目立つことがあります。

FUE法

FUE法は、パンチと呼ばれるくり抜き器具を使用し、人の手で1つ1つのドナー(毛包)を採取し、それを薄毛部分に小さな切り込みを入れながら植え付けていく施術です。

一般的にメスを使わない植毛と言われています。

頭部から1つ1つのドナー(毛包)を傷つけずに採取しなければならないため緻密な作業と技術が要求されます。

従って、移植後の定着率は医師や看護師の技量に大きく左右されます。腕のいい医師や看護師であればFUT法と変わらない高い定着率を実現できます。

後頭部は、丸くて白い小さいポツポツとした傷跡が移植した数だけ残ってしまうとはいえ、時間とともに傷跡はあまり目立たなくなります。

一般的にFUTによる植毛より費用は高額になります。

自毛植毛のメリット

自毛植毛のメリットは、

  1. 自分の髪の毛を移植するのでアレルギーなどの拒絶反応が少なく安全
  2. 植毛した毛の定着率が高く、定着すればそのまま普通の毛のように生えていく(※定着率は施術するクリニックの医師・看護師の技術力によって異なります)
  3. 植毛した髪の毛(毛包)は、AGAの影響を受けない毛包のため移植後は移植した髪が薄毛になる可能性は低い
  4. 正常なヘアサイクルで自分の髪の毛として半永久的に生える抜けるを繰り返す
  5. 日常のメンテナンス・再施術は基本的に必要ない

といったことがあげられます。

自分の髪の毛として一生伸び続けますので理想的な植毛です。

自毛植毛は、一つ一つの毛包をパンチでくり抜いて採取するため、毛根を切断したり傷つけてしまう可能性も高くなります。傷ついた毛根からは髪の毛が生えにくくなります。

施術後一定期間が経過すればカットやカラーもできればパーマも可能です。

現在は殆どのクリニックが自毛植毛を行っています。

自毛植毛のデメリット

一方、自毛植毛にも下記のようなデメリットがあります。

  1. 後頭部や側頭部の頭皮を切り取って移植するので、切り取った際の傷が残る場合がある(FUEで行った場合は傷跡は殆ど目立ちません)
  2. 自分の髪の毛を移植するので移植する髪の毛の量に制限がある
  3. 初期費用が高い(基本的に後のメンテナンス費用がかかりません)
  4. 生え揃うまでに時間が掛かる
  5. 医師や看護師などの施術者の技術力によっては定着率(植えた髪が生えてくる確率)が低かったり、自然な仕上がりにできない場合がある

①は、髪の毛が伸びている間は髪の毛に隠れて傷跡は見えませんが、短くした場合などは、傷跡が見える場合があります。とはいえ、腕のいい人に施術を行ってもらった場合は髪を短くしても傷跡は殆ど目立ちません。

②は、移植元に髪の毛の本数に限りがあるためです。

③の費用はクリニックによって異なりますが、一般的に「基本治療量20万円~+1株800円~×移植本数」といった計算になります。

例えば1,000株植毛する場合は、100万円となります。この先、育毛・発毛関連の商品を使い続ける費用や薬による健康リスクを考慮すると高くないかもしれません。

④の生え揃うまでに時間がかかる、というのは、植毛してから5cmくらいまで生え揃うまでにはおよそ半年以上かかります。

会社員などで植毛したことをバレないようにするのは難しいと言えます。

人工毛植毛

人工毛植毛とは?

人工毛植毛とは、ナイロンやポリエステルなどの合成繊維で人工的に作られた毛髪を頭皮に植え込んでいく施術方法です。

人工毛は、毛の質や光沢など、ほぼ人の髪の毛を再現しており、毛の強度や耐熱温度などは人毛より優れているといわれています。

人工毛植毛

人工毛を使うため、自毛植毛のように植毛する髪の毛の本数に制限はありません

人工毛植毛のメリット

人工毛植毛のメリットは、

  1. すぐに頭髪を増やすことができる
  2. 自分の髪を使わないので毛包(株)が採取できない人でも行うことができる
  3. 植毛する本数に制限がない
  4. 長さや太さ、色など自分の希望・理想に近づけることができる
  5. 初期費用は一般的に自毛植毛より安い

などがあげられます。

自分の髪の毛を移植する訳ではないため植え付ける髪の本数に制限はありません。従って、進行した薄毛でもOKですし、ボリューム感のある仕上げにもできます。

⑤の初期費用は、一般的に自毛植毛の半額以下でできます。

また、自毛植毛のように生え揃うまで長期間待つ必要はなく、施術をした日に希望した髪の状態を手に入れることができるのもメリットです。

人工毛植毛のデメリット

一方、人工毛植毛のデメリットとしては、

  1. 髪の毛が抜けやすい、一度抜けると生えてこない
  2. 頭皮へのダメージが少なくない(毛穴に細菌が繁殖しやすく、頭皮が炎症したり、化膿したりすることもある)
  3. 人によってはアレルギーなどの拒絶反応(発疹やかゆみ、蕁麻疹など)を起こす可能性がある
  4. 経年劣化が起きる
  5. 切れた人工毛が皮膚内に残ったりすることがある
  6. ヘアカラーやパーマ・髪型変更は原則不可
  7. 丁寧なケアを行う必要がある
  8. 状態を維持するためにメンテナンスが必要で費用がかかる

などがあげられます。

①は、施術の状態によっては髪の毛が抜けやすくなったりします。人工毛なので一度抜けたら生えてきませんし、一度切ったらその長さが固定されます。

このため、美容師さんにはその旨伝えておく必要があります。

⑦の丁寧なケアとは、人工毛を脱落させない程度のブラッシング、頭皮に負担をかけないシャンプー選びやシャンプーの仕方などです。

また、ヘアカラーやパーマもすることができません。

⑧は、人工毛植毛は初期費用は自毛植毛より安くつきますが、抜けた部分や経年劣化した部分の修復のための定期的なメンテナンスが必要になるということです。

ランニングコストがかかるので結局は自毛植毛よりコストが高くつくのが一般的です。

人工毛植毛は、安全性が低く頭皮トラブルが多いとしてアメリカでは法律で禁止されています。

自毛植毛がおすすめ

以上のことから植毛を検討する場合は、自毛植毛がおすすめです。

男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン

日本皮膚科学会の「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン」でも、

自毛植毛は、

  1. 男性型脱毛症の場合は、推奨度B(行うよう勧める)
  2. 女性型脱毛症の場合は、推奨度C1(行ってもよい)

とされているのに対し、

人工毛植毛は、

  1. 男性型脱毛症・女性型脱毛症を問わず、推奨度はD(行うべきではない)

となっており、自毛植毛を推奨しています。

まとめ

以上、植毛とはどういう施術か?また、自毛植毛と人工毛植毛の違いやそれぞれのメリット・デメリットを解説してきました。

ミノキシジルやフィナステリドなどの薬などによる薄毛治療に効果を感じない方や薬の副作用が気になる方、また確かな効果を得たいという方は植毛という選択肢があります。

植毛には自毛植毛と人工毛植毛がありますが、安全性やその後のメンテナンスのことを考えると自毛植毛がおすすめです。

但し、自毛植毛は、毛包を採取する際、毛根を傷つけてしまう確率を極限まで低くするためにも高度な技術を持った医師・看護師がいるクリニックを選ぶのが重要です。

でなければ、大金を支払ったにもかかわらず無駄になってしまう毛髪の数が増え、希望通りの薄毛治療ができない可能性も出てきます。

尚、植毛に失敗というのはないか、というと絶対無いとは言い切れませんが、これも評判のいいクリニックを選ぶことでそのリスクを最小限に抑えることができます。