プロジェクトマネージャ試験の難易度や合格率

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ここでは、プロジェクトマネージャ試験の難易度や合格率などをまとめています。

プロジェクトマネージャ試験とは?

プロジェクトマネージャ試験は、国家試験である情報処理技術者試験の一つです。

高度IT人材として確立した専門分野をもち、システム開発プロジェクトの目標が達成できるマネジメントスキルがあるかどうかを問われる国家試験です。

試験の合格者は、プロジェクトやプロジェクトマネジメントの計画立案を行い、計画に基づいてプロジェクトを実行・管理する能力を保有する者と認定されます。

試験のレベルは他の高度情報処理技術者試験と同じ最も難易度の高いスキルレベル4に相当しますが、その中でも、プロジェクトマネージャ試験はITストラテジスト試験システム監査技術者試験と並んで最も難易度が高い試験とされています。

人材が不足している情報処理業界において情報処理技術者は重宝されます。

開発プロジェクトを抱えている企業は多いもの。その中において、特にプロジェクトマネージャの有資格者は、プロジェクトを成功に導き、プロジェクトメンバを教育できるマネージャとして就職や転職でも高い評価を受けることができます。

年収も期待でき、パーソルキャリアが運営する転職サービス「doda」が発表した2021年のIT職種平均年収ランキングでは、プロジェクトマネージャが1位を獲得しており、平均年収は671万円とされています。

プロジェクトマネージャ試験 評価
受験資格 なし
就職・転職に役立つか
定年後の再就職に役立つか
独立に役立つか
難易度 かなり難しい

プロジェクトマネージャ試験の概要

受験資格

受験資格は必要ありません。

年齢、学歴、国籍、性別、実務経験等に関係なく誰でも受験できます。

試験日時

プロジェクトマネージャ試験は、年1回、秋に実施されます。

例年7月中旬から8月中旬にかけて申し込みを受け付け、10月の第3日曜日に試験が実施されます。

試験免除制度

プロジェクトマネージャ試験の午前Ⅰ試験については,次の①~③のいずれかを満たせば、その後2年間、受験申込み時に申請することによって受験を免除されます。

  1. 応用情報技術者試験に合格する
  2. いずれかの高度試験又は情報処理安全確保支援士試験に合格する
  3. いずれかの高度試験又は情報処理安全確保支援士試験の午前Ⅰ試験で基準点以上の成績を得る

例えば、応用情報技術者試験に合格した者はその後2年間、受験申込み時に申請することでプロジェクトマネージャ試験の午前Ⅰ試験が免除され午前Ⅱ試験から受験することが可能です。

試験の方法と内容

試験は、午前Ⅰ・Ⅱと午後Ⅰ・Ⅱに分かれて下記の要領で実施されます。

項目 午前Ⅰ 午前Ⅱ 午後Ⅰ 午後Ⅱ
試験時間 9:30~10:20
(50分)
10:50~11:30
(40分)
12:30~14:00
(90分)
14:30~16:30
(120分)
出題形式 多肢選択式
(四肢択一)
記述式 論述式
出題数
解答数
出題数:30問
解答数:30問
(高度試験共通)
出題数:25問
解答数:25問
出題数:3問
解答数:2問
出題数:2問
解答数:1問

午前Ⅰの試験

高度試験に共通して出される問題です。テクノロジ系(技術)、マネジメント系(管理)、ストラテジ系(経営)から30問出題されます。

※四肢択一問題30問×3.4点で合計100点

午前Ⅱの試験

テクノロジ系、マネジメント系、ストラテジ系から25問

※四肢択一問題25問×4点で合計100点

  1. セキュリティ
  2. システム開発技術
  3. ソフトウェア開発管理技術
  4. プロジェクトマネジメント
  5. サービスマネジメント
  6. システム企画
  7. 法務

の7分野から出題

特に、プロジェクトマネジメントについて、高度な問題が出題されます。

午後Ⅰ・Ⅱの試験

出題範囲は次の通りです。

  1. プロジェクトの立上げ・計画に関すること
  2. プロジェクトの実行・管理に関すること
  3. プロジェクトの終結に関すること

午後Ⅰは、上記の範囲から3問出題され、2問を選択して解答します。

各50点×2問で合計100点

午後Ⅱは、論述式の試験です。上記の範囲から問題が2問出題され、うち1問を選択して解答(課題について実務体験をもとに概ね2200~3600文字程度で論述)します。

A、B、C、Dの4段階で評価され、Aのみが合格となります。

受験手数料

7,500円

プロジェクトマネージャ試験合格者の特典

試験の免除

プロジェクトマネージャ試験に合格した者や午前Ⅰ試験で基準点以上の成績をとった者は、その後、2年間、受験申込み時に申請することによって、情報処理技術者試験の高度試験の午前Ⅰ試験が免除され、午前Ⅱ試験から受験することが可能です。

科目の免除

また、プロジェクトマネージャ試験の合格者は、

  1. 弁理士試験の理工V・情報
  2. 中小企業診断士試験の科目免除(経営情報システム)
  3. 技術士試験の情報工学部門
  4. ITコーディネータ(ITC)試験の科目免除

などの科目免除があります。

任用資格

任用資格とは、特定の職業ないし職位に任用されるための資格のことです。

プロジェクトマネージャ試験の合格者は以下の任用資格が与えられます。

  1. 技術陸曹・海曹・空曹及び予備自衛官補(技能公募)の任用資格
  2. 警視庁特別捜査官の4級職(警部補)のコンピュータ犯罪捜査官の任用資格
  3. 国家公務員中央省庁の6級職および5級職(課長補佐)および4級職(係長)等の任用資格
  4. 国家公務員地方管区の5級職および4級職(課長補佐)等の任用資格
  5. 国家公務員都道府県の5級職(課長)および4級職(係長)等の任用資格

プロジェクトマネージャ試験の難易度

合格基準

午前Ⅰ・Ⅱ、午後Ⅰともに100点満点中60点以上が基準点です。

午後Ⅱの論述式の採点は、

  1. 設問で要求した項目の充足度
  2. 内容の妥当性
  3. 論理の一貫性
  4. 見識に基づく主張

で評価され、A、B、C、Dのランクで採点されます。

そして、評価ランクがA(合格水準にある)で合格となります(Aランク以外の場合は不合格)。

評価ランク 内容 合否
A 合格水準にある 合格
B 合格水準まであと一歩である 不合格
C 内容が不十分である
問題文の趣旨から逸脱している
D 内容が著しく不十分である
問題文の趣旨から著しく逸脱している

尚、プロジェクトマネージャ試験(高度情報処理試験)には以下の足切りがあります。

  1. 午前Ⅰ試験の得点が基準点に達しない場合は午前Ⅱと午後の試験の採点を行わずに不合格
  2. 午前Ⅱ試験の得点が基準点に達しない場合は午後Ⅰ・午後Ⅱ試験の採点を行わずに不合格
  3. 午後Ⅰ試験の得点が基準点に達しない場合は午後Ⅱ試験の採点を行わずに不合格

試験結果に問題の難易差が認められた場合には,基準点の変更が行われることがあります。

合格率

プロジェクトマネージャ試験の合格率は例年13~15%前後です。

令和4年度は、7,382人が受験して1,042人が合格。合格率は14.1%でした。

午前の問題を免除された受験者(午前の問題が合格レベルに達した者)が多い中での合格率ですので、かなり難易度の高い試験と言えます。

難易度と合格までの時間の目安

プロジェクトマネージャ試験の難易度は、レベル4とされる高度情報処理技術者試験の中でもITストラテジスト試験とシステム監査技術者試験に次いで難易度が高い試験と言われています。

その他の資格では、技術士と同等レベルだと考えられます。

合格率は15%程度と、さほど低くはありませんが、これは受験者のレベルが高いためです。

応用情報技術者やその他の高度情報処理試験の合格者が受験しますので、言わば、合格率においては2次試験的な意味合いを持つと考えていいでしょう。

難易度: かなり難しい

合格までの学習時間の目安:1500時間

尚、合格までの学習時間の目安は、知識ゼロから合格を目指す場合です。経験やその他保有資格により目安より短期間で合格することが可能です。

プロジェクトマネージャは転職や定年後の再就職に有利か

プロジェクトマネージャは、人材が不足しているIT業界の中でも特にニーズの高い職種です。

近年は、ITの活用が当たり前になり業界を問わずITのプロジェクトが進行しているためです。

特にプロジェクトリ-ダーやマネジメント経験を持つ有資格者は、IT業界においては引く手あまたと言っても過言ではありません。

企業によっては、社内での昇進時に優遇されたり、資格手当を出すところもあります。

また、情報処理業界に従事する人で定年退職を迎えた人は、この資格があれば良い条件での再雇用が可能になります。実際65歳以上の求人も数多くありますので経験次第で好待遇で迎えられます。

定年後の再就職に役立つ資格や独立が可能な資格については下の記事でまとめています。