柔道整復師試験の概要と独立開業にあたっての留意点

ここでは、柔道整復師試験の概要と独立開業にあたっての留意点などを解説しています。

柔道整復師とは?

柔道整復師は、ほねつぎ・接骨師・整骨師として、骨折・脱臼・打撲・捻挫・挫傷・肉離れなどの急性のけがに対して施術を行う国家資格を持つ専門家です。

整骨院や接骨院で施術をする人は、正式には柔道整復師です。

同じようなマッサージ施術をする整体師というものがあり、両者は混同されやすいのですが、柔道整復師と整体師は内容が異なります。

柔道整復師 整体師
国家資格 民間資格(または無資格)
捻挫や打撲などの外傷を負った場合に施術 関節や骨格などの歪みを矯正したり、リラクゼーション目的の施術
保険適用あり 保険適用なし
開業可 開業可

柔道整復師は、保険を利用できる点でアドバンテージがあります。

整体師は無資格者でもなることができますが、民間団体の主宰するスクールで技術を身につけ、系列のサロンなどで修業してから開業していく、というのが一般的なルートです。

柔道整復師は、独立開業して働くほか、整骨院や接骨院、また、スポーツトレーナーとしてや、特別養護老人ホームやデイサービスセンターなどの介護施設において、機能訓練指導員として働くこともできます。

柔道整復師になるには

柔道整復師になるには、高校を卒業後、柔道整復師養成課程のある専門学校などで受験資格を取得し、国家試験に合格する必要があります。

残念ながら通信教育では柔道整復師を目指すことはできません。

柔道整復師試験の概要

受験資格

柔道整復師の受験資格は、

  • 学校教育法第90条に定める大学入学資格があり
  • 柔道整復師養成施設として認定されている専門学校(3年制以上)や、
  • 文部科学大臣の指定した短大(3年制)、大学(4年制)で

所定の科目を履修して卒業することで得られます。

試験日時

例年、出願は1月の上旬~下旬、試験は3月に実施されます。

試験地:北海道・宮城県・東京都・石川県・愛知県・大阪府・広島県・香川県・福岡県・沖縄県

試験の方法と内容

試験時間と出題形式

午前9時半から午前の部(2時間30分)と午後の部(2時間30分)に分けて実施。

午前の部:120問(客観式必修問題:30問、客観式一般問題:90問)

午後の部:110問(客観式一般問題:110問)

が出題されます。

全て四肢択一問題で、実技試験はありません。

学科試験の試験科目

  1. 解剖学
  2. 生理学
  3. 運動学
  4. 病理学概論
  5. 衛生学・公衆衛生学
  6. 一般臨床医学
  7. 外科学概論
  8. 整形外科学
  9. リハビリテーション医学
  10. 柔道整復理論
  11. 関係法規

受験手数料

16,500円

合格基準・合格率

合格基準

午前の部:120問(客観式必修問題:30問、客観式一般問題:90問)

午後の部:110問(客観式一般問題:110問)

のうち、客観式必修問題は、8割(24問)以上の正解、客観式一般問題は、6割(120問)以上の正解が合格基準とされています。

合格率

平成31年3月実施の柔道整復師国家試験の合格率は65.8%

柔道整復師試験の難易度

難易度: 普通

高校を卒業後、3年以上学校に通う必要がありますので合格までの時間は長いのですが、試験自体の難易度はさほど高くありません。

合格までの学習時間の目安:400時間

柔道整復師の独立開業にあたっての留意点

柔道整復師は開業権が与えられているため、資格を取得すると個人で整骨院や接骨院を開業することができます。

資格取得者の7割の人が独立開業

柔道整復師として独立開業をする場合は、資格取得後、主に整骨院や接骨院、整形外科の病院に勤務し、経験を積んで独立開業を目指すのが一般的です。

実際、資格取得者の7割の人が独立開業しているというデータもあります。

独立開業率は低下傾向に

しかし、高齢化社会においてさらなる需要が見込めるとあって、近年は、養成施設も急速に増えており、柔道整復師の資格所有者の数も増加傾向にあります。

このため、近年は地域によっては整骨院同士の競争が激化していることも少なくありません。

さらに近年は、整体院や整体サロン、リラクゼーションハウスといった店舗が乱立しています。

整骨院は、保険治療が強みではありますが、厳密には骨折や脱臼・打撲・捻挫など急性のけがの処置をした場合しか保険請求することはできません。マッサージや低周波治療であればリピート客も獲得しやすいのですが、保険治療としてこれを行うのは違法行為になります。

現在は、やや野放しの状態になっていますが、今後、不正防止審査がより厳しくなってくると、保険治療が難しくなりますので、無資格の整体師やカイロプラクター、セラピストなどとも競争をしなければならなくなります(実際は既に競争が激化しています)。

このようなこともあり、近年の開業率は低下傾向にあると言われています。

多額の開業資金が必要

また、開業するには、開業資金も必要になります。

物件取得費や内装・外装費、だけでなく他の店舗と同等以上の医療機器を導入するとなると、低周波治療器や温熱治療器、超音波治療器、ウォーターベッドなども必要に。

一般的には、500万円から1,000万円という多額の開業資金が必要になると言われています。

独立開業して成功するためには経営やマーケティングの知識や集客力も必要

このようなこともあり、多額の開業資金を工面し、開業して成功するためには、施術の技術だけでなく、経営やマーケティングの知識やスキル、また集客力も必要になります。

患者へのちょっとした気遣いやマナーが売り上げに大きく影響しますのでそういった面にも注意していく必要があります。

柔道整復師として独立開業し、失敗したケースと、柔道整復師以外の独立できる資格を、下の記事でまとめていますので参考にして頂ければと思います。

柔道整復師は定年後に役立つ資格か

柔道整復師の資格は定年後にも役に立ちます。自営でできますので定年という概念はありませんし、体力さえあれば定年後でも長く続けることができます。

よくあるパターンが、自衛隊を定年退職した後、体力を活かして整体師として独立するケースです。中には学校に通って柔道整復師の資格を取って独立する人もいます。

手技一つで独立でき、年金の足し程度に稼げれば問題ないのであれば、定年後に独立できる資格としてはおすすめです。

開業して働くだけでなく、整骨院や接骨院に勤務したり、スポーツトレーナーとしてや、特別養護老人ホームやデイサービスセンターなどの介護施設において、機能訓練指導員として契約して働くということもできます。

定年後におすすめの資格は以下の記事でまとめています。