医療事務のおすすめ資格

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高齢社会の日本では、医療事務に関する仕事には安定した需要があります。

それに伴い、医療事務に関する資格も数多く存在します。

医療事務に関する資格を取得したいけどどれを目指せばいいかわからない人も多いでしょう。

そこで、ここでは、医療事務のおすすめ資格とその内容・難易度などを解説しています。

資格の内容や難易度などを参考に自分の目的に合った資格を選びましょう。

医療事務とは

医療事務とは、病院やクリニックなどの医療機関で患者の受付や会計をしたり、また、医療費の計算や保険者に診療報酬を請求するためのレセプト作成などを行う仕事です。

特にレセプトの作成は医療事務の重要な仕事です。

レセプトとは、実際にかかった医療費から患者が支払った医療費(最大3割)を差し引いた金額を市区町村や健康保険組合などの保険者に請求するための明細書のことで、レセプトの作成とは、保険者に診療報酬を請求する業務のことです。

また、医師や看護師をサポートするクラーク業務も重要です。

医療関係者の仕事を間接的に支え、病院全体の業務を効率化する役割も担っています。

医療事務に資格は必要か

医療事務の仕事は、医師や看護師と違い、資格がなくてもできます

しかし、普通の事務と違って業務内容が専門的であるため、採用側としては、働きだして業務を覚えてもらうより、予め経験や知識がある人を採用したいと思っています。

実際、医療事務の採用では、レセプトの作成などに医療保険制度や法令などについての専門的な知識やスキルが必要になるため経験者や資格取得者が優遇される傾向があります。

そのため、特に未経験者の方は医療事務に関する資格を取得しておいた方が就職や転職、再就職に有利になると言えます。

医療事務は景気に左右されることもなく、幅広い年齢の方が長く活躍できる仕事です。

また、病院が職場で全国に安定した求人がある上、社会全体の高齢化にともない、医療に関わる仕事は多岐にわたり増えてきますので、資格の需要もさらに高まることが予想されます。

医療事務資格は講座受講がおすすめ

医療事務資格は独学での合格でも可能です。

講座を受講するとおそらく独学よりも高い授業料を支払うことになりますが、その分、講座の受講で得られるメリットも少なくありません。

実際、多くの人が通信講座か通学講座を利用しています。

講座受講のメリット

講座受講のメリットとしては、主に次の3点があります。

  1. 無駄なく効率的に学習できる
  2. 疑問点が早く解決できる
  3. 就職サポートがある場合がある

特に、医療事務関連の講座には就職サポートがあるものが目立ちます。

これは、医療機関と提携している機関が講座を主催していることが多いためです。

資格取得の目的が就職や転職、再就職だとすれば、就職活動のサポートや就職先を紹介してくれるサービスは非常にありがたいシステムです。

就職や転職を目的として資格を目指す場合は、講座を選ぶ際にこのようなサービスがどれくらい充実しているか調べて選択するといいと思います。

医療事務のおすすめ資格

医療事務は、専門的な知識やスキルが必要になるため、そのスキルを証明できるいくつかの民間資格が用意されています。今のところ国家資格はありません。

その数は数十種類以上あると言われていますが、ここではその中から特に知名度が高く人気がある以下の資格について紹介します。

  1. 医療事務検定試験
  2. 医療事務認定実務者試験
  3. 医療事務技能審査試験(メディカルクラーク)
  4. 医療事務管理士技能認定試験
  5. 診療報酬請求事務能力認定試験

これらの資格の保有者は、医療事務に関する基礎的な知識・スキルを保有していることを証明でき、就職や再就職、転職に有利になります。

医療事務検定試験

医療事務検定試験は、日本医療事務協会が主催する検定試験です。

医療事務初心者向けの試験で、医療保険制度や患者さま対応、医療費計算、請求事務の知識など医療事務全般の基本的知識と技術が問われます。

医療事務に関する資格の中でも最も易しい試験の一つで、合格率が90前後と非常に高いので初心者におすすめの資格です。

試験内容は学科と実技が実施されます。

試験は、会場受験と自宅受験とがあり、2回目以降の受験や日本医療事務協会の通信講座を修了した人は自宅受験が可能です。自宅受験は、毎月第4土曜日に実施されます。

一般的には医療事務講座を受講して在宅受験をする方が殆どです。

難易度は高くないので取得しやすい資格です。

受験資格 年齢・性別・学歴に関係なく誰でも受験できます。
主催 日本医療事務協会
試験実施時期 毎月実施(自宅受験は毎月第4土曜日に実施)
試験の方法 学科試験と実技試験を実施
合格率 90%前後
難易度 非常に易しい
受験料 7,700円

医療事務認定実務者試験

医療事務認定実務者試験は、全国医療福祉教育協会が主催する検定試験です。

2016年に開始された比較的新しい試験なので認知度は低めですが、診療報酬請求事務に関係した資格としては評価が高い資格です。

診療報酬請求事務の問題は易しめで、接遇・マナーなど、受付業務に必要な知識を重点的に学習しますので、医療事務検と同じく医療事務の入門資格として最適です。

試験は、在宅受験と会場受験があり、在宅受験は、月1回(年に12回)、基本的に毎月最終日曜日に実施されます。

たのまなやユーキャンの医療事務講座を受講して在宅受験をする方が殆どです。

試験は、学科問題とレセプト作成能力を見る実技問題があります。

診療報酬請求事務を重点的に学習する他の資格とは異なり、接遇やマナーなど、受付業務に関する知識を重点的に学習しますので、初めて医療事務に従事する方向けの資格と言えます。

難易度は高くないので取得しやすい資格です。

受験資格 年齢・性別・学歴に関係なく誰でも受験できます。
主催 全国医療福祉教育協会
試験実施時期 毎月1回(在宅受験と会場受験あり)
試験の方法 学科試験と実技試験を実施
合格率 60%~80%
難易度 非常に易しい
受験料 5,000円

医療事務技能審査試験(メディカルクラーク)

医療事務技能審査試験は、一般財団法人日本医療教育財団が認定している資格で、医療事務関係としては最大規模の全国統一試験です。

昭和49年度からの総受験者数は163万人、合格者数は92万人を超える試験で、医療事務に関係する資格の中で最も認知度が高い試験とされていす。

医療事務技能審査試験の合格者には「メディカルクラーク」の称号が与えられます。

試験は医科と歯科に分けて実施され、それぞれで医療事務知識を問う学科試験(択一式)と実技Ⅰ(患者接遇:記述式)、実技Ⅱ(診療報酬請求事務と診療報酬明細書点検)が実施されます。

試験は在宅受験でテキストを見ながら受けられます。

受験資格 年齢・性別・学歴に関係なく誰でも受験できます。
主催 一般財団法人日本医療教育財団
試験実施時期 医科:年12回
歯科:年6回(5月、7月、9月、11月、1月、3月)
47都道府県で実施
試験の方法 学科試験と実技試験Ⅰ・Ⅱを実施
合格率 60%~80%ほど
難易度 易しい
受験料 7,700円

医療事務管理士技能認定試験

医療事務管理士技能認定試験は、株式会社技能認定振興協会(JSMA)が実施する認定試験で、日本で最初の医療事務の資格として幅広く医療機関に認知された資格です。

合格者には「医療事務管理士」の称号が与えられます。​

医科と歯科の2種類に分かれ、それぞれ、「医科医療事務管理士」「歯科医療事務管理士」の名称で呼ばれています。

マークシート方式の学科試験と診療報酬明細書(レセプト)の作成などを行う実技とが行われます。いずれも持ち込んだ資料などを参考にして答案作成が認められています。

試験には、指定会場で指定日に行う会場試験と、パソコンを使い、自身の決めた日時で行うインターネット試験(IBT試験)の2通りがあります。

会場試験では免除制度があり、学科・実技いずれか一方のみが合格した場合は、合格した科目の受験が6ヶ月間免除されます。

いずれも教材の持ち込みが可能です。

受験資格 年齢・性別・学歴に関係なく誰でも受験できます。
主催 技能認定振興協会(JSMA)
試験実施時期 会場試験:年6回(奇数月の第4土曜日)
試験の方法 学科試験と実技試験を実施
合格率 医科:50%ほど 歯科:70%ほど
難易度 易しい
受験料 7,500円
5,400円(免除有の場合)

診療報酬請求事務能力認定試験

診療報酬請求事務能力認定試験は、公益財団法人日本医療保険事務協会が実施する認定試験で、厚生労働省が認可している唯一の医療事務資格試験です。

数ある医療事務の資格の中で最も難易度が高く、唯一の公的な試験ということもあり、医療現場からの評価が最も高い資格と言われています。

会社や医療機関によっては、募集の際に必須の資格としているところもあります。

また、24時間体制の医療が求められることが多くなってきていることもあり、定年後の男性も労働力として求められるケースが増えてきています。

このため、女性だけでなく男性のセカンドキャリアを考える上でも選択肢となってきています。

試験は、医科と歯科に分かれ、それぞれ学科試験と実技試験が実施されます。実技試験では、診療報酬明細書(カルテ)から手書き方式でレセプトを作成する実技が問われます。

いずれも試験会場への診療報酬点数表、その他の資料の持ち込みは自由です。ただし、パソコンや携帯電話等の通信機器の持ち込みは禁止。

様々な医療関係施設からの資格取得者への需要も多いため、未経験で医療事務の仕事に就きたい人や就職・転職後のスキルアップ、収入アップを目指す人は是非取得したい資格です。

受験資格 年齢・性別・学歴に関係なく誰でも受験できます。
主催 公益財団法人 日本医療保険事務協会
試験実施時期 年2回(7月、12月)
試験の方法 医科と歯科に分け、それぞれ学科試験と実技試験を実施
合格率 医科は28.3%、歯科は37.5%(令和4年7月)
難易度  医療事務関連資格の中では最も難易度が高い
受験料 9,000円

医療事務の資格とその難易度のまとめ

以上、医療事務の資格とその難易度を紹介してきました。

医療事務資格 資格の特徴 難易度
医療事務検定試験 初心者におすすめの医療事務資格
医療事務認定実務者試験 比較的新しい試験で医療事務の入門資格としては最適
医療事務技能審査試験
(メディカルクラーク)
医療事務関係としては最大規模の全国統一試験
医療事務管理士技能認定試験 日本で最初の医療事務の資格として幅広く医療機関に認知された資格
診療報酬請求事務能力認定試験 医療事務の資格の中で最も難易度が高く、唯一の公的な試験

医療事務の仕事は、経験者が優遇される仕事ですが、経験がない人でも資格を持つことで就職や転職のチャンスが広がります。

とはいえ、医療事務に関する資格は沢山あり、正直全く役に立たないものもあります。

その中でも役に立つ資格かどうか見極める目安が資格の難易度(希少価値)です。やはり、合格率が80%を超える、受験すればだれでも合格する資格は役に立つとは言えません。

ということで、ここでは、比較的難易度の高い医療事務関連の資格を紹介しました。

特に、医療事務関連の最高峰の資格と言われている診療報酬請求事務能力認定試験は、医師へのアンケートや現場の声でも最も評価されている資格です。

50代、60代でも活躍されている人は少なくありませんし、実際にシニアへの求人もあります。

医療事務関係の仕事に就きたいと思っている人は、診療報酬請求事務能力認定試験の資格取得にチャレンジしてみてはどうでしょうか。

医療業界で働きたい場合は、調剤薬局事務や薬剤師が不在でも第1類医薬品以外の一般用医薬品の販売ができる登録販売者という資格もあります。

調剤薬局事務に関する資格は下の記事でまとめていますので参考にして下さい。

その他、転職に役立つ資格や定年後に役立つ資格、また、受験資格が必要ない資格については、下の記事でまとめていますでの参考にして頂けたらと思います。