データベーススペシャリスト試験の難易度

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ここでは、データベーススペシャリストとは何か?また、データベーススペシャリスト試験の概要やその難易度などをまとめています。

データベーススペシャリスト試験とは?

データベーススペシャリストは、データベースに関するプロフェッショナルとして、最適な情報システム基盤の企画や要件定義・開発・運用・保守において中心的な役割を果たすとともに、情報システムの企画・要件定義・開発・運用・保守への技術支援を行う技術職です。

クライアントから課題や要望をヒアリングしたり、他の開発スタッフと共同で作業で開発を進めたりするため、コミュニケーション能力も必要になります。

データベーススペシャリスト試験は、IPA(独立行政法人 情報処理推進機構)が実施している情報処理技術者試験の一つで、データベーススペシャリストとしての知識や技術、経験が一定以上であることを認定する国家試験です。

企業活動を支える膨大なデータを管理し、パフォーマンスの高いデータベースシステムを構築できるデータベース管理者を目指す方に最適な資格です。

試験のレベルは情報処理技術者試験の中では最高峰とされる高度レベルの4の試験で、高度情報処理技術者試験に含まれます。

データベーススペシャリストはIT業界全般のみならず、一般企業やフリーランスとしても活躍できますが、特にデータベースの運用管理を行うデータベース管理者やインフラ系エンジニアでの活躍が期待できます。

データベースは基幹業務の効率化や情報利用の高度化に非常に重要であるため、その専門家であるデータベーススペシャリストは非常に重宝されています。

需要も多く、資格を取得しておけば上級エンジニアであることを証明でき、就職や転職時に非常に有利になることは間違いありません。

企業によっては、合格者に資格手当や一時金を支給する場合もあります。

データベーススペシャリスト試験 評価
受験資格 なし
就職・転職に役立つか
定年後の再就職に役立つか
独立に役立つか
難易度 かなり難しい

データベーススペシャリスト試験の概要

受験資格

受験資格は必要ありません。

年齢、学歴、国籍、性別、実務経験等に関係なく誰でも受験できます。

試験日時・試験地

試験日時

データベーススペシャリスト試験は、年1回、秋に実施されます。

例年、例年7月中旬から8月中旬にかけて申し込みを受け付け、10月の第3日曜日に試験が実施されます。

試験地

全国47都道府県の主要都市が試験会場となっています。

試験免除制度

データベーススペシャリスト試験の午前Ⅰ試験については、次の①~③のいずれかを満たせば、その後2年間、受験申込み時に申請することによって受験を免除されます。

  1. 応用情報技術者試験に合格する
  2. 情報処理技術者試験の高度試験又は情報処理安全確保支援士試験のいずれかに合格する
  3. 情報処理技術者試験の高度試験又は情報処理安全確保支援士試験の午前Ⅰ試験で基準点以上の成績を得る

例えば、応用情報技術者試験に合格した者はその後2年間、受験申込み時に申請することでデータベーススペシャリスト試験の午前Ⅰ試験が免除され午前Ⅱ試験から受験することが可能です。

試験の方法と内容

試験は、午前Ⅰ・Ⅱと午後Ⅰ・Ⅱに分かれて下記の要領で実施されます。

試験の方法 午前Ⅰ 午前Ⅱ 午後Ⅰ 午後Ⅱ
試験時間 9:30~10:20
(50分)
10:50~11:30
(40分)
12:30~14:00
(90分)
14:30~16:30
(120分)
出題形式 多肢選択式
(四肢択一)
記述式 記述式
出題数
解答数
出題数:30問
解答数:30問
(高度試験共通)
出題数:25問
解答数:25問
出題数:3問
解答数:2問
出題数:2問
解答数:1問

午前Ⅰの試験

高度試験に共通して出される問題です。

テクノロジ系(技術)、マネジメント系(管理)、ストラテジ系(経営)から30問出題

※四肢択一問題30問×3.4点で合計100点

午前Ⅱの試験

テクノロジ系(技術)、マネジメント系(管理)、ストラテジ系(経営)から25問

※四肢択一問題25問×4点で合計100点

  1. コンピュータ構成要素
  2. システム構成要素
  3. データベース
  4. セキュリティ
  5. システム開発技術
  6. ソフトウェア開発管理技術

の6分野から出題

特に、データベースとセキュリティについて高度な問題が出題されます。

午後Ⅰ・Ⅱの試験

出題範囲は次の通りです。

  1. データベースシステムの企画・要件定義・開発に関すること
  2. データベースシステムの運用・保守に関すること
  3. データベース技術に関すること

午後Ⅰは、上記の範囲からシナリオ問題が3問出題され、2問を選択して解答します。

各50点×2問で合計100点

午後Ⅱは、上記の範囲から長文問題が2問出題され、うち1問を選択して解答します。

100点×1問で合計100点

受験手数料

7,500円

データベーススペシャリスト試験合格者の特典

他の試験の免除

データベーススペシャリスト試験に合格、又は、午前Ⅰに基準点以上を得れば、その後2年間、受験申込み時に申請することによって、他の高度情報処理技術者試験及び情報処理安全確保支援士試験の午前Ⅰの科目免除され、午前Ⅱ試験から受験することが可能です。

科目の免除

また、データベーススペシャリスト試験の合格者は、

  1. 弁理士試験の科目免除(理工V・情報)
  2. 技術士試験の科目免除(情報工学部門)
  3. ITコーディネータ(ITC)試験の科目免除

などの科目免除があります。

任用資格

任用資格とは、特定の職業ないし職位に任用されるための資格のことです。

データベーススペシャリスト試験の合格者は以下の任用資格が与えられます。

  1. 技術陸曹・海曹・空曹及び予備自衛官補(技能公募)の任用資格
  2. 警視庁特別捜査官の4級職(警部補)のサイバー犯罪捜査官の任用資格
  3. 中央省庁の4級職~6級職CIO補佐官(主査・課長補佐・班長・企画官・調査官)等の職員の任用資格

データベーススペシャリスト試験の難易度

合格基準

午前Ⅰ・Ⅱ、午後Ⅰ・午後Ⅱともに100点満点中60点以上が基準点です。

高度情報処理試験には以下の足切りがあります。

  1. 午前Ⅰ試験の得点が基準点に達しない場合は午前Ⅱと午後の試験の採点を行わずに不合格
  2. 午前Ⅱ試験の得点が基準点に達しない場合は午後Ⅰ・午後Ⅱ試験の採点を行わずに不合格
  3. 午後Ⅰ試験の得点が基準点に達しない場合は午後Ⅱ試験の採点を行わずに不合格

合格率

データベーススペシャリスト試験の合格率は例年16%前後です。

令和4年度は、8,445人が受験して合格者は1,486人。合格率は、17.6%でした。

午前の問題を免除された受験者(午前の問題が合格レベルに達した者)がおよそ半数いる中での合格率ですので、かなり難易度の高い試験と言えます。

データベーススペシャリスト試験の難易度

データベーススペシャリスト試験のレベルは、他の高度情報処理技術者試験と同じスキルレベル4に相当します。

合格率は15%前後とさほど低くはありませんが、これは受験者のレベルが高いためです。

応用情報技術者やその他の高度情報処理試験の合格者やそれらの1次試験をクリアした者、または、それとほぼ同等の者が受験しますので、言わば、合格率においては2次試験的な意味合いを持つ試験と考えていいでしょう。

難易度: かなり難しい

合格までの学習時間の目安:1200時間

合格までの学習時間の目安は、知識ゼロから合格を目指す場合です。

経験やその他保有資格により目安より短期間で合格することが可能です。

データベーススペシャリストは転職や定年後の就職・再就職では厚遇で迎えられる可能性あり

データベーススペシャリストはデータベースに関するプロフェッショナルです。

IT企業だけに限らず、どこの企業でもデータベースは存在します。そして、システム全体を把握してデータベースの設計・構築・運用まで行える優秀なデータベーススペシャリストはどこの企業でも不足しています。

そのため、企業は優秀なエンジニアを喉から手が出るほど欲しがっており、企業によっては厚遇で迎えるところも少なくありません。

資格取得者はデータベース構築プロジェクトのグループ責任者になれる実力を証明できますので就職や転職時もその実力を客観的にアピールして有利に進めることができます。

さらに、企業内でも資格取得者は上流工程への参加などの新たな役割を担うチャンスが増え、年収アップも期待できます。

勿論、定年後も経験と資格を活かして有利な条件での再転職が期待できます。