定年後の独立開業におすすめの資格「行政書士」

定年後の独立開業におすすめの資格「行政書士」

ここでは、行政書士とはどういう職業か、行政書士になるにはどうしたらよいか、また、行政書士試験の内容や難易度、さらには、定年後、行政書士として独立するにはどうすれば良いか、などを解説しています。

行政書士とは?

行政書士とは、行政書士法により誕生した国家資格です。

他人の依頼を受け報酬を得て、

・官公署へ提出する書類、権利義務や事実証明に関する書類を作る「書類作成業務
・その申請を代わりに行う「許認可申請の代理
・書類の作成についてクライアントからの相談を受けアドバイスを行う「相談業務

の3つの業務を行います。

例えば、遺言においては、遺言書の起案・作成の支援、遺産相続においては遺産分割協議書等の作成、相続財産の調査、相続人の確定調査などを行います。

これらの業務は原則として行政書士しか行えません(独占業務)。

行政書士は、定年後の再就職というよりも、比較的少ない資金で開業できることや自分のペースで仕事ができることから定年後の独立開業を目指す方に人気があります。

参考:定年後に役立つ資格

行政書士になるには?

次に該当する者が行政書士となる資格を有します。

・行政書士試験に合格した者
・弁護士となる資格を有する者
・弁理士となる資格を有する者
・公認会計士となる資格を有する者
・税理士となる資格を有する者

及び、国又は地方公共団体の公務員として行政事務を担当した期間及び特定独立行政法人又は特定地方独立行政法人の役員又は職員として行政事務に相当する事務を担当した期間が通算して20年以上(学校教育法(昭和22年法律第26号)による高等学校を卒業した者その他同法第90条に規定する者にあっては17年以上)になる者

そして、行政書士として業務を行うには、都道府県の行政書士会に必要書類を提出して、行政書士会に入会する必要があります。

特定行政書士とは?

行政書士法が2014年に改正され、特定行政書士が誕生しました。

特定行政書士とは、行政書士が作成した官公署に提出する書類に係る許認可等に関する審査請求、異議申立て、再審査請求等行政庁に対する不服申立ての手続について代理し、及びその手続について官公署に提出する書類を作成することができる行政書士です。

全18時間の研修を受け、試験に合格することで特定行政書士になることができます。

試験の合格率は7割程度。難関ではありませんが、受験者は全て行政書士なのに3割が不合格となる試験ですから油断すると不合格になります。

行政書士試験の概要

受験資格

年齢・性別・学歴に関係なく、誰でも受験できます。

試験日時・試験地

試験日時

例年11月の第2日曜日

午後1時から午後4時まで(3時間)

試験の方法と内容

行政書士試験は、大きく法令科目と一般知識科目の2つに分けて実施されます。

行政書士の業務に関し必要な法令等(46題)と行政書士の業務に関連する一般知識等(14題)の合計60問、300点満点の試験です。

行政書士の業務に関し必要な法令等 行政書士の業務に関連する一般知識等
試験科目 憲法、行政法(行政法の一般的な法理論、行政手続法、行政不服審査法、行政事件訴訟法、国家賠償法及び地方自治法を中心とする。)、民法、商法及び基礎法学の中からそれぞれ出題 政治・経済・社会、情報通信・個人情報保護、文章理解
試験の方法 択一式及び記述式 択一式
配点 244点 56点

合格基準・合格率

合格基準

次の要件をいずれも満たす必要があります。

・行政書士の業務に関し必要な法令等科目の得点が122点以上
・行政書士の業務に関連する一般知識等科目の得点が24点以上
・試験全体の得点が180点以上

尚、合格基準については問題の難易度を評価し補正的措置が加えられることもあります。

問題の難易度に関わらず、合格基準点は6割ですので、合格率は年度によって多少のばらつきが出ます。

合格率

平成30年度の合格率は12.7%でした。

平成26年は8%、平成29年は15.7%とばらつきがあります。

受験手数料(平成30年実績)

7,000円

難易度と合格までの時間の目安

難易度: やや難しい

合格までの学習時間の目安:800時間

おすすめの通信講座

行政書士の学習は合格率の高いフォーサイトがおすすめです。

定年後に行政書士として独立開業するには

定年後に行政書士として独立開業

行政書士として定年後に独立する戦略

行政書士は他の士業と比較して難易度は低いものの比較的独立しやすい資格です。

実際、比較的少ない資金で自宅でも開業できることから、定年後に行政書士として独立開業されるシニアは少なくありません。

行政書士として専業で活躍する方はもちろん、副業として週末だけ仕事を受注する方、知人やホームページから依頼を受けた時だけ働く方もいます。

人生経験が豊かで人脈も広く、また年金収入が見込める定年後・老後の独立にこそ適した資格で、失敗するリスクも少ないと言えます。

とはいえ、他の士業同様、開業すればすぐに仕事の依頼が来るほどあまい世界ではありません。

成功者側にまわるためには、押さえておかなければならないポイントがあります。

WEB戦略を構築する

現在は、何か問題があれば、まずはスマホなどを使ってネットで検索してきます。

近年はホームページやブログなどインターネットを使った集客を積極的に行っている士業事務所が台頭してきている現実もあり、WEB戦略の構築は無視できないものとなっています。

この時代の流れを活用し、WEBやSNSをライバルよりうまく活用すれば経験や実力では敵わなくても収入面で超えることも可能になります。

特に、近年はホームページを作成してインターネットでの集客を積極的に行っている行政書士事務所が台頭してきています。

私も自営業時代に代金を支払ってくれないお客様への対応で、ネットで検索をかけてヒットした行政書士に債権の回収を依頼したことが何度かあります。内容証明郵便を送ってもらうだけでしたが、1万円ほど支払っていました。

特に知り合いとか、近場の行政書士に頼んだのではなく、「債権回収」といったワードでひっかかった最初の行政書士に依頼しました。以来、15件ほど同じ人に依頼しました。

ネット社会ではこういったことは今後もあります。

仕事のネットワークを構築する

独立開業を成功へと導くには人脈作りも非常に重要です。

異業種交流会などに参加して不動産業者や税理士、弁護士などとネットワークを構築するなど、自ら積極的にそういった場に顔を出すことが人脈作りには欠かせません。

また、商工会議所や行政書士会、その他公的機関が定期的に開催する無料相談会など地域のセミナーや行事に参加して、仕事に結びつけるといったことも重要です。

こういった仕事の中から仕事を引き受けるということもあります。

関連記事

めでたく難関の国家試験に合格し、士業として独り立ちするとき、営業の一環として必要になってくるのが営業用のホームページです。 今や士業もインターネットでの集客を意識しなければ生き残っていけない時代となりまし[…]

士業のホームページにおすすめのWordPressテーマ

専門分野を掲げる

他の行政書士との差別化を図るためにも、また、依頼者が仕事を頼みやすくするためにも、自分の得意分野・専門分野を決めるのが有効だと思います。

「何でもできます」というのと「遺言・相続専門です」という行政書士では、専門家に依頼したくなる人が多いのではないでしょうか。

行政書士の専門分野としては、日本国籍取得、遺言・相続、内容証明郵便・公正証書作成、建設・産廃、運輸・交通、法務・会計、会社法などがあります。

現在は、ホームページやブログでもその存在や得意分野をアピールすることができますのでそういったものを活用することも大事な営業の一つとなります。

また複数の分野を掛け合わせることで、他の行政書士が持たない付加価値を作り出すことも可能ですし、司法書士や税理士は難関だとしても、宅建士や社会保険労務士、FPなどの資格を併せ持つことで仕事の幅も広がります。

関連記事

サラリーマンという不条理な世界から脱却して働きたい、会社に振り回されずに働きたい、組織の中の歯車としてより独立して働きたい、そう考えている人も多いと思います。 それを実現するためには、起業という方法もあり[…]

独立できる資格
関連記事

資格を取ってスキルアップを図りたい、昇進・昇格したい、就職や転職に活かしたい、独立したい、と考えて、いざ、目ぼしい国家資格の受験資格の要件を確認してみると、一定の学歴が必要だったり実務経験が必要だったりしてガッ[…]

受験資格なしの国家資格